第138話 ベスにお仕置き

 ベスが帰還したとの報告を受けてみーちゃん以外で乗り込みます、カチコミじゃー!


「あんまり刺激し過ぎるのも危険ですよ?私も王子の本質が解りません……」



 確かに、キャラ作ってる奴に録な奴は居ないと思ってる、触るな危険!


「ピ?」さわらないで、ぬっころ?


「きゅる」それだ


 確かに!


「テンポのいい兄妹で……」


 入り口方面から猫メイドさんが走ってくる、慌ててるのはベスのせいか他なのか?


「あっ!宰相様っ!ベス様がご乱心で!」

 

 なっなんだってー!?


 ご乱心とな?


「何ですか?混乱状態なのか興奮状態なのかはっきり解りませんが?」


「あっ、申し訳ありません……ベス様がどうも狼族と接触した様子で!」


「狼族!?……何て事だ中立派、まさに触るな危険な種族ですよ……」


 おおぇ?俺達がぶっ飛ばした先がそうだったって事ですかね?テヘペロ?


「いえ、そんなんでは誤魔化せませんよ?」

 

 んだよ!ベスに制裁したのに俺達が悪いみたいに言わないでよ!そーしたのお宅でしょ!


「ピー!」きょういくがわるい!


「きゅる」なんててのひらがえし



「そ、そんなに責めないで下さいよ……」


 俺達が悪いみたいに言うから悪い!


「はい……申し訳ないです……」


 さっさと乗り込むぞ!狼族がなんだってんだ!狼より俺のがつえーんだよ!!


「ちょ、ちょっとお待ち下さい!」


 諦めが悪いぜ宰相よ!何処に居るの?


「え?宰相様……こちらの方々は?」


「ええと、今は話してる時間が有りません、王子は何処に?」


「あ……村の入り口に……


 おっしゃー!いくぜー!ヒーハー!


「ピィ」のりがへん


「きゅい」ねただからきにするな



 村の中を突っ切る!ダッシュなんて楽勝よ!風のように走るー風を切るー俺は風よ!


「ピー」おちつけ


 頭の上で嘴攻撃される、あだだだ!


 スピードが落ちた……風は消えたなりぃ


「きゅる」べすのほかに、においするよ


 え?クンクン……うん確かに、え?狼族と一緒に居るの?連れて来ちゃったの?


「ピー」かのうせいは、たかい


 チッ面倒くせー!狼族がやる気ならやってやんよ?おん?


「きゅる?」にぃにもちつけ、べすがもくてきだろ?


 ん?……まぁそうだけど邪魔されたら知らないって事だよ?


「きゅる」ならいいけど



 村の外まで行くと門番の猫さんが外に向けて弓を構えてる、えー?居るの?面倒。


「ピィ」いってることがちがう


 居たらいたで面倒になる事ってあるよね。


 トテトテ歩いて警備猫さんの側に行くと何メートルか離れた場所に狼族?が居るの、何故かベスの襟元咥えて、ワイルドだな?


「その方は猫族の王子だ、離して置け、さもなくば弓を射つぞ!」


「ピ」おおかみかっこいい


 お嫁さんになります?


「ピー」わかってない、かっこいいと、れんあいはちがう


 好きになった人がタイプーみたいな?


「きゅる」こいばな、してるばあいか


 ぴーちゃんの幸せも考えてるのよ?


「きゅい?」めのまえの、げんじつみて?


 見てるよ、何ですか、ベスを食べるんですか?美味しくなさそうですけど、召し上がれ?


「ポチ殿……違います……」


 いやいや、違わないね、王子っていう資格のあるただの変態猫だよ?


 

 狼族の狼さんがベスをペッと捨てる、落ちたベスをさも気持ち悪っ!て感じで。



「おおー……成る程そういう手が」


 本音言ったら捨てられた、哀れベス。


「いやいや……や、確かに報告は受けましたよ?妹さんに求婚したとかで、ぶっとばされたとか、狼族の縄張りに落ちたみたいですけど」


 そうだよ、いい大人が子猫に結婚してくださいって、只の変態でロリコンだろ?


「それは確かにいきすぎた行為だと思います、あれ?本当に変態で王子だ……いいのか?いや、王子は王子だから……うん?」


 味方にも変態認定、やったなベス!


「にゃー……死ぬかと思ったにゃ……」


 狼さんーこの変態で良かったら抹殺してくださいよーお願いしやすぅ旦那へへっ。


「ピ」だまれ、さんした


「きゅい?」ねた、しないとだめなの?


