第131話 みーちゃんのブラコン

 昨日のサッカー効果か、チビッ子が俺達が遊んでる所に来てくれたよ!やったー!


 そーちゃんが不貞腐れてピーちゃんに慰められてるけど、致し方なかったのだ。


「ミィ?」なかよし、よかった?


 うんうん、みーちゃんのお陰だよー!


「ミゥミゥ」みぃのおかげーやったのー


 うんうん、やっぱりみーちゃんは純粋で可愛いよねー?


(純粋を弄ぶなし!)


 みーちゃんが喜んでんだからいいでしょ!


(そーいう問題!?)


 神様がうっさいー!ね?


「ミィ」いつものことなのー


(そんなー!!)


 チビッ子が俺の回りをクルクルしてる、おーヨシヨシ、可愛いね?毛繕いしましょ。


 一匹を抱えて毛繕いしようと思ったら、みーちゃんの小さなお手てがサッと口許にブロック……


 ……ん?


 すっと引いたので、ペロ……サッ、……ペ、サッ…………お手て舐めて欲しいの?


「ミ」だめなの


 な、何が?


「ミゥ」しまい、いがいは、だめなの


 な、何で?


「ミィー」にぃには、みぃたちのなの、ほかはだめなのー


 えええ……だ、だって仲良くなりたいからお手伝いしてくれたでしょ?


「ミッ」それとこれは、べつっ


 ガーン!そ、そうなんですかー!そんなルールがあったなんて、にぃに初耳。


「ピッ」ばかおにぃ、ねぇねがわかってない


 なんですと?ヒヨコ様!


「ピー」これだから、おにぃはおにぃなんだよ


 どーいう意味ですかね!心外です!


「きゅるー」ぶっぶーざんねんでしたー


 そーちゃん!?


「きゅい」わかってたもんー、そーは


 そ、それは所謂ブラコンですか?


「ピ?」それいがい、なんなの?


「きゅい」だめにぃに、ねぇねがかわいそう


 ボロクソやんけ!他は毛繕い禁止!?


「ミィ」よーんはいいの


 ……境界線がわかりません……


 すすすと離れていくチビッ子、おおう!昨日の喜びよ!いずこに!?


 みーちゃんが占領するように囲う腕のなかに入ってくる、見上げられてうるうるお目目!なっ俺に必殺技なんぞ!効かない!ペロペロ。


(いつも思うけど何そのノリ突っ込み)


 本能がそうさせるのだ、仕方ない!


(本能の意思弱すぎー!)


 みーちゃんのブラコンによって、チビッ子と仲良く作戦が終わった……嗚呼無情。


「ミゥ」みぃのなのー


 にぃには玩具じゃないよ……


「ピー」ばかおにぃーしごとしてくる


 ヒヨコ様!又言ったよ!馬鹿ちゃうわ!


「きゅい」そーはにんげんとさっかーしてくる


 ハマったんですね……


 結局チビッ子は諦めて、毛繕いしながら、チビッ子が遊ぶのを見学、これが俺の生き方か。


「ミ?」ふまんなのー?


 それはないけどさぁ……可愛いから許す!


 腕の中でみぃみぃ嬉しそうにしてるからいいやー、十分恵まれてますわ!


(そうでしょーね!)


 

 おう、神様仏様、今思い出したよ、約束忘れてませんか?


(は?何の約束?)


 俺、五年居なかったんだよ?もう力は十分貯まってるよね?


(え?力……ってあー!め、迷彩?)


 それそれー、ネズミが居なくなって忘れてたよ!くれるって言ったよね?


(うっ確かにそうだけど……本当に欲しいの?)


 やだ、神様が約束破るとか資格剥奪しろよ?


(はぁーわかったよ、あげるから……)


 ちなみに姉妹の分も宜しくね?


(それは約束に入ってないし?)


 次の候補地、サバイバルですよ?いいんですか?後悔しませんか?


(さ、サバイバル!?そんな所にみーちゃん達連れて行くの?)


 サバイバルっても、困らなかったけど、迷彩あればなーとか思ったし、もうそこって決めてるし、やっぱ皆使えないと襲われるよね?


(襲われる……なんて不吉な言葉!)


 いやまぁ、力が足りないなら俺だけでいいっすよ、マジで?はよくれません?


(お前はズルい奴だ……何でいつも引っ掛かるの!あたしの馬鹿ー!)


 どーすんのよ?はよしよ?


(うーん、うーん……四匹ね……ちょっと待って、残量調べるわ)


 残量とか、機械なの?


「ンミ?」めいさいって、なに?


 うーん、カモフラージュかな?


