午前3時のノック
つきの
第1話 白い部屋と物語の始まり
いつからか、わたしは不思議な夢を見るようになった。
夜いつもの部屋で、わたしは眠りにつく。
それから暫くして……。
コンコンコン
ノックの音で目が覚めたわたしは、自分が見知らぬ真っ白な部屋のベットで寝ていることに気がつく。
壁時計は午前3時を指している。
ここは?
思っていると、目の前に見えるドアが少しずつ開いていく。
そこには男が一人。
真っ白なシャツとズボン。
部屋と同じだ。
気がつけば、わたしも真っ白な裾の長いネグリジェを着ている。
思わず、わたしは起き上がる。
男は言う
「そのまま聞いてください」
「あるところに、一人の王様がいました。
民を慈しみ、善政を敷き、お妃と一人娘である小さな姫をこよなく愛し、そして皆からも慕われ愛される、そんな王でした。
国は豊かに栄え、皆、幸せに暮らしておりました」
男はそこまで話すと、お辞儀をして、それから開けた時と同じ様に、ゆっくり、静かにドアを閉めた。
気がつくと、朝の光が差し込んでいて。
わたしは、いつもの部屋で目を覚ましていた。
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