第55話 ダジャレ

服部がさらりと自分の思いを伝えた。

「ど、土台無理です」

新島村は、自分の評価を待つように矢澤施設長に顔を向けた。


これは以前、ここの施設で飲み会をした時に新島村の隣に服部が横に座っていて、何故か「オヤジギャグって滑るわよね」といった会話をして以来、何にかと打ち解けて話せる存在となった。爆笑🤣を呼ぶなんて全く考えもしていない話だった。


「そんなオヤジギャグを言う人で大丈夫?」

矢澤施設長が、心配して服部に壮訊ねた。

「オヤジギャグをいう人の方が世代的に安心していられるわ」

服部がそう言った。矢澤施設長の右の眉毛が、その言葉に反応した。呼気にアルコール🍺が含まれていたのを感知した検査器のような素早い反応だ。


「何か新島村さんと服部さんは、いいコンビじゃない?ボーリング🎳のグループは一緒にやるんだよね?じゃあ今回の応援団の発表会には期待しているよ」

新島村は、完全に焦った。困った事になったぞ。服部との相性で、ボーリング🎳大会のグループを選んだのではない。これは大いなる6階、いや4階、3階、2階、中2階、いや、違う。そうだ!誤解だ!

「ちょ、ちょっと待って。施設長!」


「いっそのこと、付き合ったらいいじゃない?」

「えっ!施設長、そうですか?」

服部の目👀が、爛々と輝き出した。その少女漫画みたいなキラキラ🤩な瞳は、『何を焚きつけてくれるんや!』と思わず叫びそうになった。『満更でもない』と言った感じだった。


『待て、待て!矢澤施設長!その言葉は無責任ですよ!パワハラですやん?!』

悔しくて思わず涙😭が出そうになった。

「オヤジギャグ、言って!ホラホラ、他のを言ってみなさいよ」

服部がはしゃいでいる。

「えっ?は、は、服部さん、急に言ってみろとせかされても、あの場の雰囲気があってのダジャレじゃないですか?このタイミングでいうのもおかしくないですか?間違いなく、ぜ、ぜ、絶対に滑りますから」


「そんな事無いって。他のダジャレ無いの?何か

考えなさいよ。ダジャレというのは、瞬発力でしょう?あなたの特技を伸ばしたら?っていう意味で言ったんだよ。何かあるんでしょう?例えば家関係とか?」

「いえーい!」 

苦し紛れに新島村がそう言うと、服部が思わず呟いた。

「マジか?」


「えっ?ダメなの?」

新島村が、思わず目👀を白黒させた。

「では次、テントの屋根が上手く貼れずに弛んでしまう!」

今度は、服部がまさかのネタ振りをして来た。






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