第66話 いざラスボス!

 よく寝た、姉妹はまだ寝ているがボスの前に準備体操ー。


「ふにゃーきゅーちゃんおはよぁ」


 珍しい早起きだな?


「うー……ボスだって夢の中で先輩に怒られましたー……」


 やだー夢にまで出てくるとか!ナイトメアも真っ青!


(緊張感しろ……)


 してるしてるーおいっちにーさんしー。


「まだ眠いですぅ……」


 中途半端に起こすからだよ、二度寝してすっきりさせとけー


「あぃーむにゃー……」


(おぃー……)


 今は人間なのよー!寝ない神様とは違うのよ!そういう所良くないよ!?


(うぐっ……わかったよぅ)



 一時間程で皆が起きたので朝食の準備、腹ごしらえが終わったら体を温める体操ー。


 ぴーちゃんがバタバタしてるようにしか見えないが、やってるんだろう、と信じたい。


 

 そう言えばぴーちゃん、作戦は考えた?


「ピピ!」ぬかりなし!


 おお、天才のヒヨコが火を吹くぜ!


「えーとどんな作戦なんですか?」


「ピピー!」ぜんりょくまほうぶっぱ


 成る程ガンガン行こうぜ!ですね。



(完全に壊す気満々だろ!ヒヨコぉ!)


「ピーイ」こわれても、ほかが、あるもの


 だよね、ここだけじゃないしね。



(ああっー世界が悲鳴を上げている)


 嘘つけよ、そんなんで止まらんよ?


(少しはあたしに同情してよ!)


 同情するなら世界よこせ!


(ネタがわかんねーよ!)



「ミィーンミ」せいしんとういつなの、かみさま、うるさいの


(あ、あたしだけっ!?…………)


 にぃには強し!


「何の魔法使おうかなー……」


「ピ」ぜんりょくでけっかい、ばんぜん


 ぴーちゃんはまだ慣れてないからいいけど、何時かはちゃんと使うのよ?


「ピィ」だれかがやればいい


 とんだぐーだら娘っ!!



 相手は飛ぶんだろ?空飛ぶ犬かムネアツ


「飛べる魔法はないですぅ」


 殺生なっ!!


「ピッピ」そざい、なるべくおおいのがいい?


 そだねー?宝石買えるかも?


「ピッ」とべるきがする!


 鶏もヒヨコも飛べません。


「ピッ」がーん!


(あんたなら飛べるでしょ?ミネルバ)


「な、何で言うんですか!!」


 ……やる気なかったなてめぇ


「だって怖いですぅー!」


 怖がる奴に任せていいと思う?やらかす気がするんだよね?


「ピピィ」ひゃくぱーせんと


 よって却下します!


「ホッ」


 要はアレだよ飛んでる生意気な奴は落とせばいい話よ、チョロいね。


「ピッ!?」はっそうがすごい!


 だろだろ?重力魔法があるって事はそういうこった、精々地面でも舐めるがいいわ!


(こういう時には悪役なんだよね…)


「地面に落としたらどう止めを刺すんですか?素材大事なんですよね?」


 クッ!大概の生物はな脳ミソパーンしときゃいいんだよ。


「……おお、怖いきゅーちゃん…」



 皆準備出来ましたかー?


「ンミゥ!」やるきぜんかい!


「ピィ!」まもりにはいるきぜんかい!


「大人しくしてますぅー」


 だらしねーな……俺とみーちゃんだけじゃんかっ!!


「ピィ」しょうがない


 おう、そうだな、みーちゃん、重力魔法つかえるよね?


「ンミッ」できるの、ぜんかいっ


 おーけー、落ちた奴は俺が脳ミソパーンするから、ポンコツは万が一を考えて一応魔法の準備しとけよ!


「あいあいさー!」


 では!いざ参る!!


 トテトテ十階の階段を上る、大きなドアがある、生意気ー!


 せーので皆で押し開ける、ギィと扉が開くと大きな空間に、グリフォンが立っている。


 中級のボスでグリフォンもどーよ?


(えー?駄目かなー?)


 ハードルは高いな、通りで長い事ボスを倒す事がなかった様子。


(うーんそんな簡単に攻略されても困るし)


 まぁ、いいや俺たちがやっつけるから。


 ドアがバターンと閉まる、成る程ー生きて帰るか死んでスライムさんに掃除されるかの二択な訳だ。


 グリフォンが動き出す、バサバサと飛ぶ、上昇していくのを見ている、天井に近くなった所で、みーちゃん!


「ンミーッ!!」ぜんりょく!じゅうりょくまほうなの!!


 グリフォンが重力に負けて下に降下してくる、それでいい、ざまぁの時間よ?


 ベチャっと地面に落ちた所で、全力ブッパ!雷魔法!サンダー!!


 精密に脳天に直撃!


「グルゥウッ!!」


 ん?足りませんか、連続で雷ブッパ!死に晒せやっー!!


 地面でももかくグリフォン、バリバリ雷が脳天に直撃しまくる度に弱々しくなっていく、もっとだな、オラオラオラ!バリバリバリっ!


「グゥー…………」バターンともがいて、倒れた、どうだ?


(あーあ……死んじゃった……とっておきだったのにー!)


 知らんがな、ボスの運命だろ?


 近づいてベシベシと確認、身動きも呼吸もしてない、完全勝利ー!!


「ンミー!」やったのー!


「ピッ」あんまりけっかいの、いみなかった


「ほわー!!凄いです!!」



 イソイソと死んだグリフォンを収納、後はギルドに持っていって解体だ。


 ほんと馬鹿チートは優秀だぜ。


「そうですか!へへー良かった!!」


 お前は誉めてない。


「…………ですよねー。」



 で!ボス倒したしお宝ー!


「ミッ!」おたからなの!


「ピィ!」ほうせき!


「ふあー服とかいいなぁー」


 お前は…一枚くらい買ってやるよ


「わーやった!」



 …………あの、お宝


(やっぱ……ひ、必要だっだ?)


 初心者の時報酬がって言ったよね??みーちゃんメテオしていいよ。


「ンムミ」むんーめて


(ストップー!) またかよ?


 俺以外皆止まってる、二本足で立ち上がりおらになんとかーポーズで止まってるみーちゃんを見てほっこり。


(ほっこりしたいけど!最早みーちゃんの躊躇なくてビックリだよっ)


 いやいや、ビックリすんのはこっちだよ、一般的にはグリフォンなんて奴はそら高級に居ても可笑しくない奴だぜ?ここに入ってクリア報告がないのがいい例だ、小人の正解なんて出来る奴は出来る、金の計算しないといけねーからな、ある程度覚えるだろ?


(あっ!そ、そうなんだー……)


 生存報告がないのもしょうがねぇ、もしかしたら、だがもうクリアしてる奴は居るかもしれん、上級に飽きたベテランとかな、でも倒して報酬なし?これだけの相手に?生きるか死ぬかの勝負になにもなし?上級もそうな訳?


(いやーそれはない……いや確かに最初は置いてなかったよ?ドラゴン倒すとか思ってなくて、でも勇者が倒してさー言うの、制覇の宝が無いなんてやる価値のないダンジョンだって、言い触らして!それで人減ってスタンピード起きちゃうし!勇者ってほんと失礼!)


 何逆ギレしめんの?キレたいのはこっちだよ、ここ制覇した奴はそれ知ってて敢えて言わなかったんじゃねーの?ダンジョンにお宝が待っている!なんて嘘でしたってな!!二の舞だよ!?スタンピードの二の舞!初心者ダンジョンの繰り返し!?


(ほっんとにすいませんでしたっ!!)


 ぽわーと目の前に宝箱……いや、そういうのは皆が動いてからにしろよ。


(中身はギャンブル方式だからしらないし見ないけど……メテオ止めてー!)


 仕方ないなー宝箱と止まってる皆をズズズと一纏め、皆を触って、ほらオーケー!


(いや、それ逃げる気なんじゃ?)


 そりゃてめぇが悪いのよ、これはしょうがなかった、そういう事だよ、教訓って奴?


(教訓!試練!ああっ神は私を試している)


 馬鹿言ってねーで動かせよ!みーちゃんにメテオの一つ位撃たせてあげたい親心とか!お前にはないの!?駄目っていった後のうるうるした目でなんで?って!見られる俺の気持ち分かる!?可哀想だろうがっ!!


(そ、そうだよね……何であたし我慢ばっかさせてたんだろう!行っちゃって!みーちゃん!盛大に!そして喜んだ顔を見せて!)


 時が動く、みーちゃんが最後の「お」を言って発動確認後お店の小屋に転移。


 


 その日、町に居た冒険者達が見たのは中級ダンジョンのとある場所にピンポイントに降り注ぐそれは綺麗なメテオだった。




(おいぃ!オカシイ!見てない!崩壊!)


 いやー他巻き込むのもアレだし、事前にメテオはボスの部屋にピンポイントにしてもらったんだよねー万が一って奴よ、備えあれば憂いなし?アレアレー


(乗せられて!つい許可した馬鹿なあたしは自業自得だけど!みーちゃんがメテオ見てないじゃん!!)


「ミィ?」ふはつだったのしかたないの?


 落ち込まないで?失敗の次は成功するって決まってんだ、大魔法は難しいんだね?


「ミ?ミッ!」そうなの?みぃつぎはがんばるの!!


(なんて巧妙な洗脳!!)


 はっ!崩壊したダンジョンでも眺めて反省しろ!馬鹿め!


「ピイ」じじょうはわかった、ねぇね、どんまい、つぎはせいこう


「ミッ!」ぴぃ!ありがとなの!


(ヒヨコぉ!察し過ぎる!悔しいが天才!)

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