第132話 迷彩訓練で鬼ごっこ

 駄々っ子プレイも翌日には消えていた、恥ずかしい!


 と、いう訳で、昨日の事はなかったテイで行きますー朝食食べたら、少し休んで訓練よ!


「ンミ?」にぃに?もうぐあい、いいの?


 え?何もなかったよ?


「ミ?」そうなの?


 そうそう、何も無かった……


「ミィ」ならいいのー


 ほらねっ!!


「ピー」だませるのは、ねぇねだけ


「きゅる」おとなげない、おとな


 何の事だかさっぱり?記憶まだ曖昧なのかな


「ピーッ?」おにぃっねぇねを、りようしすぎると、おこ、なのわかってるっ?


 ひゃいー!すいませんでした!!



「ヒヨコが怒ってきゅーきゃんが土下寝……これは……また怒られる事したのね!理解してきたよね!?」


「そうですね、やっとですか?」


「やっとですね……」




 おし!裏の森に入って迷彩の特訓よー!


「ンミー」とっくんー!


「ピ……」くわれないため……


「きゅい」やるきないー


 みーちゃんを見習いならい!


 

 森はモンスターは出ないが、森のなかで鬼ごっこ、最初は俺が鬼やるからね?皆ちゃんと隠れる事、気配消してもいいけど結界は駄目。


 百数えたら捕まえに行くから捕まったのが次の鬼だよ?解った?


「みっ!」「ピー」「きゅい」りょー


 はーい、始めるよ!よーいドン!


 ザッと皆がダッシュで隠れに行く、いーち、にーい、さーん、よーん、ごー……


(なぁーみーちゃん数字数えられたっけ?)


 …………忘れてたよ。


 まぁ、みーちゃんはアドリアナが誘導で。


(おっけー!)


 ……百!捕まえにいくよ!


 ふむ、気配は皆消してる、ぴーちゃんはサボるかもしれないと思ったけどちゃんとやってる。相当喰われたくない様だ。


 探知を働かせるが、反応は今一、相殺してる様だ、匂いを辿ろう……クンクン……お?鶏肉の匂いが近いですよ?


 ぴーちゃんをまずは探そう、チッコイから分かりにくいんだよなー。


 クンクン、近い、近すぎる……これは。


 上ですね?テンプレな戦闘!


 森の上をジット見つめる、迷彩はまだ使用時間が短いから見てれば黄色が見えるはず。


 ふっと木陰の間に黄色がいた!


 飛んでザッと上昇!見ーつけた!


「ピッ!?」とぶのはいいの!?


 いや、翔ばなくてもジャンプで行けるよ?


「ピー」チッ、ひゃくは、ながい、ごじゅうでいい。


 確かにそうだね、人間じゃないからな、五十で変更ーと念話。


 じゃ隠れて来るよー


「ピッ」おにぃねらいじゃ


 なんでやねん……仕返しごっこじゃねぇ。


 サササと気配消しながら迷彩を試す、体をぐるっと見ると、たしかに透明じゃない、葉っぱに同化してる感じだ。


 隠れたら空間庫から鏡を取り出す、姿を映すとお目目がぱちくり、キンモー!目は駄目なの?薄目じゃないと光るやんけ……


 ん?匂いがする、これはみーちゃんの匂いだ、こっちに近づいてくる、どうした?


 カサカサと、みーちゃんが顔を出す、迷彩はしてない、どうしたの?


「ミ」いっしょするの


 やや、それルールが違う……


「ミゥ?」だめなの?


 え……う……うるうるしないで……



 一緒しようか……


「ンミ」いっしょいっしょ


 取り敢えずシーっね?迷彩使ってごらん?


 フゥーと姿が同化していく、やっぱお目目だけはパッチリしてる、お目目だけでも可愛いね?俺もお目目だけになるよ?


「ミァ?」めが、ういてるの


 確かにそう見えるよねー、薄目にすればバレないかもよ?


 スッとみーちゃんが薄目にする、うん、いい感じ、そんな感じで隠れようね?


