第113話 色んな所で春待ち

 副店長の恋のお相手が誰か、姉妹と相談、俺には女心なんてー分かんないです!ぴーちゃんが一番近くに居るんだから分かる?


「ピー」たにんのれんあいは、ほっとく


 ええー?興味ないの?俺めっちゃあるよ?副店長も何か人脈多いから分かんないんですけど?みーちゃんはどう思う?


「ンミ?」にぃにがいいとおもったひと?


 それは、俺が副店長のお相手を選んだら良いって事になりますよね!


「ピーィ」うまにけられてしんでしまえ


 せ、殺生な……恋バナなんて女子がキャイキャイするじゃない!何でしないの!


「ピ」しごとしてくる


 ぴーちゃん!!カムバック!!


「触れてはいけない物もアルノデス。」


 ポンコツは呼んでないよ?腫れ物なの?


「運命を操るのは神でもおさわり禁止。」


 な、なんだよ、固いな?いつものポンコツどこ行ったの?迷子なの?


「きゅーちゃん!真面目に神としての助言ですよ?私だって一応神様ー!」


 自分で一応つけるの?



 仕方ない、女子トークに失敗したので、自分で監視しようじゃないか!


(だから!放っておきなっての、余計な手出しはさせないよ?マジで。)


 何でっ俺はただ相手が知りたいだけなのにっ!何でそんなに意地悪するのっ


「ンミー」にぃにーなかないでー


 だって神様がどいつもこいつも見て見ぬふりしろって!別に言い触らしたい訳じゃないのに、酷いよね……にぃに泣いちゃう。


「ンミッ!」みぃがかみさまやっつけるの!


(みーちゃん!?それは駄目よ?犬に騙されてるっ!てか妹使って何してんの!)


 ごめんね?みーちゃん、何か神様からかってみたんだ、何時もの遊びだよ!


「ンミー?ミッ」ほんとう?いじられたらみぃにいうの、すぐにやっつけるのっ


 頼りになる妹でにぃに嬉しいですっ


「ミッ!ミゥ!」そうなの!うれしいの!


(はぁーもう!みーちゃん利用するの止めろ、犬でも容赦しません、みーちゃんに何を言われてもね、こればっかは。)


 観察はいいんでしょ!それも駄目なの!?


(ジロジロ見ない、追いかけない、聞かない、約束出来る?)


 全部やったら俺副店長に抹殺されるし。


(……それもそうだった…………)



 見守るだけならオーケー貰えたので、遊んでる時とかチラチラ見ちゃうと、側で会計のお手伝いをしてるぴーちゃんに睨まれる……


 んだよっヒヨコっ!ヒヨコは知ってるんだ!そうだよ、だからあんなに冷静なんだ!


(つーか、あんた女よりシツコイ性格してる)


 がーんっ!言い返せないっ



「ミィー」にぃにーよーんとあそんでいい?


 確認なんて取らなくていいよ?行っておいで、大丈夫ー見てるから!


 引っ付き虫が一月経過で離れる気になったようだ、背中から降りた後のみーちゃんのぬくもりがなくなって寂しい……ホロリ


(やっは犬が一番女々しいわっ!)



 女々しくて結構さ、これはハッキリ言える好奇心だとね!副店長が片思いだよ?ドSの!


 ……て事は相手はドM!そんなの居たっけな?皆ドMに見えるんだよ!



 ポンコツが側に座る、サボったの?お仕置きされたいの?癖なの?


「きゅーちゃん……もし仮に、きゅーちゃんに好きな人が出来たとして、他人にやいやい言われたいですか?」


 やいやいはやだやだ。


「そうでしょ?それに知ってて変に関わると運命が変わってしまうことがあるんです。」


 え、運命さんって多重人格?


「たじゅ?それは良くわからないけど、人が嫌がる事はやってはいけないんです、お父様に言われました、関わりすぎるな、運命が変わってしまうのだから、と」


 うむ、良く聞くセリフです、ヒヨコさんが言っていた馬に蹴られて死んでしまえって奴ですね、でもさー?関わりまくって来るお前が言うと説得力の欠片もないんだよね……


(それもそーだな、星捨てて来たんだから)


「ひんっ!先輩もきゅーちゃんも酷い!」


 ダッシュで走って行った、まぁ副店長がこっち見てポンコツにおいで、してから、怖っ!



 なあーアドリアナさんよ……


(なによー?センチモード?)


 俺って恋するのかな?したとしてやっぱり犬なんだよね?俺犬に発情出来るかな?


(真面目に下ネタぶっこんで来るな!)


 真面目に聞いてるよ!人間だった時は彼女は二人しか居なかった、でも両方とも俺が仕事を優先しすぎフラれてしまった。経験不足!


 恋をしてみたいとは思うけど、中身が人間なだけに、やっぱり不安なんだよね。


(あーうーん……いっそ中身の人間の人格消してあげようか?)


 おいおい、只の魔法使える犬じゃんか?


(それはそうだけど、恋愛で悩むなら、考えなくもない?犬の人格消すと精神崩壊しそう)


 余計なお世話だよっ悩んでも消そうなんて思わない、犬の本能消えたらマジ消え去りたい!



 遠くで遊んでいたみーちゃんがメテオを放った……ここではない宇宙の何処かに……


「ミッ!」いいかげんにするの!いじめるの、めておなの!


(うおおおおっ!躊躇のちの字もなかった!)


 ほんまやね?俺も突然でビックリ……


 駆け寄ってきて俺を慰める、嬉しいけど、何処にメテオしたの?


「ミ!ミッ」かみさまに!っておねがいしたの!


 そうなんだーでも外れたみたいだね?今度はアドリアナってちゃんと名前覚えないとね?


「ミゥ」そうだったのー


(ぐおー!どっかの神様すいませーん!)


 取り敢えず、みーちゃんのメテオで頭が冷めた、冷静になろうぜ俺、副店長の恋ではっちゃけ杉たわー反省。


(メテオの後の反省とか!とか!)


 みーちゃんがまだペロペロしてくれる、お返しペロペロ毛繕い、ヨーンが集まってきて皆でわちゃわちゃ毛繕い、動物って楽しい!


(全然ほっこり出来ない……)




 副店長の恋バナは諦めて、遊具の具合を確かめよう、トーンカーン、木を切る音、鉄では作らないのかね?サビるから?


 滑り台を作ってる所にトテトテ、親方がまだ沈んでる、詐欺師のトラウマがまだ残ってる様だ、ちゃんと作らないと減給だよ?


「ボスー滑る丸い棒ってこんな感じですか?」


 一号が確認してくるけど、見たことないの?


「えー無いですね?」


 これも時代なのか……平成生まれはこれだからっ!何て思うけど、あれ結構ケツ痛いんだよなー動物用だからそうしたんだけど、失敗したかなー?読んでる人も知らないかも?


 取り敢えず丁寧にスベスベの棒にするのよ!ささくれなんてあったら怪我するからね!


「あいあいさー!」


 あれ?三号が居ないよ?何処に行ったの?サボってるの?


「え?何か用事か有るとかで買い出しに行きましたよ?」


 そーなの……三号は……犬派だったな?もしかして?もしかする?


(またぶり返してんじゃん!諦めろ!)


 はいはいー!!


 

 夜の解放時間にまた来たよ少年王……仕事ちゃんとしてるの?


「ワンコさん、この前ヨーンのブリーダーに会ったんですよ、一杯居ました、癒されました……やっぱりいいですよねー!」


 おう、ヨーンは可愛いぞ?赤ちゃん欲しいんだろ?まだ時期じゃないかもな、春先まで我慢か?


「そうなんです、でも待てますよ、もし良かったらその時一緒してもらえません?」


 良いけど、俺が選ぶんじゃないよね?


「はい、でも相性とか不安で……」


 成る程ーそういえば上級ダンジョンでさー魔法使えるヨーン見たんだ、テイマーの相棒なんだけど、野良のヨーンは結構魔法持ち多いみたいだけど、折角なら魔法使えるヨーンの方が用心棒代わりにもいいんじゃないの?


「ほうほう、そうなんですか?それってブリーダーさんの所で産まれるんですかね?」


 んー分かんない、副店長なら知ってるかも?


「え……あ、そうですか。」


 どんだけ苦手なの…聞いといてあげるよ。


「あ、有り難うございます!」


 と、ルンルンしながら帰って行った。


 春には出産ラッシュかー……子供ヨーンは一度見たけど、全員があんな我が儘な訳じゃないよね…………

 

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