第3話 転職の理由

新島村にとっては、何か仕事上で間違い探しをされているようで殊更緊張してしまう。いつもは何気なく出来ていた事が、古田遊子ケアマネジャーに見つめられていると、身体の関節という関節から急に油が抜け落ちたようになり、緊張し余計にギクシャクしてしまうのだ。


その緊張には理由があって、何故か夜勤をして給料を稼ぐのが目当てでグループホームにやって来たのに、未だに夜勤をら任せてもらえない。夜勤時は、認知症の9人の人を1人で見るので、介護のスキルが無いと任せる事が出来ないのだ。


夜勤は、通常勤務より時間給も高く、更に夜勤手当5000円が付くので、資格手当が無い分夜勤で働かないと、生活が成り立たない。それが何故、どういった理由で未だに、新島村に夜勤勤務のGOサイン✍️を出してくれないのかわからなかった。


この施設「グループホーム にじいろ🌈」は、1Fの小規模多機能型住宅になっていて、小規模多機能型は利用者数の定員25名で登録し、利用者の在宅中の訪問ヘルパー、デイサービス、お泊まり🛏️も出来るという機能を持つスタイルだった。


そして2Fが、認知症対応型の高齢者のグループホームで、1ユニット9名の2ユニットに別れており、桜🌸と梅🌸と名前が付いている。新島村がいるのが桜🌸ユニットだった。


1ユニット9人単位だとはいえ、早番、日勤、遅番の昼間は3人体制になるが、朝と夜は2人体制、夜勤は1人で見守る。


新島村は、梅🌸ユニットに行く事はないが、どうしても病気や、急用が出来て欠員の介護職が出来ると、他のユニットに手伝いに行くこともあるが、余り知らないユニットには行きたくなかった。


新島村は以前、建設🔨🪚🦺業界で働いていた。しかし、身体を壊し45歳で介護業界に転職したのだ。今回のグループホームで3回目の職場となった。今まではデイサービス、訪問介護の職場を経験して来た。介護と一括りに言ってもデイ、訪問介護、ショートステイ、グループホームなどとは全く違うところもある。


最初に働いたデイサービスは、とにかく給料💰が安かった。また送迎もあり、車🚗の運転をしなければならないというのもプレッシャーだった。事故を起こせば、どんな運転をしたのかと問われ、万が一デイサービスの職員が、人身事故でも起こしたとなると、マスコミにデカデカと取り上げられたりする可能性もある。そう考えると、人命を扱う割には給料💰が安く、その責任の重さと比較しても割が合わない気がして嫌だった。











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