助っ人登場

 この歳で、精通の快感はヤバい。なまじ「オトナの快感」を知っているだけあって、まだ何も知らなかった頃にまで身体を調節されて、はじめて体験したアノ感覚は。


 しかも、放出量がオトナのときよりすさまじい。

 ボクのどこに、こんな大量の精力があったのか。


 しばらく、声が出せなかった。体を震わせ、収まるのを待つしかない。


「はあ、はあ……」


 放心しきったボクは、チサちゃんを後ろから抱きしめる。一滴残らず、チサちゃんへ精力を送り込むために。


 もうここまできたら、ボクも生殖反応しか示していない。遠慮せず、チサちゃんへ腰を打ち付ける。ボクのモノは、チサちゃんのもつ魔力ステッキに変換されているんだが。


 チサちゃんを気遣うどころでは、なかった。想像を超えた気持ちよさに、なにも行動を起こせない。ただ、チサちゃんの腰をギュッと握りしめながら、波が収まるまで待つ。


「ダイキ、気持ちよかった?」

「うん。チサちゃんは?」


 コドモのイチモツで、エッチなコトをしたのだ。物足りなかったのでは?


「魔力が硬くなって、補ってくれた。だから、満足」


 ボクのは、ちゃんと仕事をしてくれたみたいだ。よかった。


 って、違う違う! 


「あ、身体がもとに戻った」

「サービスタイムは終了ですから」


 ロイリさんが、うれしそうに告げた。

 ボクたちが疲弊しているのを楽しんでいるわけじゃないだろう。

 純粋に、ボクらが結ばれたのがうれしいんだ。

 あの人は、そういう魔王である。


「それより、触手は?」

「倒せた。でも、まだ残っている」


 どうしよう。もうちょっと、休憩していたい。ボクでもさすがに、連射はつらかった。


「まだ、余韻が残っていますね」

「はい。お恥ずかしながら」

「いいんですよ。他の男たちは、チサと目が合っただけで昇天しましたから。二重の意味で」


 精力を奪われただけではなく、廃人化したわけか。チサちゃんに寄ってくる男たちはロクデナシばっかりって聞いたことあったから、なんの悲壮感もないけど。


「さて、あなたはこのピンチをどうやって切り抜けるのでしょう? あなたならできると期待していますよ」


 そう言われても、もう腰が抜けて、自分の下半身じゃないみたいだ。


 何を満足しているんだボクは! 今こそ立つときだ。


「でやあああああ!」


 特大の猫パンチが、触手の一体を撃退した。


 この拳は、マミちゃんのものである。


「ダ、ンダイッ、キィ。はあはあ。約束通り来てあげたわ、よ」


 こちらを見たマミちゃんの目は、うつろになっていた。ケイスさんも同様だった。彼女たちも、絶頂に達してしまったからだろう。


「マミさま、限界です」

「ん……あたしもよ」


 あんな妖艶なマミちゃんは、はじめて見た。

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