15話 思い出せない…思い出したくない…

「注意」この話は、筆者の闇の部分が書いた話です。 心が苦しくなる場合がありますので、ご注意ください。 (ちなみに、筆者の実話や、実の心境も、混ざっています。)














 2018年6月23日(土)

 岸部結衣強姦未遂事件から、数日が経った頃だろうか。 あの事件直後は、僕達兄弟や金子は、周囲から質問攻めにあっていたが、それも無くなっていた。

 僕は部屋の掃除をしていた、すると「僕の闇日記」なる黒色の手帳を見つけた。

 しかし、このような物を書いた記憶はない。

 どうせ、暇潰しで書いたのだろう。 そう、僕は思いながらも、その手帳を見ることにした。


 小学4年の6月の時の僕の考え…僕はクラスメイトから嫌われている、本当はそうでないとしても、僕はそうと思ってしまう。 他人への悪口もすべて、自分への悪口に聞こえてしまう。

 今のクラスには、友人は一人しかいない。 しかも、その友人も他の友人と仲良くやっている。 そのグループに入ればいいのだろうが、僕は、そのグループにも入れない。 先生から、自由な数人のグループを作って作業をしてください。 と言われても、僕はいつも一人余る。

 とある日、僕は開き直った。 グループに入れない、入れてくれないのなら。 一人グループを作ればいいじゃあないか。 それから、僕はグループ作業の時は、一人でやるようになった。

 しかし、その様子を見ても僕をメンバーに誘うのは誰も居ない。 だから、僕は一人になった。 しかし、家では姉が居る。 他のクラスには、少なからずの友人が居る。 これでなんとか生きていける、そう思っても。 家に帰ると、貨物船の航海士をやっていて、たまにしか帰ってこない父が居る日は、何の理由もなく父は僕を殴り、蹴る。 多少のあざが顔に出来た事もあった、そして学校に行くと、心配してくれのは、先生と友人だけ。 他のクラスメイトは、ありもしない噂を流す。 それが僕の人生…。


 6月13日

 最近は猛暑が続いてる、汗かきの僕はいつも姉からタオルを持たされている、だからといって手に持っとくのもあれなので、僕はいつもランドセルに入れる。 そして、学校に着くと顔の周り等の汗を拭き取るのだが、やはり匂いというのはどうしても出てしまう。 それが原因で、僕はまた一人になってしまった。

 父が再来週ぐらいに帰ってくるらしい、二度と帰ってくるな! と、いつも思ってしまう。


 6月14日

 僕は、先生と母・姉に学校での事を相談した。 そして出されて結果が、欠席扱いにはしないので、しばらく休む。という事だった。


 6月26日

 2週間程の間、僕は姉に教えてもらいながら、家庭学習をしていた。

 しかし、父が帰って来て。 その事を知ると、父は、僕を2時間程だったか僕に説教という名の、ストレス発散をしていた。 それの影響で僕の精神と身体は遂に崩壊した。 その後の事は覚えていない。


 6月27日

 僕は、近所の駅に来ていた。 この駅は、通過列車もあり、その通過列車は100km.以上でこの駅を通過するので、ここなら簡単に…。

 僕はホームの端で、そんな事を考えていると、列車の通過を知らせる放送が流れ始めた、そして電車が高速で近付いて来た。 僕は、体を前のめりにした…。


 6月28日

 僕が目を覚ましたのは、三途の川では無く、同じ部屋で寝ている、姉のベッドだった。

 横を向くと、姉が僕を強く抱き締めていた。


 6月29日

 翌朝、姉にあの時の事を聞くと。

 僕が飛び降りようとしたのを、たまたま駅にいた祖父が見つけ、僕が飛び降りるのを間一髪のところを助けてくれたらしい。 しかし、僕は気を失っていたらしい。

 そして、昨日の昼頃から、祖父はずっと父に説教をしているらしい。

 リビングからは、祖父と祖母の怒鳴り声が聞こえていた。


 結果、自殺未遂をしたという事もあって、学校の方からも、1学期中は今までどおり家庭学習で、2学期から来れるのなら来て。 という事だった。

 その事を学校で知っているのは、先生方と僕の少なからず居る友人だ。

 一週間に一度ぐらいの間隔だが、友人が僕の家に遊びに来てくれる。


 9月1日

 夏休み明けてから少し経ったが、僕は再び学校に行くことにした。 しかし、クラスに行くと、なんで死んでないんだよ。 一生来るなよ。

 などという言葉が聞こえてくる。 そして、相変わらずグループは一人だ。 しかし、僕には、姉や友人が居る。 だから、僕は生きていける。

 だが、同時に思う。 姉、友人のどちらかが居なかったら僕は、今頃…。

 手帳はそれで終わっていた、涙がぽろぽろ流れているが、僕は抑えられなかった。 なぜなら、その状況は今もあまり変わらないのだから…。


 僕は、その時からの友人に「ありがとう。 友達でいてくれて。」そう、LAINで一人一人送っていった。

  そして、姉の部屋に行った。

 姉は、ベッドに座りながら小説を読んでいた。

 「うん? どうしたの!? 裕樹、泣いてるけど?」

 姉が聞いてきた。

 「いつもありがとう。 お姉ちゃん。」

 「あっ! 裕樹、その手帳…。」

 僕は、いまだに右手に先程の手帳を持ったままのことを、忘れていた。

 「裕樹、その一番後ろのページ見てごらん。」

 僕は、涙を手で拭くと。 手帳の一番最後のページを見た、そこには破った後があった。

 「そこになんて書かれてたか。 知りたい?」

 僕は、頷くと。 姉は、自分の横に僕を座らせ。

 「あれは、裕樹が小2ぐらいの時かな? 私達と、島崎さんの本当の出逢い。」

 「えっ! ってことは、前にも会っていたの?」

 「うん。 あれは、何年か前に、私と裕樹とお母さんで、東岸和田に行った時の帰り島崎さんに会ったのよ…。」

 その後の話は、前の夢の通りだった。

 「だけども、なんで破ったの?」

 僕が姉に聞くと。

 「破ったのは私じゃあなくて、裕樹よ。」 「えっ!」

 「あなた、小学3年の時に一度、精神崩壊…、いえ暴走してね。 そのときに、破ったのよ。

 そして、その後、裕樹は…。」

 「いや。 大丈夫、そこからはこの手帳が教えてくれた。 一つ聞きたいんだけどさ。」

 「なに?」

 「この、手帳に書かれてるのは全部本当なの?」

 「えぇ。 紛れもない事実よ。」

 「そう。 お姉ちゃん、本当にありがとう。 大好き。」

 僕はそう言うと、姉に抱きついた。


僕は、その後部屋に戻り部屋の掃除を続けた。

 そして、夕食の後、お風呂上がりに自分の部屋に戻ると、姉が僕のベッドに座りながら先程の「僕の闇日記」を読んでいた。 僕が入ってきた事に気づいた姉は、何か寂しげな声で。

 「ねぇ。 裕樹、私達二人の真実を覚えてる?」

 「真実? 一体なんの?」

 姉が言っている事が、僕にはさっぱり分からなかった。

 「私達、二人の本当の関係を…。」

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