第16話 ぱいい〜んの感触

そっと額から血🩸が出ていないか、触って確かめた。大丈夫。怪我はない。でも肩の骨🦴が少しジンジンしていた。


これが五十川ではなく、2Fのグループホームの厚かましいオバハン職員連中の1人なら、絶対に大騒ぎしてやるところだった。


あかん!井上尚弥とフルトンのスーパーバンタム級🥊の試合みたいになるのは目に見えていた。8ラウンドの一発目のKOをくらい、ラッシュに合いコーナーポストに追われるフルトンみたいな気分になるだろう。


倍、3倍になって言葉のラッシュが返って言い負かされるに違いない。そしてきっと八つ裂きにされるに違いない。😭

五十川が、心配そうに新島村を見つめている。🎙️これは大黒摩季の歌🎤、🎵あなただけを見つめてる!ってやつじゃ無いのか?


そんな新島村は、彼女に何か気の利いた安心出来る事を言ってあげたいと考えた。

『巨人vs阪神のプロ野球⚾️の結果知ってる?違う。それは完全に違う。じゃあ何だ?施設のクーラーの効き具合の話とか、寒くない?とか。それも違う気がする。朝☀️、歯🦷を磨きすぎると歯茎👄から血が出てくる事っであるよねと話しかけたらどうだろう?朝☀️だけじゃないでしょう!と言われるのか、その話はもっと違う気がする』


ゆっくりと立ちあがろうとしているうちに、またもや鉄のドア🚪が内側に勢いよく開いた。今度は、ドア🚪の前にいた五十川の背中にドア🚪が「ドン!」と勢いよく当たった。


思わず五十川から「キャア!」と声が漏れ、新島村に倒れかかって来た。思わず、両手で抱きかかえながら倒れた。

「ぱいい〜ん!」

五十川の豊満なバストが腕💪に当たる。こ、この感触はFカップか、Eカップか?そしてシャンプーのいい匂いがした。『ああっ、これはぱいい〜んの感触、ああ幸せ』

「あっ、ごめんなさい」

そう言って、半分開いたドア🚪から衝撃を感じ取った服部育江が、驚いた顔🫨をして覗き混んできた。2Fの新島村とは、反対の向かいの別のユニットの介護職員をしていた。黒い土に塗れた小芋🥔のような顔をしていて、積極的に何故か新島村に声をかけて来る女性職員だった。


「あんたら!ここで何しているの?」

服部が、ドア🚪を完全に開けるとドア🚪の内側を覗き込みながら、そう言って訊ねてきた。服部の声が動揺しておかしなトーンをなっている。その口調は、6階、7階、8階くらいに誤解している。新島村が咄嗟に言った。

「違います。違います」

そう言って、両手🙌を左右↔️に振った。



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