第62話 中断して観光

 んーさて、これからどうしようか?もっと進んで見る?


「ミィ」いけるのー


「まだ二日ですし、もう少し進みますか?」


「ピ」どっちでもいい


(丁度良い魔道具見つけたんだからいいんじゃない?)


 ……何で帰らせようとしてんの?


(……これ以上壊されると修復が……)


 ……んだよパパっと直せないの?


(無理なの!抑えて進むなら良いけど自信あんの!?)


 さあ?


 つか、都合の良い道具は出たけどヤラセじゃんか?自然現象とか言っといてー。


(自然だよ、あったの見つけたから、だから誘導したんじゃん!)


 元々あったの?


(そうなのーだからちょっと副店長を誘導してみたんだけど……)


 お、お前死ぬ気か!


(ヒヤヒヤしたけどね、みーちゃんの為だから仕方なかった。)


 ならいいや


「どんだけ愛が深いのですか……」



 じゃ帰ろうかー?ボスにでも会いたかった気もするけど。


(今のあんた達じゃ無理かも)


 馬鹿チートなのに?そんなに強いの?


(そりゃ強いよ?でも馬鹿チートなら倒せると思うんだけとさー、連携がてんでできてないよね、個人行動多すぎ。)


 そ、そーですかね。


(馬鹿チートでもある程度連携しないと、ボスって素材も貴重だから、お金にしたいならもっと慎重にやんないと消滅だよ)


 さいですか……ぴーちゃん作戦担当出来る?戦闘は参加しなくていいけど。


「ピイー」ボスしだい、かんがえる


 ふむ、どんなボス?


(言うのもアレだけど、グリフォンだよ、石化攻撃と空飛ぶから厄介。)


 おーわしじゃ!ぴーちゃんに詳しく説明しといてー。


(もう、神の領分越えてるよ……でもなー!みーちゃん戦いたい?)


「ミッィー!!」やるの!!


(おっけーじゃそういう事で)


「先輩……堕ちないか心配ですー」


 犯罪は、見つからなければ、良い。


「犯罪!だめですよー!」


 永遠に口封じしてやろか?


「バレないならいいとおもぃます。」




 帰りは六階の魔方陣で転送、一度来ればここからまた進めるらしい。


 入り口に転送された。



「あ、あれ早いですね?やっぱりキツかったですか?」


「えっ!ままあまあでした……」


「そうですか……何でもダンジョンに異変があったらしいので当分は閉鎖です。」


「えー?なにが有ったんですか?」


「モンスターの壊滅、そして謎の階段の変化です、調査が入るのでそれまでは。」


「壊滅……階段……な、成る程大変ですね!早く解決したら続きしたいので。」


「そうですねー……ホントに大丈夫でした?異変は。」


「はい……多分通りすぎたあとなんだと」


「そうですか、良かったです、もう夜なのでお早めに宿に戻った方がいいですよ。」



 親切やな、無愛想じゃなくて良かったわ



 宿に着いたら何だか疲れが一気に襲って来た……寝ようか?


「ンミゥ」ねんねー 


「ピー」らくしてたから、でもねる


「ふぁいー寝ましょうー……」



 ピピッと鳥の声で起きる、ぴーちゃん?は寝てる、皆寝てるか。ふぁーまったりしよ。 


 一時間後みーぴーが、起きたので朝食、ミネルバはまだ寝てるよ……飯抜きな。




「きゆーちゃん……お腹減りました。」


 寝坊の癖に贅沢だな、干し肉でもがじってろー、帰りは転移だ楽々ー!


(やや、まだ帰らぬ方がいい、店員とかに不審に思われるジャン)


 ぬ?そうか、片道が、長いから今帰るのは不味い……観光する?


「ミッ」するの!


「ピ」ねてるー


「買い物!いいですね!」



 五千で何が買えるの……


「み、見るだけならタダです……」


 そうだ、その前にギルドじゃん、報告と報酬出るかも!


