9話 始発まで語りましょう 後編

「それじゃあ、難波駅で僕が買ったものを御披露目しようか。」

 

 僕達は、リビングの机の上に今日、難波駅で買ったスイーツの袋を置き、中から箱を取り出した。 大きさからして、ホール状のケーキとかが入ってそうな箱だ。

 「何を買ってきたんですか?」

 島崎さんが聞いてきた。

 「まだまだ。」

 そう言いながら、僕は箱の蓋を開けた。 箱の中身は、スフレチーズケーキだ。

 「おぉ。 美味しそうじゃあない。」

 そう言いながら、姉はチーズケーキを6等分に切り、それぞれのお皿の上に置いた。

 チーズケーキの中には、いくつかの細かく切られたフルーツが入っていた。

 「それじゃあ、食べよう。」

 僕がそう言うと、二人は既にフォークで一口サイズに切り既に口に入れていた。

 「う~ん。 美味しいです、裕樹くん。」

 「裕樹の甘いもののチョイスは、相変わらずいいね。」

 僕も、チーズケーキを口に一口入れた。

 うん! 美味しい、もの凄くふわふわで甘い生地の中に、たまにあるフルーツの甘酸っぱさがもの凄くマッチしていて、もの凄く美味しい。

 結局、チーズケーキはその日のうちに無くなった。

 「裕樹、またあったら買ってきて。」

 「私のところも欲しいです!」

 二人が迫ってきた。

 「これを買った所は、週に一回程度のペースで変わるからね、何があるかはそのときのお楽しみていう感じなんだよ。 でも、ほとんどが今回のような当たりがほとんどだから、また言ったら2つ買っておくよ。」

 その後は三人でアニメ観賞会をし、1時頃に僕は自分の部屋に、姉と島崎さんは姉の部屋で寝始めたのであった。


 私と結衣さんは、結衣さんの部屋で話をしていた。

 「島崎さん…」

 「私の事は理沙でいいですよ。お互い名前呼びの方がいいですし。」

 「そうね。 じゃあ改めて理沙さん。 さっきの事は、今から裕樹に言ってきてあげたら?」

 「何をですか?」

 「名前呼びの方が、いいってことをよ。」

 「あっ、ほんとですね。 うっかりしてました、明日で朝にでも言っておきます。」

 結衣さんは、少し不思議そうな顔をして。

 「私は、今からって言ったつもりだけど?」

 「え、えぇぇ!? 私達まだ高1ですよ!?

それに初めて喋ってから、一週間も経っていないんですよ?」

 「一週間じゃあなくて、何年前じゃあ無かったかしら?」

 ギクッ!

 「ど、どういうことですか? わ、私と裕樹くんが、初めて会ったのは、1年E組ですよ?」

 「だったら、あなたが鉄道好きになった理由は?」

 「そ、それは、「小・中学校の頃の、友達に二次元と鉄道オタクがいたから。」

 「私は覚えているわよ。 小学校の頃…」

 私は久しぶりの大声を上げた。

 「あぁぁ~、それ以上言わなくて良いですよ!」

 「しっ! 裕樹が起きるでしょ?」

 「あっ、本当でしたね。 結衣さんは覚えていたんですね。 あの時のこと。」

 「えぇ。 あの時の女の子があなたとは思っても居なかったけどね。」

 「それにしても、いつ気づいたんですか?」

 「薄々気づいていたのよ。 あの時、お互いの名前教えあったじゃあない?」

 「本当ですね。 でも裕樹くんは、覚えていないんですかね?」

 「あなたの雰囲気が、結構変わっているかね。 女子を見る目がない、裕樹は覚えてないと思うわよ。」

 「そうですね。 少し寂しいです。」

 「それでどうするの? 裕樹の部屋へ行くの?」

 「いえ辞めておきます。私も今日は眠いですから。」


 そう言って、数分後には理沙は、毛布を掛けず寝ていた。

 それを見た結衣は

 「仕方ないなぁ。」

 と言いつつも、理沙に毛布を掛けた。

 そして自分はベッドがあるが、理沙の隣に轢いてあった、布団に横になった。

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