第144話 ベスの行方と宴会芸

 お食事が終わって部屋に戻るとふと、ベスが気になった、アイツ猪しかまだ狩れないのに探知の外まで行くとか、正気か?


 探知もアホだから、意外と性能が悪い、探知範囲も犬族エリアすら届かない、今までそんな不便に感じなかったのは飼い犬だったから、今は違う、もう少しグレードアップしてほしいけど、何かやらかしそうで怖いです!


「ミィ?」どうしたの?にぃに


 んー変態だけどさ、記憶無い時に一緒に生活してたからやっぱり気になるのかな。


「ミゥ」にぃにがおせわになったのー


 いや、してたんだけどね?


「ピィ」いぬぞくは、ないけど、おおかみのところ、いそう


 確かに、狼族のエリアには行っていたから、逃げ込んでるかもしれないけど、住み着くとは思えないし、狼族が許さないんじゃ?


「きゅる」かみさまにきけば?


 えー何かそればっかに頼るとポンコツみたいに調子乗るかもしれないじゃん?


「私もそんなに調子に乗ってませんよ!?」


 いやいや、最初の世界の時はそれはもう、私神様ですから!ってね?


「さ、最初はそうだったかもしれないけど、後半なんてボロクソだったじゃないですか!」


 それはお前ポンコツなのが悪い。


「ぐぅ」


(お教えしましょうか?)


 いえ、結構です。


(何故です?神様とは比較的仲良くなさってたんでしょう?私は駄目なんですか?)


 モナは、後が、怖い。


「ピ」わかるきがする


「きゅる」しょうわるの、けはい


「ミー?」おしえてほしいの?


 みーちゃん!話聞いてた!?


「ミゥ?」へんたいのばしょ、しりたいんでしょ?にぃに、みぃがかわりにきくの


(まぁまぁ、お犬様と、ひねくれ姉妹達とは違ってとても良い子ね?それに魂が凄く綺麗、暫く見てない程ピュアね?)


 そーだよ!ピュア百パーセントなんだよ!性悪には近づけたくないの!


(あらー言うわね?お犬様?)


 もーあらあらうふふが怖い!


「ミゥー」にぃにはわるくないの、みぃがわるいの……ごめんなさいなの


(え?え?私苛めてませんわよ?)


 クッ罠に掛かったのぅ。


「ピー」でた、わるいかお


 みーちゃんを敵に回せばどうなるか見せて貰おうか、おん?


(あのね?別に喧嘩したり、意地悪しようなんて考えてもないのよ?純粋に教えてあげようと思ったの、何もしないわ、信じて?)


「ミゥミ?」でもにぃにが、もなちゃは、こわいっていったの……


(や、やだわ!被害妄想よ!怖いなんて、思い過ごしよ?)


 にぃに、モナに苛められそうで怖い!みーちゃん……にぃにを守って?


「ミンッ」まかせるのっ!


(ちょっとお犬様、何言うの?作戦ね?そうね、それしか無いものね。)


「ミッ!」おしえてくれなくていいの!じぶんたちで、さがすの!


(待って?教えるわ、教えるからね?今は犬族に捕まってるのよ?)


 ……何やってんのアイツ予想外過ぎる、みーちゃん有り難うにぃに、凄く助かったよ?


「ミゥ?ミ!」かいけつしたの?ならいいの!


(予想外に手強いわね……落ち着いて、深呼吸よ、ポンコツさんと同じになってはいけないわ、そうよ、なるわけにはいかないわ。)


 勝手に焦ったんだろ?嫌ね?人のせいにしたりして、神様ってそんなんばっかよ!


「駄目ですよー、このノリに乗ったらおしまいです……取り返しつきません。」


(ふぅ……ふふ、ふふふ…………)

 

 とか言いながら何処かに行った模様、怖!


 

 此れは流石に王様に知らせないとヤバイよね、どうやっても手出させようって感じ?あんなのと一緒の犬なのが不愉快です!


「ピー?」そんなに、やなの?


 だって、馬鹿じゃん?考えが、稚拙だし、能無しだし、狼が怖くて手出せないチキンだし。チキンなのは同じかもしれないけど?


「ピー」むこうは、にそく……


 なっ!?そこが負けだとでもっ四足のモフモフの小型犬が一番可愛いよ!


「きゅる」しょうぶの、べくとるがちがう


「ミー?」しらせるんじゃないの?


 あ、そうだった、王妃か宰相にしとこう、王様は乗り込みそうだし、将軍はまだ軽くない。


 ポンコツー俺達を抱えて探すのよ?


「いいんですかね!喜んでー!」


 ほらね?人間と神様はこうやって使うの。


「きゅい」そこだけは、そんけいだし


「ピー!」かみを、あやつる!すばらしい!


 ぴーちゃん、どっかで拾ったノートに人の名前とか書いたら駄目だからね。



 部屋から出て誰か居ないか探す、意外とお城に人がじゃねーや、猫族さん達居ないんだよね、警備はしっかりしてるんだけど、あ、警備の猫さんに聞いてみようぜー!


