第119話 カーバンクルの突然変異

 俺のせいで宇宙で歪みが生じて、突然変異した、と言うカーバンクルという魔獣、しかし、俺の欠片のせいで神聖なものになり、俺の眷属だと言う、のう!宇宙がやばい!安心しろって、出来るかっ!


「きゅい!」なかま!


 あ、はいそーみたいですね……ベス、すまん、何か仲間っぽいわー?


「にゃ、にゃんで疑問形にゃ?仲間は居ないとか言ってたにゃ?」


 はは、仲間ってのはさ、突然なる事もあるよね!ほら、ベスみたいに?


「にゃ!にゃかま!?そ、そう思ってくれてるにゃね?にゃんにゃ、嬉しいにゃ!」


 にゃーにゃー多いっての!


「にゃんにゃの?でもにゃかま!」


 あーはいはい、この子どうしよう?眷属なら連れてくしかないよね?眷属って子分的な何かだっけ?取り敢えず名前付けないとステータスが空欄だ。


「にゃまえ?ベサーレス様に任せるにゃ!」


 本当?俺のセンスなさそうって感じるから、候補があるなら聞いてみる。


「そうにゃね…………」


 じーっと見つめる、カーバンクルは背中に乗って手を頭に乗っけてる……なんだろう?背中に何か居ることに違和感がない。


「分かったにゃ!ソフィアにゃ!」


 思ったより普通だった、オチるのかなって期待してたのに?


「にゃー!可哀想にゃ!女の子にゃよ!」


 知ってるけど、何紳士になったつもり?


「にゃーは初めから紳士にゃ!」


 ソフィアかーまあいいんだけど、俺の略でもいいかね?そーちゃん、で。


「にゃ!なんだってー!にゃ」


「きゅいーきゅい!」なかまーそーちゃんーもらったーうれしい!


 ほうほう、可愛いではないか、宜しい。


「にゃーだって可愛いにゃ!」


 男子は黙ってろ?可愛いのは俺だ!


「混乱してきたにゃー?」


 取り敢えず、仲間が出来たどー!熊探そうぜ?問題は解決した。


「ポチは神様と話してたって本当はにゃんにゃ?何時もみたいにボーッとしてたにゃ」


 え?そーだね、何かのテレパスだよ!


「また混乱しそうにゃー!」


 名前は付いたけど、名前以外のステータスは表示されてない、こんなもん?まぁいいか。



 熊どこ行ったー!出でこいやー!


「きゅいー!」こいやー!


 ……ん?何か懐かしい……これが思い出せない記憶か……何でかな?


「にゃー無理して熊のお土産にゃくてもいいにゃー!怖いにゃー!」


 紳士だろ!しっかり紳士しろし?


「し、紳士は大変だにゃ!」


「きゅい?」けはいけす?


 何出来るの?凄いじゃん?


「きゅる!」そーはすごい!


 何この子ー!可愛いんですけどー!


「にゃにやってるにゃ?親バカにゃ?」


 だーってろ!熊探せっ!突撃してこい!


「無茶苦茶言うにゃ……」



 探知に反応あり!ベス行けーっ


「にゃーは犬じゃないにゃー!」


 知ってるよ?だから行けってば?


「非情にゃーっ」


「きゅい!」そーがいく!


 え?ちょまっ……!弾丸スピードでアタックだとぅ!?


「にゃ!?先を越されたにゃ!悔しいにゃ!」


 いい加減にしよ、犬パンチ!……ハッ!猫を叩いてしまった、何故か心が痛い。


「にゃふー!!」ゴロゴロ……


 そーちゃん!?怪我はっ突っ込んで行くなんて無茶しちゃ駄目でしょ!


 倒れた熊の前でお座りしてる、あ、あれ?平気なんですか?怪我は?


「きゅい?」けが?してないよ?


 マジ?何この子チートなの?凄い!


 クルンクルン空中回転して喜んでる、見てると酔いそうですぅ……


 熊を空間庫に閉まって偉い偉いと、ナデナデ、肉球が額の宝石に当たるとポワンと光る、なんだろう?


「きゅうぃー」きもちいいーあったかいー


 成る程、温泉的な効果?なんでやねん!


「く、熊の退治は終わったにゃー村に帰るにゃよー!ビンタが痛いにゃー!」


 まだ足りないでしょ?何匹居るの?


「いいにゃ!それでいいのにゃ!」


 ……やる気ねーな?


「帰る気持ちはあるにゃ……」


 分かったよ、行こうぜ、二足の猫の村に!


「きゅい!」ねこいっぱい!かる!


 いや、ベスの里帰りだから、狩りじゃないから?やめようね?


「きゅい」そうなの、つまんない


 戦闘狂ですか?脳筋は止めてくださいね?


「にゃんか不穏な気配にゃ……」


 ベスさんよ、ここから村までどれ位の距離なの?食料とか用意しないと。


「距離にゃ?歩いて一日にゃ!」


 


 ……はっ箱入りなのっ!?馬鹿なの!?


「なんにゃ!馬鹿じゃないにゃ!」


 あめぇー!甘過ぎる…どんなパパ上だよ。


 空間庫の食料で十分だな……もうこのまま行こうぞ、何か精神的に疲れた。


「にゃー帰ろうと思えば帰れたにゃ?でも修行しないと駄目にゃ、だから我慢してたにゃ!」


 日帰り出来るだろ、なんなら村からの出勤でも行けたよね?


「それじゃ甘えるにゃ?だから駄目にゃ!」


 しっかりしてんのか馬鹿なのか分かんない。


「きゅい!」ばかにさんせいー


 せやな?賢いのー背中に乗りなさい。


「きゅいきゅい」ありがとうにぃー


 ……にぃーって?何?


