11話 波乱の予感…

2018年6月10日9時

 島崎さんが僕の家に泊まったその日の朝、僕と姉、島崎さんはフレンチトーストを食べていた。 二人の話によると、姉と島崎さんが朝早くから作っていたらしい。


 

 食後、僕のスマホに電話がかかってきた。

 「もしもし。」

 「あぁ、岸部。 少し話があるんだが、今いけるか? このままでいいんだが。」

 電話の相手は森野だった。

 「あぁ、別にいいが。」

 「これを俺から聞いたってことは、誰にも言うなよ。 実は金子は…」

 「なんだって!? それは本当なのか?」

 「あぁ、多クラスの俺の友人が帰りの電車で金子と同じ電車になって、そこで聞いたらしい。」

 「そうか…」

 「一応気を付けろよ。 金子と話してたの、柔道部の先輩らしいからよ。」

 「あぁ、教えてくれてありがとう。」

 それを聞くと森野は電話を切った。

 「誰からの電話?」

 姉が聞いてきた。

 「友人の森野からだ。 ちょっと、二人とも聞いてほしいことがあるんだが。」


 「話ってなに?」

 島崎さんが聞いてきた。

 「とりあえずこの話をするには、島崎さんが今回の事を誘ってきた日の昼休みから話す必要があるんだが。 あの日の昼休みに、島崎さんのプロフィールを見たクラスメイトいや金子が聞いた来たんだけど。」

 「金子って、1Eの学級委員の?」

 姉が聞いてきたので、僕は頷き。 その日の事を話した。

 それを聞いた姉が呆れた顔で

 「はぁ~、そんなの。 僕は島崎さんと友達になり。 既に二人で日本橋に行ったよ!って、行ったら良いんじゃあない?」

 僕は少し深刻な顔になり

 「これまでの話いや、森野からの電話が来なかったら、僕もそう思っていたよ。 だけど、森野からの話だと…。」

 僕は森野から聞いた事をそのまま伝えた。

 「金子は、柔道部の3年生と友人らしい。

 そして、金子がその柔道部の3年生の数人と木曜日に帰りの電車で話していたらしく。

 その内容が、僕が金子への返事次第によると。 お姉ちゃんを襲うていう話をしているところを、森野の友人が聞いたらしい。」

 島崎が少し唖然とした表情で

 「えっ! それってつまり…」

 今度は姉が

 「つまり、裕樹と島崎さんが付き合い始めた場合、私を襲うってことでしょう?」

 僕は二人に聞いた

 「だけども、どうしてそうなるのかが、僕には分からないんだ。」

 「それは多分、3年生の柔道部も金子君も付き合ったことがない。 だけども、陰キャの裕樹が、同じく陰キャの島崎さんとはいえ、付き合い始めるのが気にくわなかった、そこでも裕樹と島崎さんが結ばれた場合。私が、一人になり寂しくなるだろうと予測した、そしたら襲うのも容易だろう思ったんでしょう。」

 姉が淡々と説明をした。 一番被害に遭う、人では無いようだ。

 「それにしても、なぜ金子達は、姉を…」

 僕は姉の胸を見てすべてが分かった。

 姉は少し恥ずかしながら。

 「そ、それは多分。 襲うっていうのは性的なものでも、そ、その。 胸が大きい私を、み、魅力に感じたんじゃあない?」

 なるほど。

 「それで、金子への返事はどうするんですか?」

 島崎さんが聞いてきた。

 「う~ん。」

 僕は考えた。 だが結果は出ない。

 もし,僕と島崎さんが友達になり一緒に日本橋に行った事を、そして別の部屋とはいえ、同じ家に一晩過ごした事を隠したとしても、恐らく遅かれ早かれバレるだろう。 その場合、今よりひどいことになりそうだ。

 だからといって、友達になった事と日本橋に行った事をいうと、姉が…。

 「私なら心配しないで、そこまで易々と私の初めては渡さないわよ。」

 姉は自慢のように言った。

 確かに、昔父親に暴力を振るわれてる時に、姉が庇ってくれたうえの父を逆に殴り返してって記憶があるな…、ここは、とりあえず姉を信じるしかないか…。

 「うん。 分かった。 とりあえず、少し早いけど明日にも金子には、島崎さんが泊まった事以外はすべて伝えるよ。 そして出来たら、お姉ちゃんには学校では少しどこか寂しい雰囲気でいてほしいんだ。 そしたら、金子達は姉を襲うかもしれないから。 そしてこの事は、一応担任に伝えておくよ。」

 姉が聞いてきた。

 「裕樹のクラスの担任って、誰だっけ?」

 「竹崎先生だよ。」

 「竹崎、竹崎。 あぁ! 竹崎先生って、生徒指導室の先生で、柔道部の副顧問だよ。」

 「「えっ! そうなの!?」」

 僕と島崎さんは、ほぼ同時に驚いた。

 「えぇ、しかも普段は優しくて大人しいからなめられやすいけど、怒らされたら阪和高校1らしいよ。」

 あの竹崎先生が…、まったく想像つかないな。

 「とりあえず、何かあったら竹崎先生なら大丈夫ね。 私、少し護身術覚えようかな?」

 「いや、そこまでは良いんじゃあない?」

 「それもそうね。」


 こうして、裕樹は金子達が企む事に気づくのだった。


 その頃金子は自分の部屋で考え事をしていた。

 「頼むから、裕樹。 島崎さんと付き合っていないでくれよ。 そして、誘いにも乗るなよ。

 俺は…」


 一体、金子の本心はどうなのか!?

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