第43話 秋田裕子との口腔ケア
新島村は、夕食🍽️の配膳をし、食前薬💊を飲んでもらい傍我の食事🍽️介助をし終えてから、食べた後の片付けを行った。
谷河は誤嚥しないようと、 トロミが付いたお茶🍵を夕食に提供していたが、好きじゃ無いのか、なかなか飲もうとはしなかった。何度か、他の利用者の夕食🍽️後薬💊を渡したり、飲んでもらったりしている間にお茶🍵を飲むように勧めた。
その後、夕食が終わり、服薬💊も済んだ秋田の口腔ケアに向かった。
洗面台の前で、秋田に上下の義歯を外すように促しても、なかなか意味が理解出来ないのか、外そうとはしない。
仕方無く手に薄いゴム手袋🧤をつけ、上の義歯を引っこ抜いた。少し嫌がる素振りを見せたが、続けて下の義歯も外した。凄く吸着のいい義歯だった。
義歯を無くした秋田の口元は、一気に肛門の皺のように寄った。
「何やな!あんた!何やな!」
歯を奪い取られた不快感で、秋田が新島村を拒絶した。
「さあ歯を磨いて寝る準備しますよ」
スポンジ🧽の歯ブラシで、秋田の口の中をなぞった。首を振りながら、抵抗する。
「ダメです!歯を磨きましょう!」
「そんなん言うたかって、ふがふが、フガフガ、ふガガ」
何とか、スポンジ🧽ブラシを秋田の口の中に突っ込み清掃🧹した。後はトイレ誘導して、パジャマに着替えさせなくてはならない。
「さあ、トイレ🚽に行きましょうか?」
秋田は、トイレの🚽を見ると、「トイレ🚽か?」と言って、ズボンとリハビリパンツ🩲を自分で下ろしてくれる。石清水が、トイレの前に立ってウロウロしていた。
立川が、後を追いかけて来た。
「新島村さん、もう帰る時間⏰でしょう?替わるわ。後はやっておくから」
立川はパート職員だが、新島村よりも3年ほど古株だった。立川は、タイムカードの退勤を押してから、自分の仕事が片付くまで残っているくせに、新島村の超過時間⏰を気にしてくれる。
どうしてパートでいるのか、わからなかった。彼女なら、正社員になりたいと言えばすぐになれるのに。
「ありがとう」
そう言って、秋田のトイレ誘導を代わってもらった。パソコン💻を開け、タイムカードを押し、「お先に失礼します」と言って、立川と夜勤の宗則に挨拶をして、暗証番号を解除して桜🌸ユニットを出た。
今日の仕事が終わった。脱力感が半端なかった。男子更衣室で制服から私服に着替えながら、『今日は病院🏥に行ったのが、メインの仕事になってしまったなあ』と、ふと思っていた。気分的に疲れてしまった。
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