「ミー」それがわかんないー


 そ、そうか、うーんと、回りの景色に溶け込むみたいな、感じ?隠れたい時は便利よ?


「ミッ?」かくれんぼする?


 永遠に見つからないんじゃない?


「ミゥ」においがあるものー


 でも結界で遮断しちゃったら?


「ミッ?……」においがだめ?わかんない


 だよね、だから便利なのよ、かくれんぼするために貰うんじゃないからね?


「ミー?」そうなのー?


 そうよー?貰ったらサバイバルに慣れて貰いたいから訓練しようか?


「ミッ!」にぃにとなら、なんでもがんばる!


 おー偉いね!


(もう決定してるんですかね?)


 してないんですかね?


(しますよ……出来るよ四匹あげればいいんでしょ!むーん……、ぉそうかー)


 独り言激しいなーポンコツ二号。


(誰がじゃー迷彩にもレベルあるから、やっぱり練習しないと駄目だな、コレ。)


 そんな難しいの?


(簡単だけど、低いと効果時間少ないよ?)


 あーそっち系ね、はいはい、訓練で上がるでしょ、ポンコツ世界じゃないんだから?


(ま、まあね……あんたら上がりやすいしね)


 そういや、そんな能力あったな。


(取り敢えず裏庭行ってよ、四匹共ね、光るから、ヒヨコぉー!睨んでも無駄だよ!)


「ピー」めんどくさ


 サバイバルで一番最初に狙われるの、飛べない鳥のぴーちゃんだと思うの……


「ピー!」すぐいく!いまいく!


「あら?何か有るのね、たまには遊んでは?」


「ピッ」あそびよりかね!


 金咥えて、どやーってする事でもないよ?


「成る程、金の亡者ですね?私教育間違ったみたいです、ワンコさん、まぁドンマイ。」


 教育係りの副店長が謝っただとぅ!?何で謝ってから励ましたの!?俺に投げ捨てたよ!


(いいから!もうあんたらの突っ込み長い!)


 はいはい、すいませんね、これだけが取り柄なんですよ!取ったら何が残るのよっ!?


(……代弁混じったな。)


 もー終わる終わる詐欺でもすっかなー?効果ゼロー!だよねーっ


(おおおぃ!止めろ!入ってくんなっ)


 


 裏庭に俺と姉妹が揃った所で、迷彩よ!降臨せよー!


(五月蝿いなー集中させろ!)


 はーい、貰ったら一応訓練でレベル上げるからね?ぴーちゃんが一番危険だから?


「ピッー」喰われるっ


 鶏肉の匂いがしますぅ……


「ピッ!」おどしよくない!


「きゅい」でもにおいするよ?


「ピー!」がーん!


「ンミンミ」みぃが、まもるの、だいじょうぶなの、ぴぃあんしん


「ピッ」ねぇねっ


 ドラマが生まれた様子。


「ピ?」むこう、かね、ある?


 金の心配かよ、ないんじゃなかったかな?ほぼベスと森でサバイバルしてたから、王城の事もあんまり把握してない、多分自給自足?


「ピー」たのしみがないー


 もう、亡者モード止めなさい!普通の賢いヒヨコになるのよ!


「ピー」しゅみがうばわれる


 金設けが趣味?副店長やってけれたな!二号とくっついてだらけてんとちゃうんか?


「ミィ?」こいびとー?みぃもできる?


 え


「きゅい」あたまのなか、まっしろー


「ピー」ぶらこんでも、こいはする


 え?


「ミッ?」みぃだめなこと、いったの?


「ピー」しんぱいない、しすこん、こじらせてるだけだから


 俺は何も聞かなかった、おっけー!


「きゅい」げんじつとうひ、おっけー


(……いくよ!)


 お、おっけー……


 四匹がボワーンと光る、興味深そうに見てくるチビッ子、周囲をクルクル、おおー可愛いねー可愛い子は箱入りにしないと……


「きゅる」しすこんにもほどがある


 光が収まった、鑑定したら迷彩追加されてた、じゃあ、俺は一旦寝るわ。


「ピ?」くんれんは?


 忘れる時間が欲しいの。


「きゅい」しょうがないにぃにだし


「ミー?」いっしょねるの?


 好きにしていいよ……小屋に戻って毛布を被る、みーちゃんがベスを、好きになったらどうしよう?動物の世界なんだ、可能性は否定出来ない……やっぱ別の世界にしようかな?


(妹の幸せも願えないような犬は駄目犬!)


 うあーんっ!!


「ミッ!?」にぃにがおかしいの!


「きゅる」させたいように、させるの、いまは


 毛布にくるくるしながらジタバタ!やだー!幸せは俺もほしいー!!


(駄々っ子かい……)

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