第61話 ヤラセはせん!

 五階の森が消失して見晴らしが良くなったので階段は直ぐに見つかった、いえー!


(もう!手加減覚えろお!)


 すんませんー慣れてなくてー


(慣れる努力してないだろ!!)


 面倒で、文句はポンコツに。


「ふぇー!何かすいません!!」


 やっぱりみーちゃんには伸び伸び成長してほしい、そう思わないか?


(思いますー!)


「先輩!?」



 さて、六階に行くか、みーちゃんあれなら登れるんじゃない?


「ミッ!」やるの!


 二本足で立って丁度真ん中位だ、丁度いいかもしれない。


 体力や力もあるのでもちゃもちゃと階段を上がっていく、おおっ!すばらすぃ!


(凄い!みーちゃん凄い!)


「ピー」それでいいのか


 お黙り!成長の証よ!


「ピィ」せったいきょういくは、よくない


 反論出来ないが無視しよう。


 頑張っているみーちゃんに合わせて階段を登っていく、さて、六階はなんだろ?



「ンミー!」のぼったのー!


 偉いで!成長の証よ!良い子良い子!


(階なんてどうでもいい!達成感!)


「むー親バカすぎますぅ……」



 ガシャガシャ音がする、何か来てるけどポンコツ殺っといてー。みーちゃんに忙しい。


「うええっ!?えと、あれはリビングアーマー!どうしよう……魔法効かないですぅ」


 もう!役立たず!!


 飛び蹴りで十分だろぉー!死ねや!


 ガッシャーンと崩れる、よし!


「駄目ですー復活しますー!」


 何でだよ!どこ攻撃すんの?空っぽの脳ミソなの?中身のないポンコツな鎧なの!?


「鎧の中に核があるんですーそれを破壊するんです!」


 中に?やだーキモィ


「ミイミー!」みぃがいくのー!


 ちょ!みーちゃん!?


 半分開いた頭の鎧にスッポリ入っていく!いやー!中に臓器あったらメテオ許可。


(ないから!からっぽだから!)


 再びピョーンと顔から出た瞬間鎧が崩れる、お口に何か光るものを咥えている、あれが核ってやつ?


「す、凄いです!あっさりと!普通は鎧ごと無理やり壊すんですけど、みーちゃん小さいから出来たやり方ですね!」


 妙に饒舌じゃない?


(あいつの核って早々綺麗に取れないから高く売れるんだよね。)


 みーちゃんの活躍より金か!膝蹴り!


「はぐんっ!!いったいー!なぜー!」


 黙れ!ポンコツ!


「ミァー!」きれいないしなのー!


 本当だね!みーちゃんの宝物にする?


「ミ!?」いいの!?


「えっ!!売らないんですか!?」


(ちょミネルバ?黙ろうか?黙らせようか?どっちがいいよ?)


「黙りますー!」


 あの小ささでは俺が頭から入るのは無理だな、ぴーちゃん、やってみない?


「ピー」やだー


 誰に似たの!そのぐーたら!


「ピ」おにぃ


 俺こんなぐーたらしてたの……


「ンミッ!ンミッ!」キラキラ一杯!取ってくるの!にぃにとぴぃにお土産!!


「わたしは……っ!いらんです!」


(それでいい……)


 強欲なペットとか要らんのよ?


「そんなつもりじゃ無かったのに!」


 何でそんな金ほしいんだよ?


「だって……いずれはマドロンさんのお店に居られなくなるでしょう?メグちゃんは理解してくれてたけど……ここではそうじゃないです、金に変えれば何処の世界でも大抵役に立ちますよ?」



 ……そ、そうかーそうだよね!中々出来るペットだな!


(あんたもたまには真面目に考えるんだ)


「普段の印象悪すぎるぅ!」


「ピィー」それはじごうじとくだし


「ふぇー言い返さないーすいません!」




 六階はみーちゃん無双で沢山の核を取ってきてくれた!なんて良い子!


(結局全滅させんのね……)


 どーせ他のヤツは壊すんだろ!


(そうだけどね!)


 キラキラの核はみーちゃんの空間庫に入れておく、何時でも見れるしね!


「ンミァー」はずかしいのー


 何言ってるの!当然の報酬ですよ!


 ぴょんぴょん飛んでご機嫌みーちゃん


(そろそろ戻れば?)


 なんなん急に!まだ宝物にたどり着いていないのですよ!


(それさ……言おうか迷ったんだけど、ミネルバが見落としてんだよね……隠し部屋)


「……え?」 


 …………そうなんか


「えーと……そうでした?すいません!」


 マップ機能までポンコツかっ!


 これからは俺がやるか!


(いやーマップ機能は実際行かないとメモされないんだよね、ミネルバは神の力で見てたから……)


 どっちも役立たず!!


(そーいう仕様!!)


 なにがしよーだよ!ちゃんと使用しろ!


(上手くねーし!駄目なもんは駄目!)


「もっ戻りましょう!!みーちゃんの為に!先輩!見落としオシエテクダサイ!」


(みーちゃんの為に……しゃーねーな。)


 勝手にツンデレしてんな



 結局隠し部屋は消失した森にあった、あれだけ見晴らしが良くなったのになんで見つけられないんだよ!


「うー!分かりません!」


(はぁ……そこそこ、壁に違和感あんでしょ)


 違和感……壁をペチペチ……ん?トテトテペチペチ……空間があるな。


(何でもいいのよ魔力流せれば、開くから)


 よし最大火力!


(せんでいい!)


 いや、魔力の流しとか?知らんの


(マジか……そういや人間は学校で習うんだった……ミネルバー)


「はっはい!!やります!」


 出来んのかい!教えろよ!


「あ、はいー今度?副店長の許可がないと時間作れなくて……」


 副店長の名前出すのは卑怯だ……が実際はそうだから何とも複雑……


「開きます」 ゴゴゴゴゴッ



 おおー!それっぽい、ダンジョンぽい


(そうですね……)


 暗いなーライトー!で明るくすると四畳位の部屋にポツンと箱が。


 ……みーちゃん、あれモンスターになったらメテオしていいからね?


「ンミ!」するの!


(ふっつー!マジで!)


 ほんとかよ、ポンコツは信用が足りん。


 トテトテ歩いて宝箱の前に、開けるよ?


「ンミ!」おーけー


(じゃないよー!)


 キィィィーと空くがミミックじゃなかった、チッ!


(何でだよ!)


 バタッと蓋が空いたのでジャンプして縁に乗る、ナニが入ってますかー?


「あ、耳輪ですねー」


 おー!みーちゃんもしてるアレか、鑑定!


(耳輪/耳に着けるアクセサリー/魔法効果/絶対探知/説明/探知を避ける魔道具を無効果)


 ……ピンポイント杉


(やっ、やったね!!)


 やったな、ヤラセだよ!

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