 もーそーちゃんノリ悪いよ?そういうとこ直していこうぜ?


「きゅる」よけいなおせわだし


「あ……狼族が帰っていく……」



 なっ何だって!!待ってよ!抹殺は!


 クルリと振り向いて一言。


「変態で手を汚したくない。」


 と、言って去っていく……カッコいいけど!何か違うのよ!待ってよぉー


「ピー」ねたが、ながすぎた


 おおーん、反省会しよう。


「きゅいー」なんでやねんー


「……助かったのかにゃー?」


 もう!ベスの役立たず!狼族と相討ちでもすれば少しは男として、見直して、墓にマーキングしてやるのに!


「ただのマーキングにゃし……」


 ヨロヨロ立ち上がるベス。


「あ、と、王子?大丈夫でしたか?」


「にゃんにゃ!変態でわるかったにゃ!」


 悪いわっ!!!!!


「ご、ごめんにゃー!!!!」



 ついて来いや!変態猫!両親が泣いて待ってるぞ!みーちゃんも泣いてんだからな!


「にゃに?にゃーの姫がにゃいてる!?」


 せーの、三匹シンクロキック!!


「ぎゃふぅーにゃんでにゃー!!」


 の野郎まだ姫とか言いやがる、狼族の方に飛ばしてやったぜ!


「えええ……お、王子……恥ずかしいです」


 さすがの門番猫さんもメンツが立たないよ!


 

 遠くから此方に悲鳴が、何だと!?あの狼族のやろー!追い返したってのかっ!?


「ぎにゃゃーーー!何でにゃ!?グハッ」


 飛んで来たと思ったらベチャっと門の前に落ちるベス、ほう?狼族も中々やりおる。


「ピー」ないすーこんとろーるー


「きゅる」いいうで、してるし


 今度お話でもしますか?


「ピー」いいかもしれない


「きゅる」じょうしきのある、おおかみだ



「お、王子……もう何も言えません……」


 門番猫さんに見捨てられた。


「ぐぅー酷いにゃ…ポチぃータスケテニャ」


 ったくしょうがないな、こいつが居ないと話が進まない、結界ボールに入れて、よっと二足でコロコロ転がす、悔しいがヨロヨロするぜ、何時か二足で歩ける犬に俺はなる!


「ピ」がんば


「きゅる」そーもやるし


 そーちゃんと一緒にコロコロ、中のベスが何か言ってるけど聞こえない、あんだって?


 へんじがない、だだの、しかばねのようだ


 村の中を見せしめにしながら転がして王城まで行こう、着いた時には喋る元気もないだろ。



 コロコロ転がす事三十分、走れば五分も掛からない距離を丁寧に転がして来たら、城門に宰相が居た、結界ボールを見て俺を見て結界ボールを見て、ため息吐いて、城の扉を開けた。


「ピィ」できる……


 だろう?流石メガネはやる事が違うぜ。


「きゅる」ほめてるのか、ほめてないのか、わからない


 こまけーことはいーんだよ!


 コロコロと城内を歩いて応接間に向かいたいが、そーちゃんに一言。


「きゅい?」どうしたの?


 おまた、が痛い。


「……きゅる」そーがやるから、いいよ……


「ピィ」ばかおにぃ


 馬鹿でもおまたが、痛いのは変わらない。


 がに股な犬歩きで応接間に向かう、然り気無くぴーちゃんがヒールしてくれた、へへへ。


「ピ」ぴぃがはずかしいから


 あい、すいませーん。


「何をしたのかと思えば、中の王子は白目剥いてますが生きてます?」


 生きてるよ、狼族の賢さ舐めてたわ。


「賢いと王子が生きるんですか?」


 変態は殺したくないって……


「ああ……取り敢えず妹のみーちゃん、ですか?見せないほうがいいですよね、部屋に閉じ込めて置きますから、これ解いて下さい」


 やだね、暴走されても困るんだ、そのまま明日を迎えるがいい。


「……あーまた何かしたんですね、はい、了解です、では転がして行きます。」


 よろー「ピ」しー「きゅる」す?


 そーちゃんーノリ壊しちゃ駄目なのー!


「きゅい」あえて、だから?


 おう、なんてこった、ノリを飛び越えただとぅ!出来る子!


「きゅる!」にぃにのかけら、とうぜん!


 それ言われると何か複雑なんだけど?


「きゅる……」まるでじぶんが、そうなのかと、といかける、いぬであった……


 やめれ!恥ずかしいっ

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