第65話 猫とヒヨコの真剣勝負

 八階を殲滅したので、階段を探す、けどないよね?もう同じとこ回ってる。


「うーん、なんででしょう?」


 俺の台詞だよ、見逃してない?


「ジックリ!見てます!」


 って事は?ダンジョンなんだから仕掛けかもしれないな。


(正解ー!普通はパーティーに盗賊系入れるんだけどね、ミネルバ居るから?)


 ポンコツと交代で雇うかな?


「ペットを捨てないでください!」


 はいはい、嘘でーす。


 壁だこういう時は壁に何かある!


「ンミッ」さがすの


「壁ですかー!成る程ー……」


 色の違う壁をぺちぺち叩いてみたりキックしてみたり、音の違いを探していく。


 ちょ、ぴーちゃん離れすぎー!


「ピ?」ここなんかちがう


 えー!マジか


 トテトテ向かうと壁を調べる、うーん?何もないよね?


「ンミー」ないの


「ないですねー」


「ピーィ」かべじゃない、ゆか



 ……何で最初に言わないの?


「ピー」こっけい


 どうしてそんな言葉覚えたし!何でそんな性格になったの!!


「ピィ?」かみのみぞしる


(……いやいや知らないからっ!)


 なんてこった、ぴーちゃんがひねくれた性格になってしまった!にぃに悲しい。


「ピョ」うまれつきはしょうがない


 違う、ポンコツの環境のせい。


「えっ!そ、そうだったんですか…」


(違うから、生まれつきだよ!)


 はぁー床ね、床……ん?近くで見ると赤い点がある、カリカリしてみるが取れない。


 三匹で乗ってみる、何か違う。


 ここは人間のダンジョンだ、ポンコツが乗ればいいんじゃねーの?


「あ、はいー乗りますぅ」


 トンと乗った瞬間、ゴゴゴゴと遠くで音がする、階段かも!ぴーちゃんナイス!


「ピ」さいのうあり


 その才能の伸ばし方いいんだろうか?


「ミィ?」いかないの?


 行くよ!ごめんねー教育に悩んでしまう!みーちゃんはこんな純粋なのに、どうしてこうなった?


「ピイー」しゅぞくのちがい


 否定できない、ドヤ顔のトサカ頭の顔が思い浮かぶ……そういう事なの?……


「ピッ!」だんこきょひ!


 分かってるよ俺だってやだよー!


 階段は下の階段のすぐ側に降りてきてた、性格悪いな。


(あたしが貶められてる気分……)



 九階の階段を上がる、何かそろそろ警戒レベルあげた方がいいかも?


「そうですか?……あ!何か居ますね遠くに大きい反応が」


 えー?九階でボスとか滑稽な事やめてよ、ほんと性格疑うわー!


(違うし!)


 言質取ったなりーボスじゃないって。


(やっぱおまえの影響だよ!!)


 


 大きい反応とは?んー何だろな?大きい、大きなスライムさん!


「違いましたねー」


 冗談だよナニアレ?小人さんが居るんですけど?俺だけに見えてるの?


「ミィ」みえてるの


「見えますねー何であの体で大きな反応が有るんでしょう?」


「ピ!」きょだいかする!


 成る程!納得!はよ大きくなーれ


(緊張感もう少し出してくんない?)


 小人にどうやって緊張感出すんだよ、出してる方が不思議だよ。



((問題です))


 小人が喋った、何か緊急事態ですか?


((一たす二はなんでしょう))


 三でしょ?


((二たす十は何でしょう))


 ……十二でしょ


((いま何問目でしょう))


 ……それ早くない?三問目


((全問正解です、おめでとう御座います))


 ……ナニガ?


 小人の後ろの壁がゴゴゴゴと開く、その先にあるのは階段……


 なんでやねん!パーンと小人を突っ込む


((………………))


 こいつ……固定されてる。


 何処の馬鹿なの?ボス前でこれって?どういう神経してんの!?


(馬鹿言うなー!冒険者は大概馬鹿なの!)


 言ってるよね?


「ミァ?」もう、ぼす?


「あっけないですねー」


 お前はだったら答えられなかったろ?


「……二問目が難しいでした。」


「ピ」やっぱばか


 神経的に疲れたわ……一泊しよう、もうボスっぽいし、アレだろ?何だっけ?


「ピーィ」どらごん


(グリフォン!)


 さて、敷物敷いて、ごはんとおやつ、お泊まりだから毛布一杯!快適快適。


「ほかの冒険者は来ませんかね?」


(九階に誰か入ると階段が出ない仕組み)


 ほうほう、なら邪魔は入らないや、皆まったりしようぜー。


(緊張感……)



 あっ!そうだ、おやつ以外にも大事な物があったじゃまいか!


「なんですか?」


 これだよこれー召喚ー!ぽ(略


 ホワンと出てきたのは……


「ンミッ!!」みぃのおもちゃ!


 そうー!猫じゃらしー!


 んでもう一回召喚ー!ぽ(略


 と出てきたのは小さなボール!


「それは何に使うんですか?」


 これはぴーちゃんの遊び道具!


「ピィ?」それでなにするし?


 コロコロ転がすの。


「ピ?」それだけ?


 ……うん。


 コロコロコロコロ……ピタ。


「ピ」つまんない


 ううーっ!鳥の玩具少ない!!


 みーちゃんが小さなボールに興味津々、小さいお手でコロッパシッ!コロッコロコロ。


「ミィー」たのしいー


 それ一応ぴーちゃんのだから……


「ミゥ」ごめんなのぴぃ


「ピピ」いっしょならおもしろそう


 賢いヒヨコだよ……


 ここはダンジョン、広さは問題ない、二匹でボールをコロコロしながら遊んでる、うーん?何かサッカーみたい……!


 召喚ー!ぽ(略


 玩具用サッカーゴールー!


「ミ?」「ピィ?」


 これをこっちと、あっちに置いて、お互いが反対側のコレに入ると勝ち!


「ミッ?」しょうぶなの?


「ピッ」やるならぜんりょく


 お互いが真ん中に集合、ボールを置いて……キックオフー!


 みーちゃんとぴーちゃんの本気の闘いが始まった!頑張れ!


「頑張ってー!」



(ダンジョンっ!!)



 みーちゃんのが体力面とかで有利かと思いきや、ヒヨコの小ささを利用してボールを掠め取る、みーちゃんキョロキョロ?嘴でボールを転がすぴーちゃん発見!追いかけるが、すり抜けられるっ!みーちゃんの死角をついてコロコロ、みーちゃん止めに入るー!だがみーちゃんの体の下を潜ってゴールに向かう!しばしみーちゃんボールを見逃す!気がついた時にはボールはゴールに!ぴーちゃん勝利!


「ピー!」かちどきじゃー!


「ンミゥ!」まけたのーくやしいの!


「ピピーピ」これならたのしい、ねぇねとしょうぶ


「ンミッ!」つぎはまけないの!



(ダ、ダンジョンーー!!)



 遊び疲れた姉妹を寝かせる、中々熱い戦いだったぜ!


「面白い遊びですね?これも地球の遊びですか?」


 せやで、物を使わない、なつい遊びもあるし色々考えよう。


(もういいわ……)


 夜のご飯を食べて就寝、モフモフの毛布を山にして三匹で寝る。


 側でいいなーって目で見てるポンコツを無視、毛布に丸まって寂しく就寝。


 充実した一日だったな!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る