第42話 反応の連鎖
そう宗則がらパソコン💻のタイムコーダーを押した後、訊ねて来た。
「今日、鰐浜さんがトイレ🚽で転倒して入院したんですよ」
新島村が、そう伝えると、宗則は申し送りノート📓から顔😃を上げて驚いた表情で見返した。
「えっ?そうなんですか?」
夜勤を終えて、日の高いうちに帰るためか、日に焼けて、行く筋も細かい線が走っていた。
「大腿骨🦴骨折ですって」
新島村が、心配そうに答えた。
「歩けるようになって帰ってくるか。歩けなくなっているのに認知症のため、そんな認識が無くまた転倒されて骨折🩼になるのが怖い😱わね」
古川がそう言って、夕食🍽️のご飯🍚を盛りながら言った。
秋田裕子が、佐久田に何かを話しかけると、生真面目な認知症の佐久田が返答に困って、何度も天井を眺めて答えを探していた。その様子を発見💡した宗則が、「またおかしな事話しかけて、佐久田さんを混乱させてるわ」と言って、慌てて2人の間に入ろうとした。
「秋田さん、どうしたの?」
「お母さんが、言うていたのよ。この人に」
佐久田は、秋田から指☝️をさされビックリして困っていた。新島村が、テーブルをアルコール消毒し、拭き取る。
「もうすぐ口腔体操ですから、秋田さん、座ってください」
「座るんか?」
「はい。お願いします」
宗則が、秋田を席に案内すると、隣の席の田所が、驚いて大きな声を上げた。
「ひゃー😵、何え?」
宗則が、西川を座らせ、田所に話しかけた。
「大丈夫ですよ」
田所佳子が、自分の身体を激しく揺らして訊ねた。
「殺すのか🔪?私を殺すんか🔪?」
何で毎回そうなるのだろうか?1度か、2度在宅で命を狙われた事があるのだろうか?市会議員の妻として。
「うるさい!殺さへんわ!ここの職員さんたち!」
西川ゆりが、田所の声の大きさに反応し怒鳴った。
宗則は、困った顔をして西川の方を向いた。
田所の「殺すんか?」という疑問の付いた部分に対して、いくら何度「殺しません」と言ってその場では納得しても、数十秒後にはすっかり忘れて、同じ質問で「殺すんか🔪?」と訊ねてくるだろう。
それはまるで「殺すんか🔪?」という言葉を使って、「私の事、愛してるの?」という意味と田所にとっては同じ意味なのかもしれない。「殺すんか🔪?」と言いながら、こちらの愛情の確認をしているかのようだ。
横に座った秋田がクスクス🤭笑って田所に言った。
「あんた、何を言うてるんやな」
秋田の前のテーブルを拭きながら新島村は思った。
『秋田さん、まさに私はあなたにいつもそう思っているんよ』と言いたかった。
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