第7話 元は市会議員の奥様
「立つんか?」
田所が、突然我に返ったかのように訊ねて来た。
「はい、立っていただけますか?(女王様!)👑」
( )の言っていない言葉は、新島村の心からの叫びだった。
車椅子👩🦽から立った瞬間に、車椅子👩🦽を後ろに引き、自分の太ももを田所の尻に乗せ、そして一気にズボンと吸水ポリマーが付いたリハビリパンツ、パットごと引き下ろして、田所の腰を👐で掴んで便座🚽に座ってもらった。パットを引き抜くと、多量に排尿があった。
新島村の目線を気にしてなのか、便座🚽に座ると排泄💩もしていないのにリハビリパンツを上に引き上げて股間を隠くそうとする。
『そんなん、見ません。🙈何でも見ません!🙈意地でも見ません!🙈』
そう言いたかったし、またこうも言いたかった。
『今、便座に座ったばっかりなのに、何のためのリハビリパンツを引き上げるのでしょうか?そんなん僕に、見せないように防御する必要なんかありませんね?ホンマ、自意識過剰やろ?😭何処の誰が、おまんに興味あるねん?』と、そう叫びたい所だった。
90歳回った高齢者に性的な関心を抱くほど、新島村は困って無いし、変態でもないし、まだ多分、いや恐らくそこまで落ちぶれてはいない‥‥(はずだ)。
シャーと、排尿の音が聞こえて来た。
『良かった。間に合った』
夜間は、排尿の感覚がなくなっているらしく、よく失禁し、リハパン、パットからキャパオーバーし、パジャマ、ベッドのシーツを汚していた。夜間は、大きなパットを使用することになっている。
最悪なのが夜間時の排便💩があった時だ。気持ち悪いのか、オムツの中に手を突っ込み弄便(便を弄ぶ行為)をする行為があるらしい。洗濯も大変だし、朝食時間🍞というのに臭いも漂ったりする。ベッド柵や、シーツ、着ているパジャマや、布団などが便💩塗れになって後始末の掃除が大変である。
早番で出勤し、それを起床介助に居室のドア🚪を開け、ベッド上で見た時には、朝から『終わった‥‥』😭と思ってしまうのである。
そして本人の手🖐️を洗ったり、体を清拭か、シャワー🚿で洗い流さないと綺麗に取れないので時間と手間がかかるので、無駄な仕事は避けたい事だった。
田所佳子は、今年91歳になる。元々は施設のあるK市の市会議員の奥さんだったらしい。長年、地元の名士の奥様として積極的に、ボランティア活動や地域に関わってきたとのことだったが、その市会議員の旦那を肺ガンで亡くし、数年後から物忘れなどの症状が見られるようになって来たという。
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