「きゅい?」わかんないけど、あたまにうかんだ?だめだった?にぃー?


 駄目じゃないよ?何かのテジャブみたいな?そーちゃんに会ってから何かもやもやするんだよなー?忘れてる何かだと思うんだけど。


「きゅいー」いやなことはわすれるのがいいよ


 そうか、嫌な事だったのかな?まぁいいか。


「どうしたにゃ?行かないのかにゃ?」


 行くよー案内しろし。


「……探知できるにゃ?」


 出来るけど何か?


「どの方向かわかんにゃい……」


 …………帰らないんじゃなくて帰れなかった訳?百五十年だもんな?しょうがなく……ねーよ!何で一日の距離で忘れるの!?


「にゃー面目ないにゃー……」


 ほんとだよ!俺居なかったらどうやって帰るつもりだったの!


「勘……かにゃ?」


 頼りになる勘で帰ってみれば?付いてくよ?


「にゃにゃ!……迷子になったら大変にゃ」


 いいよ、食料は十分あるし、男ならやってみろ、お前なら出来るベス!


「男なら……やってみるにゃ!」


 まぁ迷うんだろうけど。




「きゅいー?」いつ、つくの?


 いつだろうね?もう森の中三日目かな?


「にゃー!!やっぱり無理だにゃー!」


 そうでもないよ?


「!?近いにゃ!?」


 そうだね、村の周辺グルグル回ってるだけだから、近いよね?


「ひ、酷いにゃポチは酷いにゃ……」


 んだよー勘を試したかっだろ?結果的に無理なのが分かって良かったな?


「泣きたいにゃー……」


 泣いていいから、村行こうぜ、流石に飽きましたーそーちゃんも飽きたから行くぜ。


「うにゃにゃー!!涙が出ないにゃ!」


 はいはい、種族特性乙ー。




「にゃにゃ!着いたにゃ!」


 おおーまだ門しか見えないけど、草とか蔓で出来てる芸術にも感じる門だ。


「何者か?」


 二足の猫の警備さん?ベスに弓を向ける、やっぱ弓だよね?そしてキャラ付けしてない。


「にゃ!?にゃんで弓を向けるにゃ!」


「何だ?どこの部族だ!おかしな口調をしおってからに!」


 おい、お前の村ちゃうかってん?俺が間違えたの?部族って何個かあるって事よね?


「にゃにを言うにゃ!ベサーレス様に向かって弓を向けるとは無礼にゃ!」


「…………べ?ベサーレス様ですか?」


「そうにゃ!百五十年前も修行したにゃ、父上に会いに来たのにゃ!」


 やっぱさーキャラ作りが足引っ張ってんだよ、だから無理すんなって言ったのに!


「しょ、証明出来るものはないのか!」


 全く信用されてない草生えそうー


「あるにゃ!王家に伝わるこのベルトにゃ!」


 …………ベルト?してないじゃん?


「あにゃ?何処にゃ?ポチは知ってるかにゃ?洞窟に置いて来ちゃったのかにゃ?」


 いや、会ったときからお前は二足歩行で長靴だけ履いた猫だったけど?


「にゃっにゃんと!?持ち出すのを忘れて家を出たのかにゃ!?」


 お前のうっかりが酷すぎる!


「……む、本人の可能性も否定は出来ん、だがまだ正体が分からぬ、警備室で待て!」


「そ、そんにゃー……」


 二足の猫に連れられて警備室へ、監視が二人も居るよ相当信用ねーな?


「にゃんでこーにゃったし?」


 まずはそのキャラじゃない?


「キャラじゃないにゃ!生まれつきにゃよ!」


 そうなんですか?ここの王子は昔からこんなキャラ必死な王子だったの?


「ぬ?お主ただの犬ではないのか、ほうほう、王子はこんなキャラではなかった。」


「ちっ違うにゃ!ポチ騙されるにゃよ!」


 いやいや、もー良いって、キャラなのは最初から知ってたから、てか今更だけど王子だったの?世も末じゃねー?


「そうにゃー王子なのにゃ!ベスではにゃいのにゃ!ベサーレス=ベゴーニャ一にゃよ!」


 うん、長いからベスで良いです。


「にゃ……ポチは通常営業にゃ……」


「きゅい?」へんなねこ?


 そうだね、見事にキャラ付け失敗した駄目な王子様らしいよ、王子かも怪しいね?


「きゅう!」しょうらいが、ぜつぼう!


 おおー!賢いのー!ペロペロ毛繕いします、もふっと言うより、ふわって感じの毛並み。


「ほうほう、連れのお二方の可愛い事。」


 当たり前だろ?そこの猫とは違うんだよ。


 警備のおじさん?がそーちゃんにミルクを出してくれた、美味しそうにペロペロしているのを見ていると、何故か俺にもミルクを与えられた、大人なんだけど?子供に見えてるらしい、ミルクペロペロ美味しいですぅ!


「みゃーのはないのかにゃ……」


「子供にミルクを飲ませるのは当然の事、大人は大人しくしていろ。」


「にゃ!?ポチは大人にゃよ!子供じゃないにゃ!ズルいにゃ!」


「その小ささで?仮にそうだとしても、か弱き小さな者は守らなくてはいかん。」


 紳士が居た、本物じゃんーパチもんとは大違いだな?ベス!


「ポチの方が遥かににゃーより強いにゃ!」


「仮に王子だとして、それでは、情けなくはないのですか?」


 王子(仮)

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