第44話 梅ユニット 野島須加衣
誰かが、更衣室のドア🚪をノックして、梅ユニット
野島のロッカーに書かれたネームプレートを見ると、『
下の名前はキラキラ✨ネームの1つに入るんだろうか。昭和の始めには、『
野島は、新島村と同じく無資格者だった。
資格手当が貰えない分、どんどん夜勤に入って夜勤手当で稼ぎ、収入💰が足りないのを補いたいという話だった。
「梅ユニットの夜勤はどう?」
彼は、入職して来て半年くらいになる。最近夜勤を始めたばかりだった。
「緊張します」
ポツリと一言そう言った。
夜勤中に、利用者の誰が転倒し頭でも打ったら、救急車🚑を要請すれば夜勤者が同行しなければならず、そうなると梅ユニットに誰もいなくなってしまう。そうなると、近所に住む職員に電話☎️し、病院🏥から夜勤者が戻ってくるまで、見守りをして欲しいので急遽ここに来て欲しいと言わなくてはならなくなるのだ。
夜勤での勤務は、そういった不測の事態がいつ起こらないかと不安になるものだ。
野島の性格的な優しさは、彼の小さい頃に両親が離婚し、父方の祖父母に育てられたというところから来ているのかもしれない。以前の飲み会🍺で、隣になったことがあり、その時に色々な話をする機会があったからだ。
育ててくれた祖父は、昔豆腐屋をしており、まだ小さい頃は比較的裕福だったと言っていた。しかし、近くに大型スーパーが進出してから、急速に商売はダメになり、数十年前に廃業してしまったらしい。数年前に祖母が病気で亡くなり、残った祖父と一緒に暮らしていたが、介護認定を受け訪問ヘルパーや、ショートステイを利用しながら何とかこの仕事を続けていた。野島にとって介護というのは、遠いものでは無く、非常に身近な物だった。離婚した父親は再婚し、母親が違う弟が2人いるらしいがほとんど交流がないと言っていた。
父親は結局、バツ3で最後に持った家庭で暫く結婚💒生活を送っていたが、ギャンブルに狂い隠れて借金を作っていたのがバレて離婚したとの事だった。
「今は祖父の介護をしているので、父親の事まで手が回りませんよ」
そう言って、薄く笑った。
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