「!はい!」



 ギルドに着いたら冒険者がワラワラ、ダンジョンが閉鎖されてるからなー暇なんだろ。


 受付に行くとご用はーと、ご用、帰りました的な報告?


(ギルドカードにそれぞれ倒したモンスターが、記載されてる、はず、見せてみればわかる、けど、やり過ぎたしな。)


 ええい!金の為よ!見せるのよ!


「あの、ダンジョンに行ったんです、それなりに、倒したので見てほしいんですけど。」


「あら?閉鎖前に行ったのね?ではガードを見せてください。」


 四枚のガードを見せる。


「え?四枚?」


「はあーきゅーちゃん達が倒しました。」


「はあ……きゅーちゃんとは?」


 ヒョイト持ち上げられる、受付のおねいさん困惑。


「えーと……え?動物冒険者……ほんとに居たんですね……」


「で、では確認します。少々お待ちください、お掛けになって?」


「はいー。」


 報酬かー……結構倒したけど雑魚ぽいし期待は、薄いかな?


 受付がザワザワ、何だろう余程動物冒険者が珍しいんだろう。


 ここのギルドは勇者症候群が居ないから睨まれる事もない、ちょと観察しようか。


 みーちゃん!にぃにから離れたら駄目なよ、お持ち帰りされたらどうするのー。


「ンミ」てんいでもどるのー


 おう、ちゃんと覚えてる!でも駄目、変なのに触られるよ?変態居るかもよ?


「ミッ!」へんたいはきけん!


 背中に乗せてうろうろしてみる、たまに俺達に触ろうとするが威嚇する、触りたいなら金だしな!


 受付の横にバーみたいな酒場がある、皆そこで飲んで食ったり騒いでる、ギルドって感じーなんか美味しいのありますか?


「……な、なんだよ?見られてもわかんねーよ……」


 マスター困惑、そうっすね、ポンコツ!


「はいー!」


 何かペットでも食える美味しいのないか聞けよーお酒も飲みたいけど、こっそり飲むしかないよね……


「あの、きゅーちゃん達が何か美味しい食べ物ないですかって?」


「……あんた何で動物の言うことわかんだよ?ほんとにいってんのか?」


 テイマーだから、でいい、思えばその方が妄想癖になる必要なかったな。


「成る程ー、テイマーなんです!」


「何が成る程なのか分からんが……ペットの餌なんて置いてねーよ。」


 チッ!


「犬が舌打ちした!?」


「ははっ!良くあるんですぅ……薄味にした食事どか……」


「いや、ペットに出すもんはねーって」


 んだこら?薄味に文句つけんのか?あん?ピョーンとカウンターに乗ってペシペシ叩く、出せんだろ?文句言わずに作れや!


「なっなんだよ?威嚇すんなよ、ねーちゃんテイマーだろ!大人しくさせとけよ!」


 こいつはペットなんだよ!俺達が飼い主なんだよ!


「そうです!私はペットで飼い主はきゅーちゃんですから!」


 ザワザワ


「え……テイマーがペットのペット……」「テイマーってそんな職だっけ?」「女が何かおかしいんじゃないか?」「あー」


 結局テイマーでも妄想癖に見られるって教訓ー、おい親父ーはよ出せや?


「意味がわからねぇ……犬も止めないし……」


「マスター私作ります、ペット飼ってるから」


「ん?おおそうだったな、じゃあ頼むわ」


 出来ない親父より出来る女!


 みーちゃんがイソイソ背中から降りたので、一緒にお姉さんにありがとポーズ、両手を合わせて上下にするアレな。


「うわー可愛い!感謝されてる?嬉しいなー美味しいの作るから待ってて!」


 せんきゅー!親父は睨んどく。


「わ、悪かったよ……睨むなよ!」


 遠くで受付のおねいさんが俺達呼んでる、ポンコツーいってこい!


