ネウロータくんとスキュラ

「え、ネウロータくんに、トシコさん!?」


 でも、どうしてネウロータくんがココに? ボクたちとは関係ないよね?


「説明は後! 今は戦闘に集中して!」

 弓を構えたまま、トシコさんはスキュラから目を離さない。


「どうしてだもん、どうしてあんたが選ばれたんだもん! トシコォ!」


 どういうわけか、スキュラの憎悪はトシコさんに向けられていた。


「まてキュラ、お前の目的はぼくだろ?」


 ネウロータくんが、トシコさんに寄り添う。


「どいてお兄ちゃん、そいつ殺せない!」

 まさか、ネウロータくんがスキュラのお兄さん?


「キュラ、本当なのか? うそだと言ってくれ。お前がLOだなんて!」


 信じられないという感じで、ネウロータくんがキュラちゃんに聞く。


「トシコさん、LOが、ネウロータくんをお兄さんだって」


 ネウロータくんの方も、LOと顔見知りみたいだし。


「あのモンスター、本当の名前はキュラちゃんっていうわ。ネウロータくんの妹だそうよ」


 弓矢を構えながら、トシコさんはラメェこと、キュラちゃんを警戒する。


「お前のせいだもん、上条 寿子。お前のせいでワタシは、玉座になれなかったもん!」


 キュラちゃんは一際、トシコさんに対して憎悪を燃やしている。


「トシコさんは関係ないだろ! ぼくたち兄妹は肉親。元から王と玉座にはなれなかったんだ!」


「世界を支配して、ルールを変えたらよかったもん! お兄ちゃんならできるもん! ワタシは、お兄ちゃん以外は何もいらないもん!」




「そんなんだからお前は、LOに落ちちゃったんだろ!?」



「いいもん! お兄ちゃんを魔王にするまで、ワタシは他の魔王を邪魔し続けるもん!」


 煙を立たせつつも、まだラメェは戦意を失っていなかった。 



 再度ラメェが、鉄砲貝からビームを放つ。

 照準はトシコさんに向けられていた。


「やめろキュラ!」


 ネウロータくんが、ラメェの前に立つ。


「お兄ちゃん!?」



 スキュラの攻撃を、ネウロータくんがすべて受け止める。


「うわああああ!」


 

 黒龍鱗でさえ震わせるほどの攻撃を浴びて、ネウロータくんの身体が焼ける。



「ダイキ!」

 ボクは、黒龍鱗を展開し、鉄砲貝ビームを防ぐ。


 直後、ビームが止んだ。


「どうしてだもん! お兄ちゃん!」


 すぐ側にいるトシコさんに抱きしめられながら、ネウロータくんは地面に倒れ込む。


 トシコさんが、気絶したネウロータくんを抱えた。


「ベルガ、二人を回復させて!」

「心得ております魔王サマ。皆さんは、ボスの足止めを!」

「お願い!」


 チサちゃんの指示がなくとも、ベルガはすぐにネウロータくんたちへ手をかざしている。そのまま、二人の治療へ当たった。

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