第9話 臥床介助
お金💰の面では夜勤が出来るのは嬉しいが、夜間🌙に利用者に突発的な事があったら、1人で対応をしなければならないというのは、これはこれで不安でならない。
『自分も1人で夜勤をやり出したら、転倒とか、夜間中に熱が出たとかになったら、不安だろうなあ。グループホームの夜勤はユニットに1人だから、何か突発的な事があれば焦るだろうな』と思った。
しかし、夜勤でもそうだが、昼の介護の仕事でもいくら同時並行として起こった出来事に対して、1つ1つの仕事を着実にこなし、片付けて行くしかない。そうする事で、他の職員から『この職員と一緒なら仕事が楽だ』と思われるようにしないと、根本のところで頼りにされなかったり、馬鹿にされたり、信用されなかったりするのだ。
「お股拭いてくださいね」
トイレットペーパー🧻を畳むようにして渡した。まだその使い方は、彼女にはわかるようだった。ゴソゴソと股間を拭くとそれを新島村に見せて来た。便💩が着いたトイレットペーパー🧻をどうしたらいいものかと困っているような様子が見えた。
「べ、べ、便器🚽の中で手を離して捨ててください!」
何度かの声かけで、やっと手を離してくれた。
「じゃあ、田所さん、立ちましょうか?」
そう言って、便座🚽に座る田所の目線に合わせて話しかけた。
「嫌や」
「(へ?)いやいや、寝なくてはなりませんから。パジャマに着替えましょう」
「まだ寝えへん」
思わず絶句した。
『よくもそうはっきりくっきりと言いますねえ』
どう返答しようかと悩んでいると、田所が訊ねてきた。
「殺すのか?」
余りのタイミングの良い一言に笑ってしまった。
「そんな事しませんよ。手すり持って立ってください」
「本当か?ここ持ったら、殺さへん🔪な?」
「殺しません。(多分)」
やっと、立ってくれたのでリハビリパンツを引き上げ、薄いズボン下とズボン👖を順番に引っ張りあげた。田所の腰骨を両手で持ち車椅子👩🦽に座らせる際、少し新島村の腰に痛み😖が走った。
新島村は、自分の痛みを気にしている間もなく車椅子👩🦽を押し洗面台に行き、田所に手を洗ってもらう。泡状になる手洗い洗剤を田所の両手に付けた。田所が両手🙌を擦り合わせるようにして洗う。手を🖐️洗うのは好きなのだろうか?
居室に行くと眼鏡👓を外し、車椅子👩🦽に座ったままパジャマに着替えてもらう。パジャマは、シルクのような肌触りで、光沢がある白地に薔薇🌹の花柄が入っていた。田所に次に取る行動を話しかけながら、不安にならないようにして服👚を脱いでもらう。
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