第24話 昼メロと強盗と
何でか目の前に、かっぽーが正座して座っている、お前らアレルギーじゃなかったの?
「こ、こんにちわ、犬神様?と神子様と……ひ、ひよこ様……?」
…どうしたらいいのよ?喋っていいの?
(話してあるから、どうぞ、ポンコツのとこ居るからね、自由にして?アラ?なんとか?あれは無効になるようにしたからーじゃね。)
アラアレって何だよ!アレルギーは大変なんだぞ!てめぇの世界で流行らせろっ!
((で?何か用があるんだって?))
かっぽービックーン!念話初ですか?
「ほ、本当に喋るんだね……」
「あの、神様に私達アレルギーを消して貰って、それであの時は本当にごめんなさい。」
((しゃーねーわ、俺達もちょっとブチ切れて大人げなかったかなーとか?思ってたし))
「大人なんですか?前見たときと違いますね?いわゆるぬいぐるみカットですよね?」
女のがグイグイ来た、これはアレか?好きなんだけどアレルギーで、か?
((別に触ってもいいよ?お店で開放してるし、お触りおーけー))
カサカサカサカサと正座しながら寄ってきた、三匹皆で毛がブワッ!怖っ!
因みにここは教会ではない、王城なのだ、神が俺達の事を王様に話したらしい、今更何でって思うけど、みーちゃんのファンなんだって、中々分かるやつやんけ!!
女が手をワキワキしなから近づいてくる、触ってもいいと言った手前、なかった事にするのは悔しいので、人間だったら全身鳥肌状態で目の前の女を見ているしかない、ちなみに、妹の二匹は即効俺の後ろに隠れた、いいんだにぃにが守ってやるからな!
男がササッと近づいて、女に話す。
「君の動きで大分怖がってるよ?もう少し落ち着こう?動物好きなの分かるよ、だから怖がらせたら可哀想だろ?」
んだ!こら!イケメン!こ、怖くねーし?
「ハッ!私動物好きなのにアレルギーでっ!でも異世界で動物に触れるなんて感動して!」
わ、分かったから力抜いてさー?優しくしてね?特に後ろ二匹。
手のワキワキを止めて俺をヒョイっと抱っこ、ワサワサ手が体を這うが我慢ー!妹に失態を見せるわけにはイカンっ!犬肌ぅ!
散々ワサワサしたら仰向けにして俺のお腹に顔を押し当ててスーハースーハー。
解る解るよ、アレルギーだとスーハーなんて夢の夢だよね!お願い!イケメン助けて!
「あのー緑さん?犬神様が泣きそうだよ?」
スーハーしていた女が顔を真っ赤にして俺を離す、そして顔を伏せる、見せたくないんだな、取り乱しすぎたよな、うん。
伏せた女をポンポン叩いて慰める、妹達がそろそろ近づいて同じくポンポン、偉いね!
「あのねっ!見られたくないのよっ!でも離れたくないのーお願い……」
「そ、そうだよね?少し席外すから存分にね?落ち着いたら声かけてね?」
出来るイケメン、ブサには無理か、外にでたのをそろっと確認して顔をあげる、今は三匹でポンポンの最中だったので、そのまま固まる。
女が顔を真っ赤にして鼻の穴が膨らむ、こ、これは!部屋の隅へ逃げてー!!
ぴーちゃん咥えてダッシュ!みーちゃんも着いてくる!よし!後ろの女を見ると貞子みたいにカサカサ近づいて来てたので俺は恥も外聞も捨てた。
((イケメン助けてーー!!))
バンッと扉を開いて現状把握、ダッシュで女の目の前に敢えて出る!い、いけめんっ!
「しっかりして!緑さん!怖がってるよ!」
ハッとした女が顔を見られて恥ずかしかったのか手で顔を覆い、ダッと部屋の外に逃げる!そしてそんな女を追いかけるイケメン!
俺達……何見せられてんの?
中々帰って来ないので、転移で帰ろうかなーって三匹でコロコロしてたら、ノック、扉空いてますー。
「わー本当にぬいぐるみだね?きゅーちゃんって名前でいいんだよね?」
ん?入ってきたのはまだ成人前ぽい男の子、どうした?迷子か?
「ははっみーちゃんもやっばり可愛いね?黄色のは初めて見たけどでも可愛いー!」
何だ何だ?知ってる風?
後方からバタバタと走る音、と。
「王ー!何処ですかっ!」ほう?
意外だがなくはない、みーちゃんのファンだと言う王様とはお前か小僧!
足元にスリスリします、ついでに何かお土産下さい、ほらみーぴー!権力者には媚びるの!教えたでしょう?取るもん取ってトンズラすんだよぉー!
(ちゃんとした教育しろやあぁー!!)
なんだとうぅ?俺が間違ってるとでも言うのかっ!人間だってな!金だったり見目の良いヤツに媚びてヨソでは人の悪口ヒソッて下げて!そんな汚れた塊だろ!貰うもん貰ってトンズラが一番の成功方だろうがぃ!!
(何だか言い返せないいいいー!!)
所でかっぽーは何しに来たの?昼メロ見せたくて来ただけなの?王様ー!なんかクレ!
(……はぁー好きにしてー……)
「ふぁーもふもふーモコモコ!気持ちいい!子猫ちゃんは高級な布みたいスベスベ艶々!ヒヨコ?はもふっとして柔らかいー!」
三匹まとめて抱っこ、ええねんか?この結果は高くつくでぇ?
「あっ!はぁー王、いけませんよ、お一人で歩き回るとは!」
「一人じゃなかったよ?神様が案内してくれたんだ」
神様ってそんなに身近でええの?逆に届きそうで届かないもどかしさも必要だと思う。
(この子は特別なのー特例で助けた子供だからちょっと可愛くて……)
はぁ神様が贔屓ですか?いーんですかー?王様イコール国ですよ?
(国とこの子は離して接してますぅ!国が崩壊しようが関係ありませんー!)
でも王様がやばくなったら咄嗟にー!とか?やっべやっちったー、とか絶対ないな?
(な、ないよー?)
ふーん、他の世界行ったら聞いてみようかなーこんな神様どー思います?って
(……一度だけだって!許可は貰ってた!)
はいはい、子間使い乙ー!
(腹立つ!)
うるせー昼メロみたいな勇者劇場見せやがって!何しに来たのかわかんねーよ!
(ただ謝りたい、触りたいってだけであんなになるとは思わないでしょ!?)
俺達がどんだけ可愛いかお前は理解が足りていない!勉強不足だな!
(ぐぅ!)
「あれ?もしかして神様と話してる?僕も良く止まってじっとしちゃうんだ、はは」
(……あポンコツが待ってるわー)
良くお話しているようで?……くくっ!あいつの弱味はココにある!
みーちゃんがピョーンと飛び出す、飽きた様だ、部屋を歩き回ってあるものをジッと見ている、あ、あれは……
「みーちゃんはそれに興味あるの?」
金で出来た結構大きい壺だ、まさかの大物!みーちゃん、必殺技乱舞よー!
「ンミー!」いくのー!
座ってコロンと回転、ぬこ座りで手をお願いポーズ、ついでに首コテッ、で頂戴?
「ふあーあざとい!だけどそれがいい!」
ガキの癖に勘づきやがって!
「これ、欲しいの?」
「ンミィー」きれいなのー
「じゃあ、あげる!」「王っ!」
まさかの大物ゲットやったね!三匹でぴょんぴょんー嬉しいの踊りなりー!
「ほら!皆嬉しいんだ、それにお金に困ったら売ればいいしね?」
王様っぽくねーな?庶子か?
「……王、今回だけですよ?」
お目付け役?の足元にみーちゃんが必殺技出してた、出来た子だよ!
(詐欺強盗みたいなやり方で妹使うなよ!)
はっ!絆される方が悪いんだよ!こんなのはな、貰ったもん勝ちよ!
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