第2話 ある王様の話
夜いつもの部屋で、わたしは眠りにつく。
それから暫くして……。
コンコンコン
ノックの音で目が覚めたわたしは、自分が見知らぬ真っ白な部屋のベットで寝ていることに気がつく。
壁時計は午前3時を指している。
まただ。
思っていると、目の前に見えるドアが少しずつ開いていく。
そこには女が一人。
真っ白なドレス。
長い髪はまとめてあげている。
わたしも真っ白な裾の長いネグリジェを着ている。
起き上がりベットから出ようとするわたしを女が制する。
女は言う
「そのまま聞いてください」
「王様の善政は続き、民は幸せに過ごしていました。けれど、ある日、そんな日々に影を落とす出来事が起こりました。王様の可愛い小さな一人娘が、遊んでいたはずの城の庭園から忽然と姿を消してしまったのです。城中が探されましたが、姫は見つかりませんでした」
女はそこまで話すと、お辞儀をして、それから開けた時と同じ様に、ゆっくり、静かにドアを閉めた。
気がつくと、朝の光が差し込んでいて。
わたしは、いつもの部屋で目を覚ましていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます