第2話 新しい世界

 俺は瞑っていた目を開ける、神殿ではない広い大草原に居た、腕の中を見ればみーちゃんもちゃんと居る、ホッとした!


「ンミ?」にぃに、せいこう?


 おう、成功だ、だがどんな世界か分からないから油断しちゃ駄目だよ?


「ンミッ!」わかったの!


 実を言えば攻撃能力だけはみーちゃんに負けているのだ、みーちゃんの俺を守るのパワーぱねーっす、んで可愛くない?最強!


 それにしも、見事な大草原だ、空を見上げると、何かお日様っぽいのが二つある、前の世界とは違う所だと実感。


 さて、この世界には神様居るのかね?ポンコツは以前言っていた、沢山ある世界の一つに過ぎない、世界をローテーションしてるんだと。


 それが確かなら居る可能性は高い、だが俺とみーちゃんの神はあのポンコツであって今此処に居る世界の神様じゃない、もしかしたら送り返される可能性だってあるのだ。



(あらあら、可愛いお客さんだこと)


 んおっ!!びっくりした!神か?


(そうよ?変な気配を感じたので見に来たら、可愛い子がいるから驚き、魔法で来たの?)


 ここは能力とか言わないんだ?全部魔法で統一してるの?


(そうよ、面倒でしょう?)


 あれ?大丈夫か?この神様……


(失礼しちゃうわ、消しちゃうわよ?)


 のぅーー!送り返されるどころのの話じゃなかった!!消されちゃう!


(出来なくもないけど面倒だからやらない、貴方達この世界には何をしに来たの?)


 え?何って言われると……何だろう、別の世界を散歩したい感じかな?


(……変な子達。)


「ンミィー」にぃにはへんじゃないのー


(!あららら!その子はもっと可愛い!)


 せやろ?せやろ?可愛いんだよ!


(……犬と猫なのに、仲良しなんだ?)


 まぁ、妹みたいなもんで?


(ふーん、そっ?まぁいいわ、害がないなら好きにするといいわよ?)


 あざーっす!「ミィー!」っす!


(一応言っておくけどここから人が住んでる所までだいぶ遠いけど?)


 まじか、転移しようにもイメージがないからな、歩いて行くしかないかー。



(……んー可愛いお客さんに免じて、街に送ってあげようか?)


 えー?いいんすか?出来れば戦争とかない国でお願いしますー。


(戦争ねー?結構多い世界なんだけど?ま、比較的安全なナートって街に送ってあげる。)


 戦争多かった、仕方がないな?賭けだったんたから、贅沢は言わないさ。


「ンミゥー?」おねがいーかみさま?


 空気読んで必殺技首コテッ入りました!


(くっそ可愛いなおい!!加護あげちゃう!)


 想像以上の効果!加護?いいなー?


「ミィミーミー」みぃだけじゃやなの、にぃにとお揃いがいいのー


 くっそ可愛いな!!!!


(何かしてやられた感半端ない……あざといわー可愛いから許す!) せやろ!


(あんたも大概猫馬鹿ね?) せやろ……


(んじゃさっさと送るけどあんまり干渉はお互い無しで、送るわよー)


 おーけー、その方がいいなお互い。




 目の前の景色がグニャッと曲がったと思ったら、見えないナニかにそこへ放り込まれた!うえっ!みーちゃん!?


 ポイッと擬音が付きそうな感じで街らしきところに立っていた、ハッ!みーちゃん!


「ンミ?」いるの?


 俺の腕の間に居た、良かった!びっくりしたわ……すげー適当そうな神様じゃん?


 いや、あんまり何か言うと消されるわ。


 取り敢えず街にっていうか遠くに城が見えるから城下町って感じだな、建物の間に移動させてくれたようだから、誰にも見られてない。


 さて、どうしようか?エサとか考えないといけないし、仕事探さないと、てか喋れないから賢い犬のふりで何処まで通用するか、確かめないとな?


「ンミッ!」みぃもがんばるの!


 みーちゃん出たら天下取れちゃうよ?


「ウミャー!」てんかとういつー!


 何処で覚えたの?


 取り敢えずみーちゃんには俺の背中に引っ付いて貰う、まぁあざとい狙いの内よ。人通りの多い賑わっている街は見る限りは平和そう?でも戦争多いって言ってたから、日本みたいなのとも、以前の世界とも違うようだ。


 可愛さを意識して尻尾をフリフリさせながら、散歩ですが何か?みたいな雰囲気出してみる、行き交う人達が可愛いと言う、せやろ、みーちゃん世界一!じゃねーや、イヤみーちゃんが世界一宇宙一なのはそうなんだが。


 おお、驚いたーペット文化がある国だよ!やったね!飼い犬生活も夢じゃないなコレ。


 ペットと言っても姿形は違うのだが、首輪付けてリードで散歩してる、どこら辺が狙い目だろうか?やはりメグちゃんの様な少女……メグちゃん、会いたいなぁー……


「ンミッ!ミゥ」にぃに、しっかりするの!かなしいのはわすれるの!


 背中をぺちぺちされて言う、そうだよね、千代さんもそう言っていた、千代さん……


「ンミー」にぃに……



「わー!ママ!凄く可愛いのが居るよ!」


 おん?少年じゃねーか!乱暴だからお前はないな!失せろ!グルルッ!


「わっわっ怒ったー!ママー!!」


 ケッ逃げたぜチョロい。


 やっぱりみーちゃんの事も考えると少女が一番いいだろう、乱暴娘は論外だが。



 人の隙間をトテトテ歩いて行くと、動物に話しかけられた、こんにちわって、つか、この世界で意志疎通出来たし!ちょっくらペットさんに動物飼いたい人が居ないか聞いてみよう。


 飼い主が露天で買い物している間に、まんまるでモコモコの何かに話しかける。目ドコ?


 新しい飼い主探してるんだけど、何処かでいい人知りません?


((ぷ?しらないぷー)) キャラ付けヒドイ


 世間知らずぽいな、城下町だからかな?野良的なのは居ないかなー案外そういう方が世間を把握しているよねー……でも街綺麗だわ野良居なそう。


((あなた、すてられたの?かわいいのに))


 後ろから声を掛けられた、見るとまんまる二号だ、流行ってんの?目ドコだよ?


 捨てられてないし?野良してたけど飼い主がほしいかなってー?


((そうなの?わたしのまわりにはいないわ、ざんねんだけど))


 二号はキャラ付けしてない、好印象。


 そっかありがとう、もう少し探してみる。

 

 トテトテ歩いているとまんまるのペット率高い、何だろうカテゴリー的には負けてないと思います!少女に近づいてみたりするがナデナデだけで拾ってくれない、みーちゃんの必殺技を出すも、すでにペットは十分です感。


 うーん一旦野良で生活してみようか?


「ンミ」どっちでもいいの、にぁにとなら


 俺に必殺技掛けないで!萌えるやんけ!

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