第33話 古田遊子ケアマネジャー
田所佳子がこの施設🏠に来た理由には、住んでいるK市より地域と遠く離れているからだし、育子が何かの書類に記入してもらうのは、M市にいる次男の康次郎だった。入所の際の契約書や、重要事項説明書のサインは康次郎が行った。康次郎も、建設👷関係の経営しているため忙しく、施設🏠のある市の近くに住んでいるとはいえ、彼もまた施設🏠にはなかなかやって来る事はなかった。
育子は、このグループホーム🏠に時々やって来て、田所に顔を見せてくれているし、比較的施設🏠の行事には積極的に関わってくれていた。上の兄2人には、金銭的な相談以外は期待出来ないと思っているためなのか、育子はここのグループホーム🏠を介護において唯一相談出来る場所として繋がりを求めているかのようだった。
時々育子は、自分の旦那と一緒に施設🏠にやって来る事もあった。白髪の旦那も非常に優しそうで、佳子の顔を見に来ると、「お義母さん、お義母さん」と、何度か優しく話しかけている姿を見た事があった。
あの田所佳子に「お義母さん」と話しかけられるだけでも凄い。
「おい!おい!殺す🔪のか?どうやの?助けて🆘!おい、誰や!」
空中を見ながら、何かと田所は対峙していた。もう言っている事が、もはや支離滅裂だった。田所は、口腔ケアを嫌がって自分では歯を磨こうとはしないが、何故かうがいだけは実行してくれた。
「ガラガラ、ぺッ💦」
新島村の介助で歯を磨き終った。
「田所さん、次ね、トイレに行きますよ」
トイレ🚽誘導を行う。田所は、トイレ介助では、しっかりお尻を支え、ズボン👖を下に降ろすと片膝で支えながら、更にリハビリパンツを降ろし、パットを引き抜き床に捨てた。便座🚽に座らせると、排便💩が見られた。-3日目だった。見事な軟便で一本絞り出した。
古田遊子ケアマネジャーが、暗唱番号を外し、桜🌸ユニットにやって来た。新島村が、田所が座る車椅子👩🦽を押しながらフロアに戻って来ると、小谷が呟いた。
「騒がしいなあ。もう寝てもらうか」
そう小谷が言った。車椅子に座りぱなしだと、田所の仙骨付近には、
新島村が、田所の206号室に向かう。
先程まで田所が、車椅子👩🦽に座りながら2人の様子を見比べた。古田が「やれやれ」と言った顔をしてチラッと田所の方を見てから訊ねた。
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