第15話 すべてが解けていく①

 男の話の全てが終わった。


 わたしは唖然としながら話を聞いていた。

 まだ、頭の整理が出来ない。

 それにわからないことや聞きたい疑問点も沢山ある。


「お話を聞いて、わたしがあのお話の中の姫だということはわかりました」


「このドアの向こうにあるのが緑の庭園ということも」


「でも、呪いとはいったい何なのです?」


 今度は女が答えた。

「それはこういうことなのです。姫様がいなくなり、お妃様が嘆きのあまり亡くなられた後、王がすっかり変わられてしまったのは、お話しましたね。狂乱の王と呼ばれるようになり、その為に国が滅びたことも」


「狂乱の王は反乱の時に崩れ去る城と共に炎の中に消えました。そしてその時、全てを失った王は姫が最後にいたはずの、そして、姫を奪ったこの【緑の庭園】を強く呪ったのです」


「しかし、その呪いは王自身にも及ぶことになりました。王は魂となってからも小さな姫を探し続けましたが【時の狭間】への扉をどうしても見つけられませんでした」

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