第23話 孤立主義者の少女が覚悟を決める

 指定された場所に出かけるために、私は身支度をした。

「こんな格好……」

 鏡でこんな姿を見るのは初めてだった。

敢えてそれを指示するということは、たぶん「首領」は私が女の子だと知っている。もしかすると、最初の予感通り、やっぱり監視されていたのかもしれない。

 そう考えれば、あの花火大会のときのチャットも説明がつく。あれは、やっぱり誘導だったのだ。

「逆らえば、明日はない」

 KSG……思っていたより遥かに恐ろしい集団だった。

 いや、SNSそのものが、怪物と化しているのかもしれない。

 それが今、私とヒロに対して牙を剥いている。

「でも、逃げたりしないから」

 鏡の向こうの、自分ではない姿に向かって私はつぶやいた。

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