8話 始発まで語りましょう 中編

2018年6月9日(土) 5時

 僕達は今日本橋より帰ってきて、家に着いていた。 最近は、姉と二人きりが多かったのだが

、今日は島崎さんもいた。

  島崎さんは、姉の部屋で一緒に寝るらしい。 服も姉の服を、借りて着ていた。 僕は自室で部屋着に着替え、お風呂の準備をし、リビングに行くと、部屋の隅(窓側)で女子二人が何かコソコソしていた。 机のある真ん中で喋ったらいいのに…。 と僕は思った。

 「お風呂の準備終わったよ、6時ぐらいには入れると思うよ。」

 僕が言うと、姉が

 「分かった~。 それでね、これが…」

 また二人でコソコソしゃべり始めた。

 僕は机と一緒に置いてある座椅子に座って。

 「お二人さ~ん。 こっちで喋ったら?」

 「裕樹くんとはいえ、聞かれてたくない話なんです。」

 島崎さんが、笑顔で返してきた。

 「はいはい。僕は自分の部屋に戻ってるよ。」

 「うん、分かった。 何かあったら呼ぶわ。」

 と姉が返してきたので、僕は自分の部屋に戻り今日買った荷物整理を始めた。


 私と結衣さんは、裕樹の話をしていた。

 「はぁ~、裕樹がいると大声では、この話出来ないからね。」

 そう言いながら、結衣さんは裕樹の昔の写真を見せてくれていた。 しかし、裕樹が保育園に入った頃の写真まで結衣さんは写っていなかったのが、私は気になって聞いてみた。

 「そういえば、結衣さん。」

 「なに?」

 「なんで、裕樹くんが保育園に入る以前の写真に、結衣さんが写ってないんですか?」

 さっきまでは、笑顔だった結衣さんの顔が真剣な顔になった。

 「あなたには話てもいいかも知れないわね。 実は私と裕樹は…」

 私はその後、結衣さんと裕樹くんの昔話を聞いたら。

 「…ていうことがあったのよ。」

 「なるほど、よく分かりました。」

 その話を聞いて、私はこの兄弟の関係を壊してしまうのではないのか? と思うのだった。

 「だけどこの事は、学校、友達には言わないでね。」

 「はい。 この家庭の話ですもんね。

 でも、そんな話を私に話して良かったんですか?」

 「島崎さんにならね。 さぁ、裕樹への誘惑の仕方教えてあげるわ。」

 「そ、そんなのはいいですよ。 ちょっとでも話したいだけで…。」

 「だったら、私より裕樹と話してきたら?。

 たぶん一人で暇してるだろうし。」

 「そうですね。 それじゃあちょっと見てきます。」

 「私の部屋の左の部屋よ。」

 「分かりました。」

 「そう、私と裕樹は…」

  僕は荷物整理を終え床に座ってぼーっとしていると、コンコンと2回ノックが聞こえた。 僕は「どうぞ。」 と言うと、島崎さんが入ってきた。 

 「アニメとか電車のグッズが多いですね。」

 「そ、そうかな? まぁ据わっていいよ。」

 彼女は僕の横に座った。

 「裕樹のこの部屋の中での一番のお宝ってなんですか?」

 彼女は聞いてきた。

 「そうだなぁ。 壁に飾ってある、実際に使用されていた阪和線天王寺駅の時刻表とか、後は…。」

 僕は部屋にある引き出しから、鉄道模型を数個取り出した。

 「これはなんの模型ですか?」

 「これは、鉄道模型 Nゲージの、さよなら大阪環状線103系と、同じく大阪環状線の103系OSAKA POWER LOOP。」

 「えぇ! OSAKA POWER LOOPですか?」

 「うん。 日本橋の鉄道模型店に開店同時に行って買ってきたよ。でも、走らすところはないんだけどね。 ハハハ。」

 「そうですね。 うふふ。」

 その後は二人で、かつての阪和線天王寺駅の時刻表と、今の時刻表との違い探しをしていた。趣味を分かち合えるというのは、いいな。

と僕は思うのであった。


 そして6時頃、リビングに下りると姉がアニメを付けながら、ソファーで寝ていた。

 「結衣さん。 もうすぐご飯にしましょう。」

 島崎さんが起こしてくれている、間に僕はちゃっちゃっと3人分の夕飯を作り、リビングにある机に3人分のご飯を持っていった。

 それを見た島崎さんが

 「わぁ~、チャーハン美味しそうです。」

 今日の夕飯は、チャーハンとコンソメスープと、昨日のポテサラだ。

 「それじゃあ、いただきます。」

 3人ほぼ同時にチャーハンを口に運んだ。

 「う~ん。 美味しいです。

 「相変わらず、裕樹はチャーハンだけ、もの凄く美味しいわね。」

 島崎さんはともかく、お姉ちゃんは弟を普通に褒めることはできないのか?


 食後は僕、島崎さん、お姉ちゃんの順でお風呂に入り。 僕は、お風呂上がりの夜食に難波駅で買ったスイーツを2人の前に出すのであった。

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