第2話 ある王様の話

 夜いつもの部屋で、わたしは眠りにつく。

 それから暫くして……。


 コンコンコン

 ノックの音で目が覚めたわたしは、自分が見知らぬ真っ白な部屋のベットで寝ていることに気がつく。

 壁時計は午前3時を指している。


 まただ。

 思っていると、目の前に見えるドアが少しずつ開いていく。


 そこには女が一人。

 真っ白なドレス。

 長い髪はまとめてあげている。


 わたしも真っ白な裾の長いネグリジェを着ている。

 起き上がりベットから出ようとするわたしを女が制する。


 女は言う

「そのまま聞いてください」


「王様の善政は続き、民は幸せに過ごしていました。けれど、ある日、そんな日々に影を落とす出来事が起こりました。王様の可愛い小さな一人娘が、遊んでいたはずの城の庭園から忽然と姿を消してしまったのです。城中が探されましたが、姫は見つかりませんでした」


 女はそこまで話すと、お辞儀をして、それから開けた時と同じ様に、ゆっくり、静かにドアを閉めた。


 気がつくと、朝の光が差し込んでいて。


 わたしは、いつもの部屋で目を覚ましていた。

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