第14話 男は語る③
「小さな姫様の好奇心を誰が責められましょうか。姫は扉についている繊細な装飾を施された金色のノブに目を惹き付けられました。この扉の向こうがどうなっているのか、ほんの少しだけ見てみたい。そう思われたのです」
「姫はノブを握ってまわしました。開くはずはなかったのです。その日その瞬間が、たまたまやってきていた百年に一度の『 時繋がりの刻』でさえなければ」
「扉は開いてしまいました。姫は好奇心のままに扉の向こうへと入ってしまい、そのまま、【時の狭間】に囚われてしまったのです」
「元々、罪を犯した高貴な方々の為に遥か昔に使われていたこの部屋には不思議な力がありました。この部屋のこのベットで眠ると【忘却の檻】と呼ばれる別の部屋へと飛ばされるのです。そして、そこで寝覚める度に今までいた世界の事を少しずつ忘れていってしまいます」
「姫様もそうでした。そのうちに姫様はご自分のことも、それからどちらが
「後は、お話した通りです。姫様のいなくなられた後、お妃様は嘆きのあまり儚くなられ、王はすっかり変わってしまわれ……国は……滅びました」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます