第112話 病はどこから?
拡張した裏庭から聞こえるコーンコーンと言う音を聞きながらお食事タイム、みーちゃん、いい加減降りません?にぃにもう食べてるよ?
「ンミ」おわってからでいいの
んもう、あれからずっと引っ付き虫!とか言いつつ可愛いねー?なんて思ったり?
「ピィー」はたらけ
いや、働く場所ないから!
「ピーピ」ゆうぐのかんし、しといて
あ、はい。
何やらヒヨコさんが俺の上を行ってしまった気がする今日この頃……
真夏が終わって秋のにほいが漂う裏庭でぴーちゃんに言われた監視タイムです。
正直何を監視するのか分からないが、ぴーちゃんが、やれと言うならにぃに頑張る!……やっぱり何かオカシイ!
ぴーちゃん!何故に監視なんぞせなアカンの!?なんか意味ある?コレっ
「ピー」もくざい、ちょろまかしてるやつがいる、かんししろ
あ、え!そうなの!?
「ピィ」さいさんが、あわない、しっかりしろ
あ、はい。すいませんー監視シテキマス。
お店の事務を手伝いはじめてから金にまた執着の拍車が掛かった気もします……大丈夫なんですかね、将来が見えないです!
(取り敢えず目の前の泥棒でも見てれば?)
何処にいんだよー!さっさと出てこいよ!
(って言われて出てくる奴は居ない!)
左様で、監視監視!見つめるよ!熱い目で!もう夏は終わりに近いのにネ!
(ヒヨコに上を行かれたからってヤケ起こすなよー、みーちゃんが見てるし?)
えっ!やだーぴーちゃんの下になったの見てました?恥ずかしい!
「ミィ?」なにがしたなの?にぃにはいつでもみぃのうえなの?
くっ!泣ける!みーちゃんさえ居ればいいよ!俺にはみーちゃんしか居ないのさ!ナマ言うヒヨコめ!鶏にしてやろうか!
(それで困るのあんたでしょ?)
やーねー?本当参っちゃう、はぁー監視……って、今何かオカシイの見えたな?みーちゃんは見た?
「ミ?」にぃにみてたの?
あれ、恋愛ゲーム終わったんちゃうん?みーちゃんがオカシイ……
(監視っていうからあんたを監視してるみたいよ?可愛いの!)
な、何だそうか、って!今!木材、奥の茂みに放り投げてた奴がいたで!?
さっと走って向かう、アイツは……確か大工のおっさんたちが見習いだって連れて来てた奴だよね?見習いが昼間に堂々と盗みですかっ
気づかれないように影に隠れて様子見、見間違いだったら、恥ずかしい!このお店は街の隅にあるから通りを挟んで裏は森になってる、城壁があるからモンスターは居ないが。
親方に指示されながら木を切っている、腕は悪くない、のに見習いか?アレ手慣れてる気がするのよねー?鑑定さん?
名前 なし
種族 人間
性別 男性
能力 詐欺師
あー成る程!詐欺師ね、なんだよー見習いじゃないじゃん!立派な詐欺師だよ!
ダッシュで男に飛び蹴り!みーちゃんが背中から飛んで、ぶっ飛んだ男を追撃でキック!
ゴロゴロとぶっ飛ぶ詐欺師、容赦なし!
「ミッー!」わるものなのー!
ほんとだよ!なんだよ詐欺師って!親方なんで気がつかないの!?
(詐欺師だから?)
ははは、ですよね?
「おおおおい!何やってんだ!犬っころ!」
誰が犬っころだって?あん?詐欺師に利用されてるお前に言われる筋合いはないね!
周囲の木こりさん達もビックリしてるけど
「ボッボス?どうしたんですか!」二号
((ばっか!そいつ職業、詐欺師だったわ!))
「ええっ!?」一号
「か、鑑定ないから分からなかった…」三号
「おいおい!なんだってんだ!てめぇらの遊び場作ってやってんのによぉ!暴力とは頂けねぇなあ!?どういうつもりだっ」
「ちょ!待ってください、親方さん!今の人!詐欺師だって!」二号
「あん?何いってやがる!もう二年も働いてんだぞ?詐欺師ならとっくに逃げるわぃ!」
言い得て妙だな?何で二年も居るの?大工に目覚めたけど詐欺師は止められない!とか過去の葛藤でもあったの?ドラマがあったの!?
(一人で盛り上がるなし?)
「いやいや、本当です、副店長呼んできます!一号、そいつ捕縛しておいて!」
「らじー!」
「ちょっ!待って!副店長は待ってくれよ!」
何で親方まで副店長にガクブルなんだよ。
副店長が裏庭に来て、俺達がヤッタ奴を見て、あらやだ、なんて言ってる、え?
「私としたことが……鑑定し忘れるなんて、許せませんね……」
まさかの副店長のミス……誰も責められないじゃねーか……
「ふ、副店長!そいつぁもう二年も見習いやってんだ!詐欺師の訳ねぇよ!」
「……あら、私の鑑定に反論が?」
「いや……そ、そうじゃねぇよ?」
「そうですね、妙ですね?詐欺師は普通、仕事をすればバレる前に姿を消すはず……だからでしょうね?まだここに居るのは。」
何ですか?急にナゾナゾですか?
「そうだろ?だからそいつはみ
「親方さんが見抜けないからまだ居るんでしょうね?カモですね?」
「え……」
おおーと皆で納得してしまった。
取り敢えず、この詐欺師の男は親方がどうしても納得いかないと言って聞かないので、今までの盗まれた木材やら、物品費用を親方に肩代わりしてもらう事になった、何でそこまで庇うんですか?その背景のドラマ聞きたいっす!
「おめぇ……今まで真面目に仕事してたとおもってたのによぉ、何で詐欺師なんてやってんだよ、お前が大工の仕事を楽しいと思ってるならよお?本当の大工の見習いにしてもいいんだぞ?どうなんだよ?」
「何でって、詐欺師だから俺。」
一行で終了、親方の熱気が一瞬で冷めた。
「ただの犯罪者じゃねーかっ!!」
だからそうなんだって……
「ふざけるな!こんな奴さっさと警備に渡しちまえ!二度と顔みせんなよぉ!」
まぁ牢に入ったら見せないけどね?
(ちゃちゃ入れんなし)
「あのー副店長?ご気分でも悪いんですか?」
「何故ですか?普通ですけど?」
「いや、なんかミスがらしくないなって?」
「……私だって人間ですよ。」
「やややっ!そういう意味じゃないです!」
「……ただ最近はヤることが多くて少し疲れてるだけだと思います、私の心配より遊具の心配をしなさい、動物に怪我をさせない様にちゃんと作りなさい?親方もですからね?」
「はいっ!」「へいっ!!」
んー……実は鑑定では病気らしいんだけと、見たことない病名なんだよな?内緒でヒールやらキュアやらしてるんだけど変わりがない、はて、困ったどうしよう?魔法はイメージって言うし、この病気自体を知らん、どういう経過で治すのか分からねぇー!
ポンコツ君ー!たすけてよー!
お店の中に居たらしいポンコツがダッシュで此方に走ってくる、はよはよ!
「はいはいー!きゅーちゃん!何ですか?」
聞いてよポンコツ君、ヴィオー病ってナニ?
「はい!この世界の事は知りません!」
使えねーな!さっさと机に帰りなっ!
「は、はいー!」
「……ワンコさん?何してるんですか?」
ビクッ!みーちゃんが背中をギュとしてくれる!よし!副店長なら知ってるはず!
(駄目ー!絶対駄目ー!言うな言うな!)
な、何だよ、みーちゃんの応援があったのに台無しだよー!何で駄目なん?
(治せないの!それは治せないの!言うな!)
え?ええええええっ!?不治の病!?
う、嘘だろ死んじゃうの!?知り合いが死んじゃうの見るのヤダ……!
「ンミィ」いっしょなら、のりこえてすすむの、ちよちゃがいってたの
うん……でも早いよ早すぎて準備が……
(ちょお、待ち、何か勘違いさせたごめん!)
……え?何が?何処が?勘違いした部分を詳しく三行で。
(ごめん、て、キレるなし、いきなりだったからこっちもビックリしたんだよ!)
何がいきなりだよ!団子でもぶつけてほしいんか!俺達の心を揺さぶりおって!
「ミィー」かくごしたのー
(ほ、本当にごめんね?だって聞いても驚くだろうから、ちょとね……)
ド、ドッキリですか?カメラどこ?やだブラッシングしないと!ポンコツ君!
(だから!違う!呼ぶな危険!)
来そうになってたので、お座りさせとく、事務のイスに座ってるだけだけど。
何だよもったいぶって…やーね?この神様、イタズラに心を操ろうとしてるのかしら?
「ミゥ」いじわる、きらい
(……待って、聞いて……分かったから聞いて?ヴィオー病ってのは恋の病なの。)
なんて?
(だから、恋の病……)
りぴーとあふたみー?
(分かんないけど、恋の病!)
副店長が誰かに恋してるっての?
(そーいう事!だから言わないで!って)
ハッ!隠れ俺のファン!ま、まさか!
(それは違う、ファンと恋は違うから?)
何が違うんだよ!ファンってのはな!恋に落ちるからファンになるの!居たよ!?変態が俺の彼氏になってって人間が!!
(そ、それもそうだけど!これは違うんだよ、相手も分かってるけど言えない、あんた絶対やらかすから!運命は変えちゃ駄目なの!)
真面目におこ、何かすんません?
(分かればいいの、いい?ヴィオー病って事も言っては駄目、ヨンセンの神、アドリアナの命令です、犬に姉妹、そしてポンコツに。)
ん?何か頭の中でカチッと鳴った、何したの!超こあい!脳ミソ弄った!
「ミッ!?」のうみそぱーん!?
(ポンコツなんかは特に危ないからね、言えない様にしただけ、それだけだからみーちゃん、大丈夫よ?言わなければ良いの。)
「ミィ?ミー」わかっててもいわないのー
(妹のが、良く出来てるよねあんたの所は?)
へへへ、そーっすね!?
ってまさかの副店長恋の病……お相手も謎!ドキドキする!違う意味で。
(分かるけど……)
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