第114話 猫とヒヨコの喧嘩
遊具の滑り台が完成した、魔法使うと速いね、一週間で出来るとは、結構大きいんだけど、これ副店長に怒られない?不安。
と、言うわけで!俺が一番最初に滑りますー!ボスの特権!いやっふー!
((ぼすーどうやるのかわかんない))
そ、そうですよねー……みーちゃんも一緒に滑る?背中乗ってみる?
「ミ?」いいの?
おいでおいで、ヨジヨジ登って背中におーん!ぴーちゃんがちゃっかり頭に乗っとる!
「ピピ?」すべるなら、すわる?
そう思うだろ、普通はそうなんだが、なんせ動物にですから?どんな姿勢でもいいんですっと言う訳で階段上りますーみーちゃんとかヨーンのサイズに合わせてるから俺には上りやすい、ピョンピョンと階段を上がると結構高い……こんな設計だったっけ?五メートルは有りそうなんですけどぉ。
「すいません、螺旋にしたらどうしても高くなってしまって」三号
成る程緩やかにするには高さが必要だったかーまぁいいか?頂点から見る景色は中々良いもんだ、高い建物もないしな!
「ピー」どうぶつかごみのようだ
何号だ!何号から教えてもらった!?
「ピィ」いちごう
やろー魅了の次はネタの仕込みか!
「ミィ?」すべらないの?
あ、はい、滑りますー土下寝の姿勢で滑るのよー、みーちゃんもちゃんと捕まっててね?ぴーちゃんは飛ばされないように!
「ピッ」かるいから、まほうで、こてい
な、何やねん、俺より使いこなしてる!ってあだだだだっ!頭にガッツリ爪が!
「ピー!」はやくしろー!
分かったよ!もう!滑りまーす!ノソノソ滑るところまで進むと、高くてヒュンってする、ふは、行くぜ……匍匐前進で進む、カラ、カラカラカラカラカラーー!と丸い棒の列を滑り落ちる!ひょー!結構速いー!
着地場所には毛布の山が積んである、勢い良くボフンッと毛布に突っ込む、もふーん!
((ぼすすげー!はやいーコロコロ!))
ヨーンが盛り上がる、ヘールストレームはビビってる、皆一度はやるんだよ?ヘールストレームは愕然とした!犬は度胸!
「ピー!」かぜになった!
「ンミッ!」たのしいの!
おおっ姉妹大喜び!作った甲斐があった!
「どうですか?ボス、丸い棒の感じは?」
おう、結構気持ち良かった!マッサージみたいな感じで癖になりそうっす!
「そうですか、良かったー滑ってみたいけど人間には無理ですから試せなくて」三号
しょうがないぜ、動物遊具だからな。
ヨーン達が一斉に階段を上る、短い足でも上れる様だ、一安心。
順番に滑るのよ?事故るから、いい?
((いえっさーぼす!))
最初のヨーンが滑る、予想通り滑るというよりコロコロ転がり落ちる感じ、酔わないかな?そのまま毛布にボフンーと、どう?
((面白いっすー!))
ひょー!好評!退いたら次でね、ちゃんと確認しないと怪我するからー。
「ボスー?シーソーも出来てますけど試しますか?」二号
あれ、作ってたの?俺達動物だとコロコロ落ちそうなんだけど、トテトテ二号に付いていくと布が被せてある、おう、演出か!
「人間とは違って跨ぐのは無理なので、籠着けて落ちない様にしてみたんです、どうぞ」
バサッと布を取ると可愛らしいこじんまりなシーソー、小さくて意外だけど、人間サイズは大きいよねー真ん中に登る階段が付いてる、ギッコンするとこに落ちない様にか手すりが付いてる、親切設計!でも試すにしても体重差があるからな、俺はこっちで姉妹は向こうに乗ってみよ?俺のが重いからヨーンを追加せねば。
「ンミー」にぃにといっしょー
「ピー」ねぇねといっしょー
おし、コイコイ片方の籠に入って反対側には滑り終わったヨーンに乗ってもらう、そうだな三匹位から足していこうー!
((いえっさー!))
真ん中の階段からヨチヨチテトテト反対側の籠に入り込む、三匹入っても俺たちのが重いから一匹ずつ足していこうぜ!四匹、五匹、六匹……
え?俺達が重すぎるの?ヨーンが軽すぎるの?七匹、八匹、九匹、まだちょい足りない、向こうの籠がもっさりしてる……
「ヨーンの軽さが予想外……」三号
滑り終わった最後の一匹が乗り込むとゆっくり水平線に……なったら徐々にヨーンの側が下に下がる、地面にテンと着くとまた上がって俺達が徐々に下がる、何かテンポが……
ししおどしぃー!
((ぼすーこれ眠るのにいいっすねー))
違うんだけど!揺り籠効果か……
「どうしましょうか?重りでも乗せます?」
うーん……様子見?ヨーンだけならもっと早さも違うはず。
「あーそうですね、姉妹とヨーンなら釣り合い取れそうですね?」
さっ三号!俺がでぶぃとでも!?
「ち、違いますっボスは皆より大きい方ですよね!小型犬だけど……」
そう?太ってない?ダイエットの冬か?
「冬場は逆に太るのでは?」
せやな?
ソロソロ冬に入る頃、寒いけど皆で滑り台で遊ぶ、ヘソ天でカラカラ滑ったり、お座りしたまま滑ったり?たんのすぃー!
「いいなーいいなー私もやりたい!」
「やってもいいですが、体重で壊れたら弁償ですよ?やりますか?」
「うげ!そ、そんな重くないと思うー?」
「ならどうぞ?お試しになっては?」
「うえーん!きゅーちゃん副店長が苛める!」
知らんがな……乗せないよ!
「はっ!冷めた目が!拒否ってるっ」
あれならいいぞ?と前足をシーソーに。
「え!?あれいいの?あれ私の案だよね!アレやっば!天才かー!」
ひゃっほーと言いながら乗るけどケツすら籠に入らない、四苦八苦して戻る。
「今度は人間用作ろうよ……」
「予算外です、もっと稼いだら考えます。」
「こ、これ以上!?……アイデア……アイデア……降りてこい!アイデア!」
一人で降臨祭しててー!
「ああ三号、ちょっと。」
「はっはい!!」
ぬ?……副店長と三号がヒソヒソ……ん?なんやて?恋バナ?……犬が……なんとか?なに俺の話?……駄目だった、何が?
「ピーッ」やめろ!
うおおっ!ヒヨコの襲撃!何が!聞こえちゃうだけだって!耳いいからしょうがないのっ
「ピッピッ!」みみ、つぶしたろか!
ヤーさんじゃねーか!一号の野郎!
「ンミッ!」にぃにいじめないで!
「ピッー!」おにぃがわるい!
「ミッミゥ」そんなことないのー
「ピーィ!」ねぇねはおにぃにくっつきすぎ!
「ミャウ?」なんでだめなの?
「ピッ」じりつした、おんなになれ
「ミゥー」ぴぃはむずかしいこというの
はわわっ!姉妹喧嘩が!やめてーにぃにが悪かったから!喧嘩しないで!
「ピィッ!」ぜんぶおにぃがわるい!あまやかしすぎ!だめなねぇねになる!
そ、そんな……だって猫は
「ピッ!」しゅぞくのせいにするな!
「ンミー!」ぴぃ!みぃおこるの!にぃにはそんけいしないと、だめなの!
「ピ!ピッ!」いつもてきとうなのに!そんけいにあたいしない!
おうーグサグサするよーでも喧嘩しないで!お願い、俺が悪いのっ姉妹で喧嘩は駄目!
「ンミー!」にぃにがあやまるの、おかしいの!ぴぃなの!
「ピッ!」ぴぃは!まちがってない!
「ちょ、猫とヒヨコが喧嘩してる!……きゅーちゃんウロウロするだけ!?しっかりして!きゅーちゃん!男だろー!」
「はぁ男は女が絡むと情けないですね。」
「冷静に分析しないで?止めないと!」
「止めなさい、兄妹喧嘩ですよ、店長が入るともっとややこしいので。」
「飼い主なのにっ……!?」
どどうしよう!ヒートアップしていくよ!女の喧嘩は怖いの!途中で入ると後々粘着テープ並みにしつこくネチネチするのー!でも駄目だ姉妹が喧嘩したらどっちも謝れない気がする!
取り敢えず、グルグル回りながら「きゃん!きゃん!」と注意を引いて……
喧嘩は止めて!二人が喧嘩するなら………にぃに、一人でこの世界を去るよ!
「ミッ!?」おいてかないっていったの!?
「ピ!」ぴぃはここでひとりで、いきれる!
あ?
おん?ヒヨコがナマ言ったぞこら?ちょっと出来る頭を持ってるからってな!いい加減にしよろ?誰が飯出してると思ってんだ?俺がここ去ったらな、ヒヨコの呪い解いてやるよ!健やかに成長してドヤ顔の鶏になるんだよ!そして卵を永遠と死ぬまで産み続ける人生を送るんだ、わかってんの!?ヒヨコで止めてるのはさ、あくまでお願いしたからなの!俺が解いてって言えば解くよな!アドリアナ!
(ま、巻き込み?……まぁ解くけど?)
「ピーァ!」ぴぃが、そのままがいいって、いえばいい!かいけつ!
(ええ?ちょ……冷たい様だけどあたしはみーちゃん派だから、ちょっと……)
「ピ!?ピ!」なんで!?あどりあながだめなら、ぽんこつにおねがいする!
「え……すいません、きゅーちゃん派で。」
…………
「ピャーーーー!」ぜつぼうした!!
ヒヨコは気絶した!
コロンっと気絶したぴーちゃんにダッと近づくみーちゃん、ペロペロして一生懸命慰める、ほらね、みーちゃんはこんなに純粋なんだよ、姉妹でも喧嘩してても気遣えるの、でも頑固だからどっちも謝れないの、俺とみーちゃんの長期戦見ればみーちゃんが!如何に頑固か!分かるだろう、一生懸命、一生!口も聞かなかった可能性が超でかくてー!にぃにが負けたの!
(ヒヨコは我関せずで行きそうだもんねー)
「確かに……独立した女……強いですぅ」
「あれ?何かヒヨコが負けた?」
「負けた、と言うよりイレギュラーな何かが起きたとかでは?猫さんが慰めてますから」
「何、その推理力!?」
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