国家間交流と、意外な再会

 ボクたちは、ゴマトマ王国へ。


「お招きいただけて、光栄ですわ」

「遠い国までよくおいでくださった。ベルガ殿」


 ビントバー国の使者であるベルガさんと、ゴマトマ王が握手を交わした。

 ボクたちがLOを退治した後で、お互いの国家同士の交流を開始するという。


「しかして、こちらが素材ですな?」

「はい。お役立てください」


 玉手箱のような大きな化粧箱に、ボクたちの装備となる素材が入っているという。


「うむ。配下に作らせよう」


 玉手箱を、配下のドワーフさんたちが運んでいく。


「ではダイキ殿、数日ほどお待ちを。急いで作らせよう」

「お願いします」


「私はしばらくベルガ殿と茶をかわす。どうだろう、ご一緒にいかがか?」


 国家間の交流について、オンコも交えて話し合うという。

 オンコが政治に関与するってのは、興味深いけど。

 

 チサちゃんは首を振った。


「わたしに政治は分からない。口出しする気もない。お邪魔すると悪いので、これにて」

 機転を利かせて、チサちゃんが部屋を後にする。


 その後、ボクたちは久しぶりにゴマトマの温泉でくつろぐことに。


 途中、ドワーフの一団が男湯から出てきた。みんな賑やかに話し込んでいる。


「こんにちは。楽しそうですね」


「ああ、どうもダイキさん。いやあー。久々のトレーニングで張り切ってしまって」

 ドワーフの一人が腰を叩く。


「このお城の一階に、広間があるでしょ? 道場として開放しています。よろしければ、皆さんも」


「機会があれば、ぜひ窺います」


 辛抱ならないボクたちは、暖簾をくぐった。できれば今度にしたい。模式はお風呂上がりにちょっと軽めの運動をするくらいなら。とにかく今はもう、頭がお風呂モードになっている。


 もうすぐLOとの闘いだ。気を引き締めるためにひとまず……。


 なぜだ。人の気配がする。ここは魔王と玉座専用のお風呂なのに。


「ん 誰だよ? 人が気持ちよく風呂に入っているのに」

「あらぁ。もうひと組おいでなさったわね」


 湯船にいたのは、なんとネウロータくんとトシコさんだった。


「わあああああ! トシコさん!?」


「なんだよ、お前の玉座は騒々しいな」


 ネウロータくんは特に動揺せず、岩にもたれてくつろぐ。


「だって、ボクみたいな大人の男もいるのに!」


「ダイキさんなら、見られても平気です。何もしないって分かるから。ウフフ」


 トシコさんも、胸元のバスタオルを直す程度で、見られて悲鳴を上げることもしない。


 うろたえているのは、ボクだけか。


「ダイキ、この際だから一緒に入る」

「う、うん」


 さすがチサちゃん、慣れたモノだ。

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