「あいあいさー!で何処に居るんですか?」


 まぁ入り口で警護してるんじゃないの、ポンコツー頭回せよー!


「頭は回りません!」


 回ったらそれはそれで、ホラーだから?


「ミ?」まわるの?みたいの?


 みーちゃん、良いもの見せてあげようか?……顔が入る細長い筒状の結界を中が見えない様、黒く色着けて、顔が見える所だけ穴を開ける。


 ほら、俺の顔みててね?回るんだよ!そーちゃん、助手ヨロシクー!


「きゅる」しょうがない


「ミ?ミ?」なに?かお、みてるの?


「ピー」くだらないが、そうだよ、ねぇね


 そーちゃんが立ち上がり筒を挟んでゆっくり回す、俺は穴に合わせて顔を横に、流石に回らないので、穴が過ぎたら、反対側を向いて再び穴が来るのを待つ、穴が回転してきたら、合わせて首を回す、そして正面でストップ。


 宴会芸とか、何やってんの状態だよ。


「ミ?ミ?」にぃにのかおが?まわったの?そーみたいな、かいてんじゃないの?


 そーちゃんが嬉しいわーって時にやる縦にクルクル回転するあれですか!?


 そんなトリック出来ないよ!ピンチだよ!


「ピーィ?」ねぇね、それだと、にぃにの、あたま、もげるよ?


「きゅる」もはや、しんでる


「ンミッ!?」にぃに、しんでるの!?


「きゅい?」しんでないから、できないんだよ?ねぇね?


「ミッー」ならよかったのー


 妹のフォローで助かったなりぃー……


「わー凄い!きゅーちゃんそんな事できるんですね?何時覚えたんですか?そんな魔法」


 ポンコツの腕をペシペシ叩いて黙れ!


「ひん!痛いです……黙るのサインで、あいあいさー!」


 だから黙れっての!ベシベシ!


「あだっ!あだっ!強いです!」




「……何してるんですかね?」


 宰相に見られた……恥ずかしい!


「ピ」じごうじとく


 えーい!黙れヒヨコっ!!ブルブル頭を震う、けど感触がない?


「ピ」くだらん


 な!ポンコツの頭に乗っただとぅ!?


「いや、何をしてるんですか?……」


 

 宴会芸の練習ですよ?それ以外なんなの?


「ピー」のりに、のったじぶんが、はずかしい


「芸の稽古ですか、中々面白かったです、顔が回るテイのあれはよく出来ですね?」


 てめぇ宰相トリックなんて無いんだよ、みーちゃんの前では迂闊な事言うなよ?ポケットのメガネぶっ壊すぞ!


「なっ何故そこにあると!?……素晴らしい頭の回転でしたね?ブラボー!」


 どうもどうも!手も振っちゃうよ?



「貴殿方は何をしているのかしら?」


 王妃に見られた!宰相と一緒に穴があったら掘りたい、や、BLタグ付かない方で。



 いやいや、探してたんですよ?宰相とママ上、ベスの行方が解ったんだよ。


「まあ?何処にいらっしゃるの?」


 それがさー犬族に捕まってるんだって。


「王子……そんなオチでしたか。」


 あいつのオチは裏切らない!流石ベス。


「そうですか、では救出作業に


 まぉ、待て待て、猫族が出ると面倒な事になるだろ?ここは俺達に任せな?


「ピ?」いかないし?


「きゅる」へんたいはあのままでいいよ


「ミッミ?」にぃに……みぃどうしよう?


 あ、はい、俺だけで行きますー……


「きゅーちゃん、私は行きますよ!」


 お前は邪魔だから駄目。


「うえーっ!」


「でも、きゅーちゃんさん、お一人で大丈夫ですか?護衛は必要ないのかしら?」


 ほら、猫族居るとカモネギじゃん?


「かもねぎとは?」


 獲物が此方さんからほいほい来たって感じ?


「ほう、犬族からすれば都合が良いと。」


 まぁすぐ連れて帰れると思うよーベスが予想外のナニカをしなければね。


「それが一番心配ですね。」


「きゅーちゃんさん、何かあってもベスは放って置いて貴方だけでも帰って来なさい?」


 ママ上!捨てたし!息子捨てたし!


「まあ、万が一のお話ですわ、ふふ。」


 そ、そう?まぁ行ってくるよ、皆はまったりしててね?宰相は猫族を来させ無いように。


「分かりました、犬族の企みを阻止しなくてはいけませんからね。」


 ベスなんて猫質の価値ないのに、犬族はそんなこと分からないもんなー、全く手間の掛かるヤツだせ、しょうがないなー?


「ピー」だれもとくしない


「きゅる」つんでれ


「ミー?」きをつけてね、にぃに?


 


 旅行気分で行ってきまーすー!!

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