第7話 飼い主決定

 話し合いは一週間ほどかかった、長いな?俺ら超人気者だったみたい、テヘペロ


 話し合いが終わって迎えに来たのは、ペットの専門店のお姉さんだった!おーペットの扱い慣れてる人だよね?みーちゃんに不満があれば出ていくけどさ?


「いやはや、大変だったよ?話が中々終わらなくてっさ、結局ペット専門店してる私が預かるのが一番いいんじゃって、なったんだけどー恨まれそう!」


 飼い主なら守ってやんよ?


「てな訳でよろしくね?私マドロンだよ?」


 よろしくお願いします、二匹でお辞儀。


「ぶはっやっぱ可愛すぎ!!やばいわー」


 俺がみーちゃんを抱っこして俺を人間に抱っこしてもらうスタイルも笑って気に入ってくれた、中々面白そうな飼い主だ。


 道中で色々な人がよかったねーと言ってくれるけど、マドロンさんは少しビビってた、暗殺されたらどうしようとか、居るの?


 お店は冒険者ギルドとは反対側の広場にあるようで、嫌いなんだそうだ、一度ペットを盗まれそうになったらしい、なんだそれただの強盗じゃねーか?


 結構大きいお店だ、セリさんのお店も大きかったけど、ここは一階で裏庭が広いらしい、複数のまるまる、ヨーン?を飼ってるそうで、荷物もちには最適なんだそうだ、お店やってたら便利だよねー空間魔法。


 お店の中に入ると、何畳かのガラス室がある、ここの世界はガラスがちゃんと透明だ、その中ではヨーンが洗われてたりカットしてたり、ってこれトリミング室だ、すげー地球を思い出す風景だ、さすが専門店。


 そのままお店を突っ切ると裏庭が広がって居た、芝生に大きさのまちまちなヨーンが……十匹も居る!毛玉の塊が芝生でコロコロしてるのは少しシュールな光景だ。


「皆ー集まってー?新しい子紹介するよ?」


 声かけに一斉にコロコロ毛玉集団が集まる、みーちゃんが凄くキラキラした目で見てる、ヨーンと縁側で仲良くしてたから相性はいいんだろう、お友達が一杯だ!


 俺達を下ろして


「はい、この子二匹が新しいお友達ですよ?仲良くしないとご飯抜きだからね?」


 一際大きい毛玉がフルフル震えた、お前やったんかい!あいつ注意だなっ!


「ここが普段過ごしてもらう所だから、どう?不満はあるかな?」


 無いです、シンクロフルフル。


「はははっやばい!こんな子達初めてだ!」


 楽しそうな場所で良かったよ、ここなら走り回れるし訓練も出来るし、お世話も専門店だからバッチリだろう。まぁ訓練してるところ人間に見られるとヤバイけど、ヨーンしか居ないしおーるおーけー!


「んじゃ私はお店に戻るからねー?」


 はーい。と見送る。 


 なんかな、一際大きい毛玉がなーんか企んでる気がするんだよ、気配がなー?


 バタンと扉がしまると、大きい毛玉が動いた、もう飯抜きの話忘れたのこいつ……


((おう、俺がここのボスだぜ?言う事聞かないとようしゃ……ブヘラッ!!!))


 大きい毛玉が吹き飛んだ、いや俺じゃないよ?みーちゃんが何かを察したのか、毛玉なので容赦無く猫パンチよ?広いお庭を盛大にコロコロ飛んでいく、みーちゃん偉いね?


 ペロペロして誉めてあげる、あれはやってもいい奴だった、ナイスな判断力だ!


「ンミッ!」なんかむかついたのー


 だれだょそんなことばおしえたー俺だ。


 そんな感じの事を呆然と見ていた他のヨーンがみーちゃんにまとわりつく、凄いスゴい!と、あいつやっぱ大将気取ってやがったな。まあこれで風通しも良くなるだろう、ヨカヨカ。


 端までぶっ飛んだ大将がピクピクしている、放置しよう、加減のライン決めだ。


 みーちゃんが複数のヨーンともちゃもちゃしているのをホッコリ眺める。野良から飼い主生活の始まりだ。


 ここで一日のスケジュールを教えよう


 朝六時、マドロンさんが店長としてお店を開ける、開店の準備だ、七時に他の店員さんが出勤、八時に俺達にご飯の準備、俺はヨーンと同じご飯、中々美味しいご飯です、みーちゃんはミルク、結構いいミルクらしい、美味しいって言っていた、すまんのぅ……


 九時に開店、ヨーンや俺みたいな犬っぽいのも見かけるけど違うだろう尻尾が二本だもん、妖怪なの?俺も尻尾が九個とかに増えないかな?かっこよくないー?そんなペットを連れたお客がトリミングだったり、買い物だったりで賑わう、城下町だからか人もペットも多いみたいで、専門店もここ位しか立派なのはないらしい、と来店するペット達に事情聴取。


 十二時、お昼にご飯、店員さんがブラッシング、十匹と二匹で店員さん二人で対応。


 お店は何時でも賑わっている、のは訳がある、ここ、ペットと食事が出来る唯一の場所なんだって、地球と替わらないシステムに感心。


 夕方の四時、何匹かのヨーンを連れて仕入れのお買い物、俺達にはまだ様子見で買い出しは行かない、大将は何時も連れていかれる、大きいから持てる量が多いんだろう、だからか大将ズラしてたみたい、今はみーちゃんに怯えている、ざまぁー!


 午後六時ご飯の時間、それが終わると庭が解放される、お触り広場になるのだ、ヨーンを飼うか迷う人も来るらしい、飼い方のレクチャー講座もある、ヨーンは割りと高い買い物だ、値段は地球の犬と大して変わらない、安く売ると捨てる確率が高くなるらしい。


 ここではヨーンの販売はしていないが飼いたい人はここで面接を受けて飼える資格があるか確かめてからヨーンのブリーダーに紹介されるシステム、よく出来てるよね?


 お触りでは、俺とみーちゃん人気者、ヨーン以外で可愛いの居ないんだって、確かに犬っぽいのは厳つい顔をしていた、みーちゃんを乱暴に扱おうとすると俺が吠える!店員さんに注意されて、扱い方のレクチャー、俺は尻尾が捕まれない限り大丈夫ですぅ。


 夜八時、お触り終了、お店は九時まで営業している。閉店するとマドロンさんと店員さんで片付け、閉店作業、十時になると店員さんを帰す、働く時間は長いが休憩も適度に何度か挟んでいるし、残業はなし、ホワイトなお店だ。ここは給料もいいらしい。


 中々良いところで生活出来るし満足!

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