第90話 乱入してくるとはとんでもないヤツだ!

 ゴーレムドレンが、自分の首に手をかけた。

 ドレンの首型ランチャーを、腰に構える。


 ドレンの口に、閃光が光った。



 ヤバい攻撃が来る! 敵とか一瞬で蒸発する必殺技だよあれ!



 飛んでかわさないと、と思った次の瞬間、不幸が重なった。

 ボクの真上に、新たな敵影が。



「我は【ヱッチ】なり!」

「ワタクシは【エ・ロ】よ!」


 上空に、二体のL・Oが出現した。


 エルダー・リッチとエンプーサ・ロードが、上へ逃げようとしたボクに襲いかかる。




「邪魔です」

 だが、セイさんは何のためらいもなく、二体のL・Oに特大ブレスを見舞う。



「出オチイイイイイイイイイイイイッ!」

 ドレンの極太レーザーブレスに炙られ、ヱッチが消し炭に。

 特に見せ場もなく、L・Oは星となる。


「なぜなの、セイ! 我ら三人で、この忌々しい人間を始末する手伝いをしようというのに! 歴代最強にして最驚異と呼ばれた究極のL.O、セイレーン・ビショップ・ギャラクシー! 略してセイ――」


「お黙りなさい」

 また、ランチャーが雄叫びを上げた。


「まだ全部言えてないのにいい!」


 エ・ロも、深紅に染まるブレスの餌食に。


 おそらく、全部言おうとしたから、消されたんじゃないかな。


「亜神様、無粋なマネはご勘弁を」



「確実性を取ったまで。貴様のブレスも、半分も力を出しておるまい」

 亜神は、悪びれていない。



 あの威力で、全力の半分以下だって?



「それが余計だというのです」

「ならば、手加減せずに決着を付けてみせよ!」


「承知」

 再び、セイさんが本気モードの構えを取る。


 あのブレスは危険だ。

 ボクたちが全力を使って倒したL・Oを、あっさりと葬った。

 これまで倒した敵とは一線を画している。




「わたくしたちの最終奥義をお受けなさいませ。これは体内のマナをすべて使い果たす、究極の一撃。見事受け止められれば、我々は打つ手なしですわ」




 もはや、セイさんを説得する手段はなくなった。




「あんなのに当たったら、ひとたまりもないよ!」


「自分の黒龍鱗を信じて!」



 チサちゃん、世の中には無茶なことだってあるよ!



「ファイナル・バーストオオオオオ!」

 極太な光の奔流が、ボクたちに放射された。



「黒龍のウロコよ、ダイキを守って!」


 ピンク色の波動が、チサちゃんから放たれる。


 波動は、ボクが展開した黒龍鱗に広がっていった。

 黒龍鱗が、倍の大きさとなる。


 それでも、セイさんの極太ブレスを止められる気がしない!



「わああああああ!」



 ボクは、叫びながら、あまりの恐怖に意識を手離す。

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