第23話 賢いヒヨコ
取り敢えず、飼い主がペット専門店なのが幸いして、ぴーちゃんの生活も安定した。
俺とみーちゃんに足の指を狙われたマドロンさんは指の骨の骨折という結果になり両足使えず簡易的な形の車椅子でお仕事、たまにチラッと睨まれるけど、知りませんー
普段のぴーちゃんの定位置が俺の頭の上なんだか、何で頭の上がいいのん?
「ピピッ」みはらしがいい?
と、おや?案外頭の賢い子なのかもしれない、みーちゃんは猫なのもあって比較的自由に育てているが、頭がいいならば、少し計算やら言葉やら教えてみようかな?
動物用に開発された、売れるのか分からない計算ボードみたいな板を店から持ち出す、売り物なんだが全く売れないので店員さん達は総スルー、マドロンさんが、文句言おうとして他の店員さんに口を塞がれる、マドロンさんってあんな扱いだったっけ?
ボードを地面に置くとみーちゃんがなにー?と近づいて来たので、一緒に覚えますか?と、これはねーと教えて居るけど三分程でみーちゃんが寝てしまった、そのままにして、ぴーちゃんに簡単な計算を教えてみる。
足し算はまだ一桁だけど理解できる様だ、何うちの子賢い!例題を出してみる。
マドロンさんがオヤツを十個くれました、みーちゃんがオヤツを二個食べました、その後みーちゃんはオヤツを四つ何処かに隠しました、今はあるオヤツは何個でしょう?
「ピ?ピピーィ」ねぇねはいじきたない?
ぴーちゃん!?何処で覚えたの!
例題を何度かしてみるが、何故か計算の答えにならん、何故!?文章力!?
取り敢えず暇な時間があれば、ボードを読んで足し算と引き算位は覚えるかなー位には思っていたんだが……
「きゅーちゃん凄いよ?ぴーちゃん計算バッチリ覚えてるの!」
なぬ?まだ一週間だぞ?
「ピピ!」おにぃがよろこぶからおぼえた!
な、な、なんだってーー!!
ダイビング抱っこ!ペロペロして誉めるのだ!あんた賢い子やで!天下取れるで!
「ど、とうしたの?何か嬉しさが爆発したのかな?ほむ……ボードやっぱ売れるか?」
お前が作ったんかい!売れねーよ!
「ンミー!」みぃだってできるのー!
おっと?姉妹喧嘩ですか?みーちゃん足し算できないじゃない……
「ンミンミ……ミ」なにこれわかんないの
もはや数字自体にギブアップした様子。
そんな張り合う事はないじゃないか、こう言うのは適材適所って言ってね?出来る人が出来る事をすればいいんだよ、例えば、みーちゃんは特訓したから喧嘩は得意でしょ?ぴーちゃんは頭の良さで喧嘩をどう上手く勝てるか戦略を考えるとかね?
そんな事言ったら翌日から、みーとぴーの喧嘩の戦略講座が始まっていた、何故だ。
お店は相変わらず繁盛中、そろそろ夏も終わりそうだがカットはまだ継続、風邪引いたらどうすんねん!暖かい毛布ゲット!寝るときクルクル巻いて寝るさいこー!
ミノムシになった俺に不満があるのか、みーぴーコンビが突っついてくる、何?
「ンミー」「ピピ」いっしょがいいー
さよか……バッと毛布を取ってみーぴーコンビを抱っこして毛布でコロコロ、きゃっきゃ聞きながら、三匹のミノムシ完成!
今日は庭で寝ることにしたマドロンさんが恨めしい目で見てくる、足の次は目ですか?
何かを察したのかギュッと目を瞑る、それでいい、飼い主だろうが邪魔は許さん!
秋のにほいが香る季節、勇者は何してんの?戦争するんじゃなかったの?
(それがさーブサもやる気がないし、ペアはきゅーちゃんとみーちゃんの攻撃で小動物にぶっ飛ばされる世界で戦争なんて勝てるわけない!とびびって動かないんだよね……)
ええ……トラウマかよ?
(あんた達のせいなんだけど?で、戦争する気がしなくなってるみたいなの王様は、何だかんだでいい方に進んでるのかなって?)
何だかんだで勇者が居ないと戦争しないのもどうかなって?魔族おらん世界やろ?
(魔族はいないけど、魔物は居るからね?たまに災害級がぽっと出てくんの、これは私も知らない現象なんだ、自然と産まれた感じ?)
ほお、災害級って、どんな感じ?俺達で倒せそう?
(何で戦う気なのさ……んーちょい無理かも?ポンコツ能力がやっばり足引きずってるかな、まぁしょうがないけどね。)
(申し訳御座いませんっ!!)
まー今更だし?倒したい訳じゃないし、みーちゃんとぴーちゃんを守れるかって言う感じ?勇者の尻叩いてくれば?ちょいと訓練すれば俺たちに勝てるって。戦争しなくても災害級でたらヤバイんでしょ?
(んー……まぁねーでもね無理させたく無いんだよね、だってサー好きで戦う訳じゃないじゃん?流石に思う訳、喧嘩はてめーの拳でやれよぅてね?)
おお!聞いた?ポンコツ!これが感情のある神様って奴だよー
(うえー申し訳御座いません!!)
(ちょお、あんま苛めんなし、神様って人間みたいに性格も違うんだからさぁ?)
でもポンコツはサボってばっかだったけど?それも性格でしたーでいいの?
(え?何?それ?詳しく)
俺の神はよく行方不明になるんだ。
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