中二病を調査する理由 2


 彼女は、僕の右斜め前の座席に座っていた。彼女の左後ろ姿と、手元が見えた。僕は授業中の、彼女の様子を観察していた。するとやはり、いくつかの奇怪な行動が確認できた。

 

 いくつかの例を上げてみる。


・現代社会の授業なのに、やたらとコンパスを使用している(円墳を書いているだけかも知れない)。


・10センチくらいの大きな消しゴムと、普通の小さな消しゴムを使い分けている(なぜ?)。


・時より魔貫光殺砲のポーズをとっている(単に問題に悩んでいるだけかもしれない)。


・ペン回しの練習をしている(半回転するのがやっとの実力)。


・時より口元を動かし(魔法の詠唱?)、右手から珍妙な動きを繰り出す(必殺技のポーズ?)。



……。


 ――僕は彼女に対して、「中二病」の疑念を持っていた。





つづく






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