『深夜の底から』Ⅱ
やましん(テンパー)
『深夜の底から』Ⅱ
どうする
やましん?
道は無くなった
街灯も、消え失せた
すべてのはしごは、外されるか、蹴飛ばすかした
進むべき、意義は無くなった
やるべき、与えられた使命は果たした
そう、言い切れると思う
もはや、行くべき、使命はない
やましんは、止まった
針は、落ちてはいないが、動いてもいない
だから、寝られないのだろう
当然のことだ
どうする?
道を、また、作るか?
彼らは、望まないだろうが
いや、嘲笑うだろう
それでも、まだ、歩こうと、するのか?
あの、奇異な視線を浴びながら?
『ぎりぎり』、屑がこぼれてる
ほこりだらけでも、いくらかの誇りはあるのかい
いいや、ない
いっさい、ない
足は、大地に接着されている
手は、大気に固着されている
あたまは、空間に埋まった
なにも、揺るがさなければ、なにも、動かない
もし、ねむれるものなら、そうしてみたまえ
明日の光も、君には遠い
でも、行くのかい!
ならば、新しい楽譜を抱えて、行くがよい
与えられた道ではない、道だけれど、
世界には、無意味な道だ
倒れるまで、歩いてみるか?
栄光も、地位も、金も、誰も、ついては来ない
それこそ、開放された、たったひとつの、生きる道だ
あとは、すべて終わらせる、究極の道だ
輝く星にはなれないが、すすけた、骨になら、なれる!
選択は、まだ、毎晩あるかもしれないが、いつ、終わるかは、分からない
それでも、君は、最後の道は、ちゃーんと、握っている!
……… ✨ ………………… ……………
『深夜の底から』Ⅱ やましん(テンパー) @yamashin-2
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