第13話 駄々っ子みー

「ん?みーちゃん、何かそわそわしてる?どうしたのかなぁー?」


 マドロンさんがみーちゃんを抱き上げて目を合わせている、駄目よ?訓練は内緒にしないと、バレたらメテオぶん投げて逃走だよ?


 メテオの言葉にみーちゃんの目がキラキラした、だから駄目ってば、世界崩壊だよ?


(みーちゃん誘うの止めて!益々ブッパする気満々!世界崩壊なんてさせねーよ!)


 もーアレ駄目コレ駄目って嫌われる典型ババアじゃねーか、みーちゃんにはもっと伸び伸び育って欲しいじゃない?


(まぁ確かに伸び伸び育って健康ならそれで……って騙されないっメテオはさせん!)


「えっウルウルしてるっ!私何かしたかな!?ど、どうしようっ」


 おいおい、神様が神子苛め?やめて?妹苛めるの、おいでーみーちゃん。


 ピョンと腕の中に飛び込んで来たのでペロペロ毛繕い、全く何が神様だよ、何様?


(んもーっ!分からん!どうしていいか分からんっ!!ぬおーっ)


(おっ落ち着いて!そういう作戦です!)


「ありゃ?きゅーちゃんのが良かったか!ごめん、ごめん、ははっ」


「ンミィー」めておなのー


 みーちゃんのメテオ駄々っ子は置いといて、最近の噂は本当なんですかね?ここのお城で勇者召喚したって話は?


(本当だよ、一応許可したけどあんたと同じくらいウザイのよー、ハーレムはあるのかって!ブッサイから無理じゃね?って思ったんだけどさ、ブサ専からモテる隠しスキルあげた訳!マジウケる、早々いねーっていう!)


 何こいつ?本当に神様なの?慈悲すら感じさせねぇ、これが本当の神かっ!!


(神は慈悲を持たない!成る程、見習いからの脱却は中々厳しいんですね!)


(やめろ!ミネルバ!違うからね?今のはアレ、冗談!やだなーこんな犬と付き合い長いと変なとこまで真に受けて、駄目よ?)


 おい、お前も大概だな、ブサ君は結局ハーレムは作れないんだろう?整形位してやれよ、そんなに不細工なら、勇者の夢壊すだろ?


(あっ!そっかー整形ね、やっぱさー勇者のハードルって高い訳、イケメン前提とか、夢見すぎで困るわーなんかノッペリ顔多くてさ!何でかな?ショッパイ顔が多いのよ、マジ謎)


 うるせー!日本人ディスってんじゃねーよ!悪かったな醤油顔でよぉー!大豆は健康にいいんだぞ!一緒に居たら健康になれるかもしれないじゃん!?なんならそーいうスキル付けてやれよ!一緒に居るだけで健康だぞっ!


(なっなんで急にブチ切れ?)


(召喚される確率が高いのがきゅーちゃんの人間だった時の国らしいんです……)


 そーだよ!テンプレなの!解る?大体お約束なのー!文化なんだよっくそぅ!


「ンミィー!」にぃにがないてるのー!かみさまにめておなの!


 みーちゃん!やってやれ!こんな世界ぶっ壊してやれ!


(ちょちょ!ストップー!)


 な!なんだとっ!みーちゃんが攻撃姿勢で止まっただとぅー!?ハッ周りも止まっている……ヨーンがとま……てても動いてても変わんないか。


(あっぶね!マジメテオじゃん!許可するわけ無いでしょ!悪かぁたって!ごめん!そんなコンプレックスあったとか知らなくて!)


 別にコンプレックスじゃねーよ!他の奴等が勝手にランク付けてんだよ!何様だと思うだろ?お前の国だってブサなんぞ山ほど居るだけでイケメンで隠してんじゃねーよってな?


(ああーうん、あれか、どっちが優位か示したい的な?分かる分かるー人間ってそんなんだよね?比べたがるんだよね?)


 どこの花だよ……


(と、取り敢えずさ、みーちゃんにメテオを止めさせて?ある程度ならさ、ほら優遇してもいいし!同じ国なんだもんね?)


 別にどうでもいいわ、同じ国だろうが所詮他人よ、なんで優遇?整形?しなくていいわ、苦労しろ!よく言うだろ、召喚は若い内に苦労しとけって。


(わかんないっつーの何処の格言だよ!)


 いーんだよ、取り敢えずブサのまま様子見ようぜ?ハーレム作れるか観察しようぜ?


(タチ悪いのはお前の方だろ……)


 早くみーちゃん開放しろお!いつまで可愛いポーズさせるつもりだよ!可愛いながらにぃに守る!的な顔見た?最高に可愛い。


(分かったよ、可愛いのは分かってるから、止めてくれる?メテオ落とすなら消えて貰うよ?マジだから?)


(えっ!私が困りますっ!)


 ポンコツはどうでもいい、みーちゃんが消えるのは耐え難い!宜しい、止めようぞ?


(どうやんだよ、もう発動寸前だよっ)


 いいから、いいから、ほら。


(ウザ……ストップ解除!)


「ンミー……」めて……

「きゃーん!」猫じゃらしー!

「ンミっ!?」どこーっ!?


(なんでやねん……)


(大好きだったもんねみーちゃん。)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る