 コクコク頷く、よし、いい子。


 みーちゃんと一緒に気配を消しながら、一分ほどで消えてしまう迷彩を繰り返しかける、これでレベルが上がるはず。


 …………ぴーちゃんマジで探してるのかな?サボってないよね?


 此処で拾って七年か、まだ魔法の使い方が慣れてないのかな?バカみたいな数字は共通のはずだから、事務所仕事させすぎたか……?


 みーちゃんに体をポンポンされる、ん?とみーちゃんを見ると隠れてるのと逆方向を見てる、クンクン……居ないな?どうしたんだろ


 みーちゃんがコソコソ森の奥に匍匐前進、えええ?置いてく訳にはいかないので、同じく匍匐前進で付いていく、数分で大きな木の下にたどり着く、何かあるんですか?


「ミ?」なにもないの、ここにかくれるの


 あ!そうなの、みーちゃんが木の大きな根本の間にスット入っていく、覗いてみると俺も入れそう、コソコソと入っていく。


 するとみーちゃん抱っこスタイルで潜り込んでくる、これで隠れるの?逃げられないよ?


「ンミ……」ねむいの……


 …………そ、そうなんだ……訓練は。


 周りの気配や匂いを探るけどまだ大丈夫、見つかりそうになったら咥えて逃げるか…。


 スースー寝てしまう、ん?もしかして迷彩続けてたから消耗してる?俺はまだ平気だ。


 まさかヒヨコも寝てるとかないよね?


(探してるけど?運動音痴ぽいね?)


 ぬ!訓練サボってましたな!金の亡者め。


 フッとそーちゃんの気配が見つかる、もしかしてぴーちゃんに気づかせてる?駄目よ!ぴーちゃんの為にならないでしょ!


 と、念話を伝えるとフッと消える、そーちゃんも大概甘いよね……


(さすが、犬の欠片って感じ?)


 …………言い返せない。



 結局ぴーちゃんは誰も見つけられず制限時間の三十分になったので、一旦集合ー。みーちゃんを咥えてスタート地点に。


「ピー!」むずかしい!


「きゅいー」サボってるからー


「ピッ!」けいさんできれば、いきていける!


 どうやってだよ!目の前に敵が出たら生きていけるの?計算で!


「ピッ……」ばかじゃないから、わかってるし、くんれんすればいいんでしょ……


 んもー!事務所で仕事当分禁止!


「ピッー!」それはおうぼう!


「きゅい」でもサボりになるでしょー


「ピィ」ねぇねもサボってる


 これは……習性……としか言いようがない、魔法の消費じゃないぽいから。


「きゅる」はぁーあまいよね、おたがい


 す、すぃませんね……




 それからの練習は出来るだけ迷彩を使う事、訓練じゃなくても?ぴーちゃんも事務は我慢してもらって訓練、一日やった時点でlv一から百まで上がってたから、かなり上がりやすいようだ、頑張ろうーおー!


「ピ」あきた


 まだ一週間も経ってませんよ、早いよ?


「ピー」おかねーおかねー


 やだ、亡者過ぎて狂いそう!


「きゅる」たまにはやらせれば?いきぬき


 そ、そうだね……今日は事務してきな?


「ピー!」かねー!


 バタバタ羽ばたきながらダッシュ、宝石少しは買った方がいいかな……観賞用に。


「ミィー」みぃはやるのーがんばるの


 うん、でもあんまり頑張りすぎない様にしないとさっきのぴーちゃんみたいになるよ?


「ンミィ」あれはやなの……


 今日は休んでまったりしようか……


「きゅい」さっかーしてくるー


 元勇者達とのサッカーに夢中らしい、こっちもこっちで心配だよ。


(まだ三年有るんだから急がなくてもいいじゃん?まさか予定早めるとかないよね!)


 ないよ!でも神様にはあっという間だろ?


(うーでも一日一日を大事に見る事にしたの、だから予定なんて早めるなよー)


 あいあいさー



「きゅーちゃんー私はしなくてもいいの?」


 ポンコツは神様だろ、付けようと思えば自分で付けられるちゃうんか?


