第142話 軽さを習得中の将軍

 ご馳走さまをした後、お店を出ると、何か居た、何かだよ、仁王立ちしてるよ?猫族がやっても可愛いだけだよ?よく腕組めるね?


「流石に関節が痛いし、無理してみた?」


 お久しぶりじゃんー将軍ー!


「お久しぶりーポチ殿、護衛頼まれたんだ。」


 すっかり変わって?もっと軽くても良い。


「やっぱりそうか?もっと頑張るわ。」


 おう、頑張れ、柔軟さは強さよー!


「おおー良いこと言う!」



「ピ……」はなしにきいてたのとちがう……


「きゅる」かるい、けど、なんかちがう


「ミ?」にぃにのおともだち?


 お友達ー?どうかな、まぁもうちょっと軽くなれば友達になれそう?話しはしてたけど初めて見るでしょ?将軍様ですー!


「え、もっと軽くなれば友達に?ちょっと頑張るわーよろしくー姉妹殿達」


「ピー!」なりたいんかいっ!


「きゅる」べくとる、まちがってるわ


「ミッ」よろしくなのっ


 にしても護衛って何?そんな物騒な事あったかいな?俺が犬だから?


「あー違う違う、王子の事で護衛?」


 警戒体制凄すぎぃー!


「村の外まで出るの?馬車出そうか?」


 いやいや、今日は村の見学よ、前に来たとき居づらかったから、あんまり見てないのよ。


「あーそうか、すまないな……あの時も。」


 あんまりその先言うと子猫がバーサクモード入りそうだからやめて?伏せてたんだから。


「……子猫が?実力なら見てみたいなー」


 まぁ死ぬか嫌われるかどっちかしかない。


「ちょっとそれは嫌すぎる、諦めるわ。」



 すっかり変わった将軍を連れて、村の見学再開、皆が驚愕の目で将軍を見てるけど、ニュー将軍はお初だったのかな?まぁ本当に軽くなるとは予想外だったけど。


「ピー」むせきにんすぎる


 何を言うか、あのままだったら戦争だそ?


「そうだなー確かに堅すぎたと今は思うよ、本当にポチ殿が助言してくれなきゃ戦争になってたと思うね?」


 だろだろ?挑発に乗っちゃうから駄目だよね、やるならやるで徹底的にすべき。


「きゅい」ぴぃ、まけだな


「ピ」べつに、まけてないし



「おい!そこの犬!将軍様と猫を離せ!汚れるだろうがっ!」


 俺は綺麗にしてるわ!キック!!


「ギャフンーー!!」


 はんっ!村の外まで飛んで行きな!


「きゅい?」にぃに?ちょうはつ、のったし?


 何言ってるのそーちゃんは、あれは挑発じゃなくて本音ですぅー!


「ピー!」ほんねならいいのか!


 いや、勿論犬族だったらしないけど、猫族だったから?セーフよ?


「そうそう、ああいう偏見は無くした方が良いよな、俺も猛反省したし?」


 差別いくない!これスローガン!


「きゅる?」せっとくりょくないんだけど?


 ちょ心外です!差別してません!何かあっても区別の間違いですよ?


「ピー?」いぬぞくは、やばん?


 そうだよ、野蛮なのー卑怯なりぃ


「ピ?」それは、さべつ?


 本音だし、本当にそうだから?


「きゅる」たたかうな、まけるぞぴぃ


「ピーッ」くやしいっ


 何よ滾って、平和ならなんでも良いんだよ?宗教にまみれようが。


「ピッ!」それだっ!しゅうきょうさべつ!


 いやーどうかな?宗教知らないでしょ?見知らぬ人にも無理やり家の政党入れて下さいとか、うん十年と毎年言いに来るんだよ?怖くない?もはやストーカーの域だよね?


「ピー……」やっぱ、まけた……


「きゅる」だからいったのにー


「ミゥミゥ」むずかしいはなしなのー


 ほら!話題にみーちゃんがついてこれないでしょ!ムズい話しは止めるのよ?


「ピー?」ねぇねごめんね?


「ンミー」みぃがわるいの、ばかなの


「ピー!?」そんなことないの!?


 馬鹿じゃないんだよ、みーちゃんはピュアなの、穢れてないの、分からなくても仕方ないの、分かったらピュアじゃないもん!にぃに、みーちゃんにはピュアで居て欲しいですぅ。


「ミゥ?ミィ!」ばか、ちがう?にぃにがいうなら、みぃぴゅあでいる!


 それだよ!みーちゃん!天才!


「ンミー」てれるのー


「ピッ……」ぴぃにはすくえない……


「きゅる」にぃにと、はりあったら、だめ


「おおー!凄い攻防だっ熱い!」



 将軍を連れて村を回る、何事?って視線がイタイ、けど我慢、薬草を売ってる店があるけど、あれは何と交換するの?


「んー基本的に相手が欲しい物かな?」


 じゃあ相手の望む物が無かったら売って貰えないの?


「そんなことは無いよ?薬なんかは直ぐに必要だったりするから、薬屋が妥協するか、後で希望の物を届けるか、そんな感じ?」


 両方が納得しなかったら?


「ご破算かな?」


 欲しいものがそんな理由で買えないの?相手が無茶な要求しほうだい?


