第11話 そしてまた、白い部屋で

 目を覚ますと、わたしはいつもの白い部屋にいた。


 コンコンコン

 ノックの音がする。


 ベットから起き上がって壁時計を見る。

 いつもの午前3時だ。


 ドアが静かに開いていく。

 そこには、あの男と女がいる。


 今夜は彼らが口を開く前に、わたしが尋ねた。

「此処はどこなんですか?」

「あなた方は誰?」

「あのドアの向こうにある庭園は?」

 それに、それに……。

 聞きたいことはまだまだある。


 彼らは顔を見合わせて、頷きあった。


 それから、男がゆっくりと口を開いた。

「疑問に思われるのはもっともです。わたしたちもやっと貴女様あなたさまにこうしてお話をすることができるようになりました」

「あの” 災いの亡国 ”の物語を語り終えるまでは、それ以外の話ができなかったのです」

「これは、そういう呪い、でした」


「ご質問に答えましょう。少し長いお話になりますが、宜しいでしょうか」


 男が言った。


 わたしは頷く。


 そして、男は語り始めた。

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