第43話 お隣の秘密

 さて、今日は昨日の反省会だ、お庭に集合!特にマドロンな?



 まんまと魅了に掛かって膝の皿を割られたマドロンさんはヒールでも完治せずしばらく車椅子生活だ、当たり前だろ!


「だ、だって!!私だって警戒した!」


「あら、随分と自信があるんですね、本当に掛からない自信があるんですか?まんまと掛かった訳てすけど。」


「ヴーっ……そ、それはその……」


「負け犬は大人しく吠えてなさい。」


「ヴっー!!!」


 副店長に反抗するなよ、命懸けだな。


「ミッ?ミィー」みぃがねらわれてたの?にぃにわがままいったの、ごめんなさい


 何で謝るんだい?みーちゃんは何も悪くないんだよ!


「ピピーピ?」わるいのはゆうしゃ、ねぇねはちがう、でもゆうしゃにきをつけて?


 そうだよ、まだ街に滞在してるんだ、帰ったからって安心は出来ないの、にぃに、今度は正直に言うから許してね?


「ンミィ!」にぃに、ぴぃ、だいすきなの!


 はふんっー!可愛い子!にぃに死んでもいいっ!


(ずるいズルい!あたしも言われたい!)


「ミ?」なんのおれいするの?


(……え、いや、なんでもないでふ)


(先輩、あの勇者を処罰出来るのって変態位じゃないと駄目なんですか?)


(まぁね、決まりは決まりなのよ、あたしだってさー……みーちゃん……)


 変態位の、強盗は立派な犯罪じゃないのか?あれでも許すの?


(公になってないのが問題をややこしくしてるんだよね、アイツは公害だと認める様な事じゃないと動けない、一応王に忠告したんだけど、国の事を考えるとって渋られたし。)


 かちこみじゃー!!「ピィー!」じゃ!


(どうしよう、止めたくない……)


(どうしましょう、同じくで)


「ワンコさんにヒヨコちゃん?何を戦闘モードになってるのですか?何処に戦いに行くんです?付いて行きましょうか?」


 ふっ副店長ー!!なんでもないっす!


 俺とぴーちゃんがフルフル震えてるのを眺めている、怖い!死んじゃう!


「……あの勇者に死んでもらいますか?」


 俺達より物騒な事言ったよ?


「ちょお!!勝てるわけないでしょ!?」


「負け犬は黙ってなさい、本当に勇者というのは何処の国も変わりませんね、変人ばかりで神が何を考えてるのか理解しかねます、むしろ軽蔑に値しますね。」


(返す言葉もございません!)


(同じくですいません!)


 だからさー!勇者召喚なんてポンポンさせるのが間違ってんだよー、あいつらはラノベの影響受けすぎなの!お前らのその気安さって何なの?神様なら何でも許されるの!?ちっとは懲りろよ!あげるチートだってちゃんと考えろよ!あんな変人ばっかり作りやがって!


(わ、わかった!ラノベはよく分かんないけど、チートは慎重にする!!)


 どうだか「ピ」こりない、ばかばっか


(ぴーちゃんが段々酷くなってく!教育!良い子にちゃんと育ててあげて!)


「ピー」ぴぃはまとも、かみさまはばか


(言い返せないんですけどー!)


 日頃の行いを悔い改めよ。



「きゅーちゃん!きゅーちゃん!アレ!」


 あん?膝の皿がどうした?


「何か違う物騒なテレパシー感じる!ってアレ!入り口っ」


 入り口?……何かどっかで見た醤油顔、日本人の、あ、勇者だわ、犯罪者じゃない方の二人が入り口でウロウロしてる、怪しさ満点じゃねーか。


「どうしましょうか?殺します?」


「なんでそうなるの!?」


 まぁあいつらはこの件には関係してないだろう、ちっと話しようや?


 俺がコクコクして地面ベシベシ、連れてきていいよー、の合図。


「では、私が行きましょうか、無能は使い者になりせんし。」

 

「きゅーちゃん!酷くない!?ねぇ!」


 フルフル、お前は立派な無能だよ。


「飼い犬に裏切られたっ!」



 ドアの前でソワソワしていた勇者に話しかけている、何の御用ですか?容赦しませんけど?って何で喧嘩売ってんのぉー!


 違うと言って焦っている、何だろう気が弱そうな勇者だな。


 まるで連行されるかの様に連れてきてるよ、何をするのか俺でも分かんないよぅ。


 庭に入って近づいて来る、と、副店長が二メートル程離れた所で止まる、勇者もピタリと静止、逆らえない雰囲気……。


「申し訳ありませんが、この距離でお願いします、魔法の気配があれば容赦しませんのでご注意を。」


 あんた鑑定しかないやんけ!俺に始末させようって腹だな!


「ピィ」やるのおにぃ、ぴぃはおーけー


「ミィー」みぃもじゅんびできてるの


 違うよ!話してみるだけだよ!?


「では、お座りください」


「「はい。」」恐れーシンクロ!


「……それで?お話というのは?」


「あ、はい、あの……俺達知ってるんです、ここのペットを襲ったヤツ。」


「で?」


「!?ご存知なんですか!」


「お静かに、知っています、だからなんですか?貴殿方が謝ろうと何も解決しませんが、買収でもするのですか?」


「そんな事!思ってません!謝りに来たのは本当です……そうですよね、俺達が謝っても意味がないんですよね。」


「当人も反省の意がない様子、まだ諦めてないのでは?」


「はい、そうです、どうしても猫が欲しいと言っているんです……」


「理由はご存知かしら?」


「……金です、アイツ今の国でも同じ様な事してて、でも王様は黙っていろと……」


 え?相手の王様了承してんの!?


(ちょ!それ何であたしの中に入って来ない!?何かオカシイ……)


「そうなんですか、それで、そちらの王は今回の条約に関して何か企んでるのかしら?」


「それが俺達は分からないんです、アイツと王様が二人で何がをしてるのは分かって居るんですが、詳しくは……なので知らせた方がいいと考えたんです俺達。」


「あら、ご親切にどうも、こちらも警戒はしていますので、まぁ他でもやるんでしょうね、その様子では。」


「……恐らく」


(待ってよ、王様と組んでる?そうか……高価な魔道具……それならあってもおかしくない、それにあたしに察知できない何かを持ってるんだ!)


 えー?神様も察知出来ない魔道具なんてあっていいのかよ?


(言ったじゃない、自然に出来たものは手の出しようがないって、恐らくそれだと思う、てかそれしかないハズ。)


(それだと確信出来る証拠が見つけられないって事になります?先輩)


(うわっ、すげー厄介になったな!)


 もー役立たず。


「分かりました、それなりに噂でも流しましょう、冒険者は特に嫌われていますからね、ゴロツキを雇う可能性もありますが。」


「はい、本当に申し訳ないです……止めたくてもアイツ魔法に掛かると止められなくて、同じ勇者なのに魅了に掛かるとは思ってなかったんです。」


「私は抵抗出来ましたけど?意思の強さの問題では?」


「「えっ!?」」


「す、凄いですね……意思の強さ……分かりました、精神修行ですね!」


 人格の問題だと思いますぅ。


(やめとけ、殺されるぞ精神が)


 ひゃーん!精神汚染こぁいー!!



 精神の修行を頑張ると言って帰って行った、本当に精神修行で抵抗出来るんですかね?


(うーむ、神とそれに連なる者には効かないけど、人間が抵抗出来たのがすげーよ?)


 さすか副店長様ですうぅ!!

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