「薬屋だって儲けが必要だから、そこまで無茶な要求はしないよ。」


 そんな良い猫ばっかとは限らないんじゃないの?お主も悪よのぉー的なのは居ないの?


「よく分からんけど、居るには居るけど、そんな薬屋売れないからね、すぐに止めてしまうよ?助け合いしないと生きていけないから。」


 助け合いかー金銭がないと難しいもんですな


「金銭とやらがあったとしてもそれはそれで問題が起きるんじゃないか?」


 ……そ、そうだけどね?


 自給自足なら出来るけど助け合いが出来るか不安だなー……全部熊で解決?


「それが出来るのはポチ殿位じゃ?」


 うむ、そうかもしれん、色んな世界に馴染むのも大変ですなー。


「そんな話しは聞いたけど、ポチ殿は本当に神の遣いなのか?」


 そんな大層なもんじゃないよ、そこにいる人間モドキが神様だし?


「ん?毛のない生き物か?あれが神様?」


「毛はありますよー?髪の毛がー!」


「うむ、だが物足りない感じがする……神様?この人間とやらが?」


 そうだよ?見習い神様だよー、今は堕ちて人間生活してんの。


「……神様というのは、こうもパッとしないもんなのか?」


「普通ですいません!神様だって色々居ます!猫族さんだって色々居るでしょ!」


 ポンコツの普通顔に信憑性がない。


「むむっ!そ、そうだが……ほう?」


「うー!お父様に顔を変えて貰えるかな……神様らしい顔!」


(無理ですわよ?頂いた命に文句付けるとは何様ですの?ポンコツさん?)


「ひゃうんー!」


「ピー」どんまいー


「きゅる」ふつうでもいいじゃん


「ミー?」あれなぁに?


 みーちゃん余裕のスルー。


「みーちゃん!酷いよー感心持って!」


「ミ?」なんのはなし?


 何でもないよ?神様って色々だよね?


「ミー」そうなのーへんなのばっかり


「変なのっ!!否定したい!」


「きゅい!」でもできない!


「ピィ」あきらめろ


 そう言えばアドリアナの顔を見てないな?あれは美人とか、自称してたけど?


「せ、先輩は確かに美人さんです……」


 ほうほう?モナは?


「物凄く美人さんですぅ!」


 よいしょ!入りましたー!


(ふふふ、ご想像にお任せしますね)



「今の間は?」


 神様と会話してるのー。


「おおっ!凄い!ポチ殿はやはり凄いな!」


 もう少しは疑問持ったほうがいいよ?


「いやいや、珍妙な技を使ったりと、未知な世界の人物?犬?だから?」


 よー珍妙言われるな?


 散歩を続けると門まで来ちゃった、食堂と薬屋しかないの……?


「まあ、他に必要なものって何かな?」


 ん?んん?そう言われると……


 あ、病院は?薬屋だけだと限界ないの?


「うーん、それは定めだろうな?治せないモノは治せない、死んで土に還るのよ。」


 潔いね、これが自然の法則よの。


 でも娯楽無さすぎじゃない?何かないの?


「ピ?」ほうせき?


「鉱山はあるには有るけど、狼族の領地だから、ここでは採れないし、向こうも採らないし、結局誰も採らないかな?」


「ピッ!?」ぼうとく!?


 勿体ないねー、今度取りに行こうか?


「いやいや、狼族の領地だから、無理無理。」


 俺達は別に何処の種族でもないし?この世界の政治に関係してないし、全てが関係ない!


「潔い!だが問題が起きると困るな……」


 狼族って賢いよね?ちょっと見たけど、理性的だったから話せば分かるんじゃね?


「むーポチ殿が言うなら……良いのか?」


 こまけーことはいいんだよー!


「おおー軽い!見習うべき軽さよ!」


 取り敢えず城に戻って兄妹に会うかね?


「ピッピッ」こねこっこねこっ


「ミゥミァ」こねこみぃより、ちいさいー


 み、みーちゃん…………!



「お帰りなさいませ、どうでした?村は。」


 おー宰相がお出迎えとは賓客じゃねーよ?取り敢えずまぁまぁ?都会から田舎に引っ越した感じ?今は物足りないけど馴染めば楽しそう。


「左様ですか、それなら良かったです。」


 明日は兄妹に会えるの?


「ええ、正装の準備も出来ていますから、明日の夕食にご招待しますので、その時に。」


 堅苦しいのは嫌よ?楽なのがいいでふ。


「ふふ、正装は彼方の都合ですから、気にしなくていいですよ」


 王族は大変ですね、たかが動物にちゃとしないといけないなんて、ベスは見習えよ!!


「教師を二人に増やしました、サイドで詰め込んでます!」


 よろしい!


「将軍様もお疲れ様です、訓練に戻って構いませんよ。」


「はいはいー楽しかったからいいよ?」


 じゃーねーもっと軽くなれよー!


「頑張りますっ」




「あんまり玩ばないで貰えます?警備隊がずっと困惑ですよ、日々軽くなるって。」


 上が実力あってもチャランポランってのが理想だな、下がマトモに育つ、か、移る。


「移るのは止めて欲しいです……」


 なるようになーれー!


「軽っ!!」

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