第146話 狼族の縄張りの鉱山の前に

「ポチ殿、王子の無事の帰還、有り難うございました、まさかあんな理由で捕まったとは」


 宰相よ、むしろ今思えばベスらしいよ。


「まぁそうなんですけども、抜け道も封鎖しました、これで抜け出さなければ良いのですが」


 つーかさ、ベスは野生育ちじゃん?此処には五十年しか居なくて、後の百五十年はずっと森生活じゃんよ?何かなー可哀想かなって?


「ええ!ポチ殿……犬族から何か洗脳でもされたんではないですか?」


 失礼だね!考えてみなよ、ここはベスの家で俺たちのが居候なの、ベスを閉じ込めてるのは俺達が居るせいだろ?だから俺達は俺たちで家でも作って住もうかなって考えてる訳。


「そ、そんな……王妃様も悲しまれます」


 馬鹿な息子だけど、ベスが居るし、別にこのの世界離れる訳じゃないよ?良ければさ、猫族の村に家建ててもいいかね?


「そ、そうですね、建築に関しては王の許可が要るんです、聞いてみますね?」


 おう、すまんのー妹達に合わないとぶっとばされそうだから、行くわ。


「はい……王妃様にはご自分で言って下さい、私には関係ないのでー」


 言い逃げしたよ!宰相にも関係あんだろ!


 はぁー何だかヘトヘトですわ……妹達に会いに行きましょう……と、前方から白い弾丸が!ホワチャー!と両前足でキャッチ!


 勢いが良すぎて背中から倒れる、訳にはイカン!倒れる勢いのまま、空中一回転でスチャ!と立ち上がる、百点満点!ブラボー!


「ミィー!」にぃに!おかえりなさいなの!


 もー!みーちゃん!歓迎は嬉しいけど危ないよ?でもーだだいまなりぃー!


 お分かりの通り他の二匹はお迎えなし!べ、別に悲しくなんかないんだからね!


 みーちゃんを背中に乗せて他の二匹に会いに部屋へ行く、ポンコツ開けて?


「あいさー……っ……」


 カチャリと開くと、目の前に二匹の姉妹が座っている、いや、今さっきだろ?わかってんの!察知で見えてんの!


「ピー」これでも、うれしがれ


「きゅい」ねぇねがいそぎすぎだっただけ


 そーですねっ嬉しいです!


 ベッドにピョーンと飛び乗る、疲れた。


「ミゥ?」にぃに、おつかれ?おやすみ?


 にぃに何だか疲れたよパトラッ「ピー」


「きゅる!」さすがぴぃねぇね!


「ピー!」ぴぃのつかいかたが、ちがう!


 …………


 ……

 


 グウスカ寝た、クァーッと大あくび、みーちゃんは背中で寝ているので、まだベッドでむにゅむにゅする。そーちゃんの尻尾が鼻先で揺れていてこそばゆい、ぴーちゃんは何故か端っこで目を細めて団子……俺、睨まれている!


 ええ?何……俺が昨日放送禁止用語代わりにしたから怒ってるの?


「ピ」ちがうわ


 な、ならベスを助けたからおこ?


「ピ」ちがう、いえ


 イエスなの、ノーなの?


「ピー!!」いえをつくるって!いった!


 ぴーちゃんが発狂してバタバタしだした!!ぴゃー!何が起きてるのっ!!



「きゅーぃ?」なにー?どうしたの?


「ミッ!?」てきしゅう!?


 みーちゃんが起きたのでぴーちゃんが落ち着いた、いや、家が?……何で知ってるの?


「ピー!」そーにきいた!


「きゅい?」なにが?


 あ、そーちゃんと俺が繋がってるから、知ってるのね?家を此処で買うって、駄目だった?


「ピー!」いえのまえより!ほうせきだろ!


 ……そんなんで怒ってたのぉー!?


「きゅい」あまい、ぴぃねぇねをあまくみてる


「ミィ?」いえかって、なかよくくらすの?


 わ、わかったよ!家を建てる前に宝石ね!だからそんな滾らないでよぅ!にぃにお疲れなのーもう少し待ってよ?


「ピ」しかたないから、ゆるす


 俺どんだけぴーちゃんの下なの!


 

 鉱山行こうにもさぁ?狼族居るから、挨拶しないとね?何が好きかなー、猫族は熊の手

だけど、肉ならなんでも良さげ?


「ピー」いないあいだ、りさーちずみ


 流石天才ぃー!


「ピ」とくにないのが、わかった


 さ、流石なりぃー……


 狼なんだから肉だろ、肉、色んな肉の詰め合わせでも持っていけば楽勝よ?


「その前に?ベスさんはいいんですか?」


 何でベスに関係あんの?ポンコツよ。


「え?ベスさんを生け贄にするとか?」


 お、お前!神様だろ!そんな事!


 天才かっ!?


「きゅい」はんたいーへんたいーはんたい


「ピー」おおかみより、きけん


「ミーゥ」そのさくせんはいやなの……


 そ、そうだよね、危険な所に危険を置いたら何か化学反応が起きるのかなって?にぃにちょっと期待しました、サーセン。


「ピー……」だが、へんたいがおおかみよけになる……むずかしい、せんたく


 変態なのは既に伝わってると思うよ?


