第39話 危ない、危ない
いつぞやは、フロアの席に座りながら排泄物💩を手🖐️に載せて、職員に向かって「これは何んですか?」と怒りながら訊ねてくた事があった。器用にも、フロアの椅子💺に座りながら、排便💩して、ズボン👖の裾から下に落としたようだ。
何と、器用な。その後からが大変だった。手洗いやら、着替え、消毒、殺菌など、やらなければならない事が増えるので、手乗り排便💩は是非止めて欲しかった。
そんなAさんとB子さんは、何度かこのショートステイで顔を合わせていたし、それまでは何の接点もなかったのだが、ある日AさんがB子さんの空いている横の椅子💺に座ったかと思うと、何やかんや言いながら突然、B子さんの背中や腕💪を触り出した。B子さんは、身体を嫌がってくねらせているけれども、満更でも無い様子だった。それを見たスタッフが、慌てて2人👬を止めに入った。
「ダメですよ。Aさん!」
「何をするんや!ワシの妻やないか!何をするんや!」と言って、怒り出した。
こちらが「何をするんや!」と言いたかった。
余りの剣幕💢でついタジタジとなる。Aさんを止めるには、従順なB子さんを連れ出すしかなく、2人を別々のユニットに分ける事にした。
暫く時間を置いて席💺にB子さんを戻すと、Aさんが席💺の横に座ろうとやって来た。
「危ない、危ない」
そうスタッフが呟いた。
「何でB子さんを気に入っているのを覚えているの?」
スタッフの驚きの声だった。
しかし、それからだ。毎月ショートステイに来ると、B子さんを捜すようになっていた。今まで毎月ショートステイを利用する際は「ここは何処や!」と怒っていたのに、B子さんを気に入ってからショートステイに来て捜すようになるとは。
何か胸騒ぎのような物が、ショートステイに来るとAさんに起こるのだろうか。それは元々本能の部分で、Aさんに女性を求めるという気持ちや、感情❤️が短期記憶障害をも乗り越えてしまったのだろうか。あれは衝撃だった。
介護で働いていると、認知の研修も受けるのだが、益々認知症という病気がわからなくっている。認知症と一言に言っても症状は様々だ。
支離滅裂な話をする認知症の高齢者。
「お化けが出る」と言って怖がってみたり、「私の母親は、何処に行ったのだろう?」と訊ねる90何歳の高齢者もいる。きっとその高齢者の母親は、120歳くらいなのだろうか?元気なお母さんやねー。何処に行ったのだろうか?長寿のギネス記録保持者であることは間違いない。
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