「はーい、行ってきます!」


「マジ使われてるし」「あんななら俺テイマーはしたくない」「いやいや、ペットが見るからに賢いんだろ?」「飼い主がアレだから、アレになった?」「それなら納得」



「あら……ペットさん達は?」


「酒場で食事ですー」


「……あなたに説明するのね?分かったわ」




「はいーどうぞ、熱いから、猫ちゃんのはふーふーしましょうねー?」


 焼きたての鶏肉っぽい匂い、おお旨そう!でも熱いしみーちゃんより先に食べんのは嫌なので待ってる。


「犬君は平気じゃない?そこまで熱くしてないよ?」 フルフル


 みーちゃんを見つめる、みーちゃんは目の前の食事に釘付け。


「もしかして待ってるの?」コクコク


「うわー凄いね賢い!分かるんだーうちの子全然言うこと聞かなくて……」


 コクコク ペットのなんて普通はそんなもんよ、気にするな。腕をポンポン。


「うわー冒険者ペットってこんなに頭いいんだ、うちのは無理だなー……」


 登録やんて俺達だけじゃないの?テイマーがするのかな?


「ミィー」さめたのー


 さよか、ほれ食べなさい。


「ンミ」いたたきますなのー


 小さなお口で小さくカットしてくれたお肉をはぐはぐ食べるのを見てほっこり。


 お姉さんもそれ見てほっこりー。



 じゃ、俺も食べますか、ングングハムハム、んんージューシーで柔らかい!味も丁度良い、お姉さん天才やな!


「ははっ何か誉められた?」コクコク


「もー可愛いんだからー!」




「やっぱ天才犬!可愛いー」「俺は猫だな……なんか胸が暖かい」「両方見るともっといい」「いいなーあんな賢いならテイマーで飼われてもいいかも……」



「きゅーちゃん!お金貰えました!」


 さよかー食事中です静かに。


「す、すいませんー」


 明細貰ったか?


「明細?あー要るかどうか聞いてましたけど要らないかなって。」


 ばーろー貰ってこい!ポンコツ!


「はいいいー!」


 ったく使えないポンコツだぜ。


「凄い通り越してる……調教だね…」


 そうなんだ、ポンコツの調教は大変なんだ、マジのポンコツに会ったことある?早々ないだろ、もうね、大変。


「ため息とか、苦労してんだね。」



「明細もらいましたっ!」


 宜しい、そこに置いて食事でもしてろ。


「いいの?きゅーちゃんありがとう!お食事ください!」


「今度は人間ようでいいんだろ?はぁ」


「ンミ」おいしかったのーぺこりー


 うむ、余は満足じゃぺこりー


「ふふっはい、ありがとねー」


 伏せるとミーティングが背中にヨジヨジ、俺は明細を見る、ふーむ、合計が十万だ、これ妥当?


(妥当かなー多い方だよあれだけ殲滅したんだから……)


 成る程、でもまだ核は売っていないから結構儲かるんだな、金欠になったら殲滅するか。


(程々にしてよー!ちゃんとルールあるんだから、程々に残すの、ポップが六時間設定だから!)


 長っ!一時間でも良くない?これだけ冒険者が居るのに六時間て!スタンピードの心配してんの?これだけ毎日居たら早々起こらなくない?上級じゃあるまいし。


(え、そ、そうかな?でも確かにそうかも?うーんどうしよー……じぁあそれで試してみようかな。)


 儲けのないダンジョンに人は寄り付かないぞ、そういうの考えろよー、初心者ダンジョンがいい例だよ、結果スタンピードだろ?


(そ、そうだよね!反省します……)


「んぐんぐ、先輩ーきゅーちゃんに操られてませんか?」


(お前に言われたくねーよ!)


「私は操られてないです!飼い主の言うこと聞いてるだけですっ」


 それを人は操ると言う。



「独り言半端ないないね、テイマー以前の問題だったんだ……」

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