13話 波乱の前の静けさ

6月11日(月)

 今日は、普段なら別々に行く姉と一緒に行くとこにした。 僕が居たから、だからなんだというような感じだが。 もし何かあったら嫌だった。

 そして東貝塚駅で島崎さんと会ったが、彼女は姉に声を掛けるだけだった。 その後、二人は会話をしていたので、僕は少し離れた場所で電車を待っていた。

 そして数分して、225系5100番代の普通 天王寺行きが入ってきた。

 今思えば、あの夢で出てきた駅って高架化前の東岸和田駅に似てたような、それにあの水色の電車って、この電車の先輩だよな?


 ここで説明しよう。 この物語内でも、何度か当時している東岸和田駅は、2017年10月22日から高架駅となっているが、それ以前は地上駅だったのだ。

 そして、225系5100番台は、かつて阪和線で走っており、老朽化していたスカイブルー(水)色の103系(全車解体)及び、スカイブルーのラインが入った205系(JR奈良線へ転属)の阪和線からの追放もとい、置き換え車両として導入された新型車両。

 つまり、夢の中で出てきた駅は地上駅時代の東岸和田駅で、水色の電車は103系ということになるのだ。


 ということは、あの夢は僕の過去の夢? だとしたら、あの少女は一体誰なんだ?

 そんな事を考えていると、電車は下松駅に着いた。 なんだか、ここで降りるのが久し振りに感じてしまう。


 そして学校に行き教室に入ると既に金子が来ていたので僕は早速

 「なぁ、金子。」

 「うん? なんだ、岸部。」

 そして僕は、周りに誰も居ないことを確認し、小声で

 「こないだの返事だが、あの後…」

 僕は、お泊まり以外の事をすべてを伝えた。

 それを聞いた金子は、驚いたように大声で

 「おぉ! マジか!」

 その後、金子は慌てて口を塞ぎ今度は小声で

 「それは、おめでとう! まさか、本当にこのクラスの初カップルが、陰キャ同士になるとはな…。 それじゃあ、これは俺達だけいや、俺達と島崎さんと後,岸部の姉だけの隠し事でいいのか?」

 「周りに言わなくていいのか?」

 「あぁ、俺達の仲だしな。 クラスメイトに言うのは、自分からの方が良いだろう。」

 「そうだな。 ありがとな。」

 「あぁ。」

 そう言って、金子は教室から出て行った。 恐らく、3年の柔道部に先輩に言いに行ったのだろう。 お姉ちゃん、気を付けてくれよ。


 その頃、金子は体育館の裏側で3年の柔道部の一人と電話をしていた。

 「えぇ、はい。 やはり、岸部と島崎は結ばれました。」

 「そうか。これで、あのブラコンの巨乳の姉を襲えるんだな。」

 「えぇ。 恐らく、岸部の姉は今頃、落ち込んでいる頃でしょう。 それで、いつ、どこで襲うんですか?」

 「そうだな。 岸部結衣の体育の後が良いだろうから、水曜日だな。」

 「学校外じゃあないんですか?」

 「俺も、そう思ったんだが。 体育館の裏に今は使われてない倉庫があるだろう?」

 「はい。 確か、今年の夏休みに取り壊す。」

 「そうだ。 そこは、俺が1年の頃の柔道部室だったんだ。 だから、忍び込む方法も知っている。」

 「分かりました。 気を付けてください。 蔵田 先輩。」

 「あぁ。」


 その日の昼休み、僕は一人弁当を食べていると、姉から連絡があった。 その内容は

 「島崎さんが言っていた、柔道部の3年が分かったわ。 一人は、前部長の蔵田 楓斗(くらた ふうと)そして、もう一人が、我妻 駿弥(わがつま しゅんや)らしいわ。」

 「分かった。気を付けてよ。」

 「だから、お姉ちゃんを信じなさいって。」


 そして、放課後

 帰りは、姉と島崎さんは部活があるから学校に残った。 帰宅部の僕は、さっさと家に帰り。 東貝塚駅で撮り鉄ついでに、姉を待つことにした。 少し心配しすぎかもしれないが、こういう時に呑気に家に居てられないのである。


 ちなみに今回の話を、両親に連絡すると母からは、「気を付けなさいよ。 お母さん、当分帰れそうにないから。」 父からは、「父さん達が、居ない間は、お前が結衣を守れよ。 だが、お前も無理するなよ。 お父さんが帰るのは、秋を過ぎると思う。」とのことだった。


 そして、5時半頃だったか。

 姉と島崎さんの乗ったが、東貝塚駅に到着し、二人が降りてきた。 時間も時間だからか、学生で降りてきたのは、二人だけだった。

 そして、東貝塚駅を出てから島崎さんと分かれて、僕達は家に帰っていった。

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