第10話 わたしは誰?

 自分の部屋で目を覚ましたわたしは、ふと考える。


 そういえば、わたしはいつから、この部屋にいた?

 わたしは、この部屋で眠る前にはいつも何をしていたっけ?


 そういえば、わたしは誰?


 何で今までこんな当たり前のことを考えなかったんだろう。


 この部屋のわたし。

 不思議な夢の中の白い部屋のわたし。

 不思議な夢の中で白い部屋のドアを開けた先での小さな女の子になっていたわたし。


 頭に霧がかかったみたいにわからなくなっている。


 どれが現実でどれが夢なの?

 どれが真実ほんとうのわたしなの?


 そういえば、わたしは今の部屋のドアを開けて外に出たことは、あったかしら。


 ドアの前まで行ってみる。

 見慣れているはずの、ありふれた真鍮しんちゅうのノブに手を伸ばそうとして急に怖くなる。

 この部屋から出てはいけないという強いおそれが湧き上がってくる。


 わたしは混乱しながらも考える。


 とにかく今度、眠ってあの白い部屋に行ったら、また金のノブをまわしてドアの向こうに行ってみよう。

 それから……。


 わたしはベットに戻って考え続ける。


 そうして、いつしか

 わたしは眠っていた。

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