実質エッ……

 小刻みにケイレンして、ボクの手を握ってきた。


「ダイキは? 気持ちよかった?」

「うん。気持ちよすぎる」


 さっきの感覚は、例のアレだ。いわゆる、オーガズムである。


 土地を再生させたり、なにかに命を吹き込むとき、たいてい強制的に絶頂させられるんだ。


「はあ、はあ」


 けど、今回のはワケが違った。まだ、体力が戻らない。本当に、ボクはクタクタになっている。腰が抜けそうで、立てない。意識もモウロウとしている。


「な、なんだ、今のは?」


 身体は動かないのに、頭はスッキリしていた。


「そのステッキは、あなたの持っているソレと、連動しています。チサが魔力を吹き込むことによって、チサもろとも『男性のフィニッシュ』を体験できるのです」


 ロイリさんが、うれしそうに話す。


 や、やばい。


 これ、やっぱりあの感覚だったのか。出すまでは、「出すこと」以外なにも考えられなくって。出した後は、妙に冷静になるあの感じ。


「じゃあ、本当にボクは」

「はい。達してしまったのです」


 そのエネルギーをチサちゃんが魔力に変換して、攻撃力に変えているとのこと。


「でもご安心を。出しちゃっても、お召し物は汚れません。あなたが放ったものは、魔力となって一旦チサの体内に取り込まれ、魔力として放出されますので。最後の一滴まで」


 これを、何度も放つのか。


「ボクの魔力は、チサちゃんの身体のどこに送り込まれるんです?」

……まさかとは思うが。

「チサの教育のため、直接表現は避けますが、下腹部ですよ」


 やはりか。どうりであの感覚は、妙だと思っていた。


「じゃあボクは、チサちゃんの中に」

「はい。目一杯出しちゃってます」


 あくまでも魔力として放出したのだが、出したものは実質アレだという。


「ステッキの棒の部分があなただとすると、先端のオーブはチサのおヘソの下に連動しているのです。

「ということは、つまり」

「はい。あなたたちは戦いながらエッ……なことをしています。魔力的な繋がりですから、結合といったほうがいいですかね?」


 あれが、チサちゃんとの。


「といっても、妊娠はしません。あくまでも注ぎ込んだのは、魔力ですからね。本番は、すべて終わってからお楽しみください」


 いたずらっぽく、ロイリさんがニヤリとした。


「ここまで来て、やけにセンシティブな戦いをするんですね?」

「終りが近いですから、お二人にはもう遠慮せず気持ちよくなってほしいのです」


 ボクはもう、グッタリしてしまっているけど。


「ダイキさん気持ちよかったですか?」

「……はい」


 冷静になっているためか、自然と本音が漏れた。


「まあ、とろけそうな声で、素直に返答なさいましたね」

「ここで包み隠しても、バレていますので」


 正直に言わないと、チサちゃんにも失礼だ。


 ボクに魔力を出されたチサちゃんも、うっとりしながらボクを見る。

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