第133話 和やかな日々

 そして日々は過ぎていく、と、いう訳で。


(久しぶりにはしょったなー)


 訓練、遊ぶ、食事、休憩、寝る、訓練


 何が書いて楽しいの?


(そーですね……代わりない日々は意味ないな)


 そーなのよ!一ヶ月経過でレベルが千を越えたのよ!伸びすぎー!でもカンストの桁が大違いだからまだ伸び代あるよ?


(いや、普通もういいだよって範囲だよ)


 本当ですね、もう一日ずっと迷彩してられるよ、何処にでも逃げられる自信があるね!


 てな訳で皆通常営業、ぴーちゃんはストレス発散なのか、副店長が用意した金の山に突っ込む始末、その山の金の貰おうかな?


「きゅい」ぎるどにかね、あるでしょ?おろしたら?げんきん、ときん、にわけてー

 

 おう、そうだな、手元の空間庫にまだ四億あるよ、これ何処で金に変換出来るんだろ?


「ミー」こまったらふくてんちゃー


 ちょーね、そうだな、相談しよう、ポンコツ召喚ー!って事務に居るから行こう。


 扉カリカリーぴーちゃん以外でカリカリー、マドロンさんは気づいても近寄らない、膝の皿割られると思ってやがる、割ったろか?


「はいー開けます、なんですか?」


 おう、ポンコツ、通訳してよー


「了解でーす!」


 お店が賑わってる、よかよかー、プロとのコラボペット用フードとか?シャンプーも共同開発、色々俺達が犠牲になった成果よ!


 裏庭の遊具もサッカーも日曜日だけ一般解放する事になったので、日曜は大人もガキンチョも男客が増えた、サッカー大人気!


 うちの店のエースはそーちゃんなんです、大きさは変えちゃ駄目よ、とは言ってあるが、小さいサイズで翻弄している。


「副店長ーきゅーちゃんが質問ですぅ」


「はい、なんですか?録でもなければ結構ですよ?ネズミなんか持ち込まないで下さいね。」


 

 ネズミの恨みが酷い……Gよりマシでしょ!お金を金(きん)に変えたいんだけど良いとこ無いですかねー?


「……成る程、資産運用ですか、そうですね、相当額おもちでしたよね?」


 コクコク 四億位?


「よ、四億でしたっけ!そんなあったんだ」


「はぁ、それだけの金になると……そこらの鍛冶屋では無理ですね?王様に聞いてみては?解放時間にこっそり来てるでしょう?」


 少年王、副店長にはバレてた。


 やっぱそうかー、なら来るの待とう。


 姉妹よお庭に帰るのだー。


「ワンコさん?」

 

 へい!何でしょう!!


「きゅい」やわらかくなっても、ふくてんちょうはこわいんだー


 仕事には持ち込んでないよ!?


「今度ブラシの共同開発するんです、協力してください、良いですか?」


 喜んでー!


 サササッとお庭に逃げるのー!


「失礼ですね……」



 はぁー今日はまったりしましょうか。


「ミィー」せなかは、まもるのー


 引っ付き虫してるだけでしょう?


「ミ」しんがいなのー


 心外なの?侵害なの?侵食されてるよー?


 遠くではサッカーでワイワイしてる声、チビッ子がヨーンと遊んでる光景、和みますな。


 そろそろ夏の日差しになってきたが日向ぼっこは最高ですなー。


 みーちゃんが背中でフミフミしてる、甘えん坊ちゃんめー気持ちいいですー……


 



「何か久しぶりに和やかな風景……」


「本来ならこれが普通でしたよ?」


「きゅーきゃんが居なくなるとこうなるのか……寂しい……ぅっ!」


「諦めなさい、あの子達も自由が欲しい時もあるんでしょう。」





 ウトウトしてるとそっと近づく気配が、みーちゃんが警戒モード、まだ嫌いなんだ。


 副店長がしゃがんでウトウトしてる俺をナデナデする、気付かない振りします。


「……こうして居られるのも数年なんですね、店長が泣きますよ。」


 分かってる、けど死別よりはマシなんだ。戻って来ないから同じだけどさ。


「もっとチビ達増やしますかね……」


 賑やかになると紛れるよね。


「何処に居てもきっと戻ろうとすれば戻れるんでしょう?珍妙な魔法で。」


 珍妙言うなし。


「意地悪なワンコさんですね?突然現れて、掻き乱して、突然居なくなるなんて、勝手な犬」


 すいませんね、掻き乱してるつもりないけど


「あなたがそれで幸せなら良いんですけどね」


「クゥーン」幸せだよ、今もね。


「ふふ……最後に猫さんとは仲直りしたいものですね」


「ミー」おせんち、なのー


 そうだね、珍しいもんだ。



「あっー!ズルっ!サボると怒るくせに!」


 マドロンがぶち壊したよ、みーちゃん膝の皿割ってきて?


「ンミッ!」いくのっ!



 遠くでぎゃーす!と叫ぶ声がする、副店長の手をペロっと舐める、二号が居るだろ。


「あら、慰めなんて……寂しくなるわ止めてくださいな?」


 二号ー!副店長がおセンチだぞ!慰めろ!


 だだだっと走ってくる気配がする、副店長も気がつく、さっと離れて立ち上がる。


「……どうしました?」


「えっ……いや、何か寂しそうですねと?」



 迷彩と気配をサッと消して裏庭に逃げるの、おセンチなんて勘弁なの。


 背中に暖かい温度、みーちゃんが転移で戻ってきた、空気読める様になって、いい子。


「ミァ」にぃにもおせんちなのー


 違うわいー!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る