「きゅい」きゅうきょくの、せんたく


「ミィ」みぃはいやなのー


 満場一致で、ベスは無しで。


「駄目なんですか?きゅーちゃん森で囮に使ってたって聞いたんでてっきりテヘヘ。」


 テヘヘ俺も囮に使うとか?テヘペロ?


「ピー」ならおとりに、すればよかった


「きゅい」いけにえ、か、おとり、か


「ミゥー!」だめなのっー!


「ピー?」ねぇね、うそだし?


「きゅる!」じょうだんだし!


「ミ?ミァ」ほんと?ならいいのー



 二女も三女もみーちゃんに掛かればチョロイ、……あれ?みーちゃん無双してない?



 居住の件は置いといて、一旦鉱山でお籠りします、と王妃と王様、宰相に報告、日帰りか聞かれたけど流石に転移でも、上手く一日で掘れるか分からんしな?


「む?一つ二つでは足らんのか?」


 ぴーちゃんがそんな数で満足しないので。


「あら、ヒヨコさんはオシャレさんなのね?家の子にもお土産に頂けないかしら?」


「ピー」かねくれ


 やめい!!


 気にしないで?綺麗なの見つけたらお土産にするからネ!


「そ、そう?かねって……何か分からないけれど、何かと交換はちゃんと考えてますわよ?そこまで図々しくありませんわ。」


「ピィ」ならいい


 ゴラー!静かにしてなさい!そーちゃん、尻尾で捕獲してぇー!


「きゅる!」あいさー!


「ピァ!」なにする!モガッ……


 やだーもー身内の恥みたいなの見せちゃって、しょうがない子でしょう?まぁお宅のベス君よりはマトモだけどね?


「何故最後にベサーレスを貶めてオチたのだ」


 そんなオチのツク奴だから?


「まぁ、そうよね?それがベスの使命なのかもしれませんわ貴方?」


「むむっ!否定が出来んのが悔しい!」


「うわべだけでも否定しましょう、王よ。」


「そんな嘘はいかん!で?もう直ぐに行くのか?狼族の縄張りだと知って行くのだろ?」


 知ってるよ?お土産も用意したし。


「あらそう?でも戻ろうと思えば直ぐに戻れる魔法が有るのよね?なら安心ね?」


 そうそう、皆それ使えるから大丈夫。


「いいですね、魔法……神に祈れば届きますかね?ポチ殿」


 無理じゃね?自然の世界が良いらしいから。


「成る程……便利は身を滅ぼす事もありますからね、分かりました。」


「そうね、贅沢はいけないわ、気を付けてね?いってらっしゃい。」


「ご無事でいってらっしゃいませ。」


「うむーベスはいいのか?……そうか、行ってくるといい。」



 パパ上がベスを囮にしようとしたぜ、最早継承者一位なんて消え去ったな…ザマァ



 城を出て村で一応薬草を何個か買った、俺の風邪というイレギュラー?もあったし、魔法で賄えないものは用意してしまおう、召喚って?流石に動物用の薬は思い出せないのよ?


「ピー」もういい、はよいこー


「きゅい」ようじんしすぎ


「ミ?ミァ」すみび?おにく、たべたいの


 どうしますか?


 長女以外黙ったので、食事にゴーなのー!


 ちなみに、ポンコツは留守番だ、役に立たないと思うし、モナの説教もある。


「ミッミッ」おにくおにくっ


 いやー良いですね晴れた天気に美味しいお肉ー暫く村でまったりしますか?


「ピーッ」ねぇねをさそってんな!


 あだだだだ!!すんません!!


 チッもう少しゆっくりしたかったのにー…………あれ?


「にゃ!ポチにゃし!」


 食堂に普通にベスが居るし、缶詰め終わったの?抜け出したの?只の馬鹿なの?


「どれも違うにゃ!最後が酷いにゃー」


 姉妹が厳戒体制なんですけど、ベスのせいだって自覚してる?


「に、にゃ、分かってるにゃよ?反省してるのにゃ……ただポチみたいに可愛いものが見たかったのにゃ?それは悪くないにゃ?」


「ピー」おにぃまで、タゲだった


「きゅい」へんたいが、わんらんくあっぷ


「フシャー!」にぃににちかづかないで!!


 最早終わってるよ、どうすんのよ……



「にゃんでー?怒らないで欲しいにゃ!もう姫なんて言わないにゃ!ポチの大事な家族にゃ」


「シャー!シャー!」にぃにはかぞくのなの!あげないの!


「にゃ、にゃ怖いにゃ、ポ、ポチお助けにゃ」


 んな事言われても墓穴掘ってるのお前だから、どうにも出来ないんですけど?


「にー!逃げるのにゃ!さいにゃら!!」


 食堂にから逃げた、相変わらず速い、世界を狙えるな!


 フシャーシャー怒ってるみーちゃんを皆で鎮まらせる、ほらー皆で抱っこしちゃうぞ!ペロペロ毛繕い攻撃なりぃー!


 以外と怒りっぽいみーちゃんを鎮めるのは簡単だ、皆でわちゃわちゃすれば解決!


 わちゃわちゃしてる内にきゃきゃっになったら成功にゃ!っし!すいませーん、肉焼いて?

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