「……んー?リストにないです……」


 あれ、神様でも個人差あんだな?


(流石に見習いに全部持たせる訳にはいかないじゃん?暴走するヤツも居るし。)


 神様の暴走ってどんなのよ?


(前にあったのは、勇者に全部の魔法をあげたらどうなるかって実験したヤツがいて、結局勇者に殺されたってのはあるねー馬鹿でしょ)


 無謀だな、人間本来持たざるものを得るとつい使いたくなる生き物よ。


(だよねー、だから一つって決めてるし、まぁポンコツは違うみたいだけど……)


「ぅ……そ、それはもう勉強しました!」


 神に戻れるのかね?人間臭くてたまんない。


「く!臭い!?そんな匂いを出してる!?」


 例えだよ!


「ふぃー……臭くなくて良かった……」





 小屋でみーちゃんとオネムをしてたら、お店が騒がしい……何ですかー我の眠りの邪魔するヤツはー!


「あんのクソネズミが帰ってきたし!」


 ……蹴り捨てたと思ったら自力で帰ってきたの?もういい加減野良で嫁探せ。



((旦那ー!旦那!どこですかー!?))


 凄く無視したい……


「このネズミはワンコさんが面倒みてるハズ、責任はワンコさんにあると思いますね。」


 やべー副店長がおこモード入りそう!


 小屋から出て、結界ネズミを探す、ヨーンに追いかけられてるし?結界なくなってる。


((だっ!旦那!助けてくださいー!))


 何ですか、チビッ子に悪影響だから、どっかで野良しなさいよ、もうボールの役目はお仕舞いなのよー!


((そ、それはいいんす!大変なんですっ助けてくだせぇー!))


 何だよ、嫁は自力で探せ。


((それが!嫁になりたいってのが居て!))


 なっなんだってー!!おめ?


((それが、嫌なんす!理想じゃないんす!))


 お前に選択肢なぞ存在しない。


((殺生なぁ……だってだって……))


 また蹴るよ?もっと遠くに。


((!それがですね!ぶ、ブスなんす……))


 女性にブスは失礼ですね、ネズミの分際で。


((分際って!嫌なもんは嫌でっ))


 お前、未来考えな?将来像見えるか?今逃したら一生独身だよ?


((うっ!……ど、どうしたら……))



「ちょ!?何か違うネズミまで出た!」


「まん丸ですね、さぞ食べごたえがありそうで?蛇にでもあげますか?」


「流石にドン引く発言だよ、二号君に聞かれたらうわーっ!だよ!」


「……何ですか?二号が私の弱点だとでも?言いたいんですか?」


「そ、そんな事ないっす……」


「どうせ、このネズミもワンコさんでしょ、庭に出して放っておきましょう。」


「きゅーちゃん何でもかんでも連れて来るの止めて欲しいな……」


 

 


 んーほうほう、あれですか?庭に入ってきたまん丸な雌ネズミ……


((旦那今引いたでしょ!それですよ!))


 ばっか!引いてないよ、凄いなって?


((選択の時ですかね?旦那……))


 結婚は人生の墓場なりぃー!


((墓場……慰めもないで墓場!))


((あたいの王子様!やっと見つけたのよ!))


((ひぃぃぃぃっ!))


 まぁ、本来なら合ってるんだけどね?雄が白馬の雌とか。普通考えないから?


((どうして逃げるの?焦らしてるの!?))


((ちがっう!俺は嫌っす!恋人なんて居なくていい!生涯独身でもいい!))


 ネズミの癖に、選り好み出来る立場か?ちゃんとしなさい、そして帰れ。


((本音を漏らさないで欲しいっす……))


 結局雄ネズミは雌に連れられて出て行った、達者で暮らせよ……





「あら、連れられて出ていったわ、夫婦になったのかしら。」


「副店長も近いんですかね?ええ?」


「口塞ぎますか?」


「ただの拷問!!」

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